放出の楽しみと気がかり
初版 2022/12/30 18:19
改訂 2022/12/30 20:42
人の楽しみに蒐集がある。
考えてごらん、放出もある。
というわけで、このところもっぱら放出の楽しみに耽っている。
しかし、じつは気がかりがないわけではない。
それは何かというと、はたして次の所有者がその放出品を喜んでくれるだろうか、ということだ。
そもそも放出品というのは、それ自体にどこか問題があるので放出されるわけだ。
金に困っていればべつだが、とくに問題のない品を放出しようとはだれも思わないだろう。
つまるところ放出品というのはどれも「訳あり」なので、その「訳」が売り手の私には見えていても、買い手のほうには見えていないのがふつうなのである。
だからといって、この品はここが気に入らないので放出します、とははっきり言えない。
私に気に入らないところが、買い手にも気に入らないかどうかはわからないし、品物自体の価値を減じるようなことは、買い手のためにも書きたくない。
そこで私は商品については最小限の説明にとどめ、ここがいいともわるいとも書かない。
そういうのはいっさい買い手のほうの判断に任せる。
卑怯な逃げのようだが、それが私にできる精いっぱいの良心的な態度なのである。
Trilobites
2022/12/30幾つか引き継ぎさせて頂きましたが、私の所有標本より優れていると思っている標本を、更新用に触手を伸ばしています。完璧な標本など私は求めていないですし、凡その原価も分かっているつもりなので、その中で判断しております。A社のようにくどい位説明文を並べなくても、この分野の収集家はある程度判断はできる方が多いとは思いますので、十分ですよ!
ktr
2022/12/30今回購入履歴を調べてみたら、2013年の8月にオレネルスを譲ってもらっていました。
あれからもう10年になるんですね。
ああいうすばらしい標本に蒐集の初期に出会えたことは幸運でした。
私の出すものも、そんなふうに大切にしてもらえればいいな、と思いますね。