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The New Blockaders & Xtematic “Degenerative Themes”
またまた、来ましたよー。今度は、英国The New Blockaders (以下TNBと表記)とクロアチアのXtematicのコラボレーション・アルバム”Degenerative Themes”です。TNBに関しては、既にバイオグラフィーは書いてありますので、ここでは、コラボ相手のXtemaricのバイオグラフィーについて少し書いておきます。一言で言うと、Xtematicとは、Marko Jovićのソロノイズ・ユニットとのことで、2011年に宣言を発表して、彼の芸術活動を開始しています。Jović自身は、テクノ、ブレイクビーツ、ドラムンベース、トランス、ハードコア、インダストリアルなどの色々な電子音楽を聴いて、活動を始めています。そんな中で、彼は16歳の時に、ハーシュノイズやエクスペリメンタル、ダークアンビエント、ハーシュノイズ・ウォール、グリッチなんかを聴いて、実際の活動に影響を受け、特に、Diazepa.Mと言う即興・ノイズ・実験系アーティストに大いに影響を受けています。Jovićの最初のハーシュノイズ作品は、Shit Noise Recordsからリリースされており、その数日後には、彼の実験ノイズ・アンビエント作品も、Adrien Millerと共に、Itsu Jitsuレーベルから出ています。その後、数年経って、彼は他の同様のノイズ・アーティストとコンタクトを取るようになり、様々なコラボを行なって、テープやCD/CDR、フロッピーディスク、レコード、配信等の形式で、その結果を発表してきました。そんな中で、彼は、Xtematicとして、一つのアイデアやコンセプトに捉われずに、様々なスタイルでの作品を作り、インダストリアル・カルチャーや明暗の対比こそが、彼の最も興味のあるテーマです。そして、Pain JerkやGovernment Alpha, Genocide Organ等は、彼に大きな衝撃を与えてきましたが、また、その中でも、彼は、TNBやTorturing Nurse, The Haters, Richard Ramirezらとコラボ作を作ってきています。それは、音だけに留まらず、写真やビデオ、グラフィック・デザインに関しても同様であったとのことです。Discogsで確認すると、Xtematicとしては、2021年まではリリースを確認出来ますが、その後の活動は良く分かりません。 と言うのが、Xtematicの略歴になります。それで、今回は、Jović自身が大いに影響を受けた英国TNBとのコラボ作品となる訳ですが、両面共3曲ずつ収録されて、合計6曲(全曲”Theme”I〜VIと記載されています)となる訳ですが、どちらが最終ミックスをしたとかどちらの音源を使ったとかの情報はクレジットには記載がありませんので、実際のコラボがどのように行われたのかは不明です。と断った上で、各曲についてご紹介していくことにします。 ★A1 “Part I”は、重い金属塊を引き摺るような音に、リバーブの効いた電子音(かな?)が絡んでくるヘビーな金属音響ノイズで、恐らく後者にはサンプラーの使用やテープ操作も施されているようです。 ★A2 “Part II”も、キーキーと軋む金属音で始まり、ヘビーな金属音と歪んだ電子音のミクスチャーから成る曲で、段々と重積されるノイズ音源が、時に崩れたり、時に聳え立ったりして、破壊と再構築が交互に進みますが、収録時間は短いです。 ★A3 “Part III”は、缶詰のような金属音が増幅されながらも、不明瞭な電子ノイズや潰された金属音がカットイン/カットアウトするカッコ良い曲です。 ★B1 “Part IV”では、リバーブの掛かったザラついた金属音が引き摺り回され、それに更に、金属音や具体音、更には電子音などが、ガチャガチャともつれて込んで、絡んみ合って、「生き物」のように蠢いています。 ★B2 “Part III”でも、不明瞭な金属音に、歪みまくった電子音や具体音が上乗せされていき、ヘビーで激しいブラウン運動の様相を呈しています。後半には「メタルの悲鳴」も聴取できますが、やはりサンプラー等も使用されていますね。 ★B3 “Part VI”も、潰されていく金属音と変調された具体音等がガッツリと絡み合い、巨大な「鋼的胸像」となる小曲です。 明確なクレジットの記載はないですが、多分、TNB側は音源を提供しているだけで、ミックスや再構築はXtematic側が全て行なっているようです。その出来は、1990年代の初期Macronymphaを想起させるような、歪んでグシャグシャに潰された音響ノイズで、何ともヘビーな仕上がりになっています。また、音圧的にも、緩急が付けられており、押しては退くように音が配置されていますので、単にダダ漏れのハーシュノイズ・ウォールと言う訳ではないです。寧ろ、頭脳派ノイズですが、かと言って、アンビエントな要素は皆無ですので、ハーシュノイズ・ファンの方は安心して下さい。本作品では、Xtematicの手腕が遺憾無く発揮されており、聴き応えも充分です。差し詰、ドゥーム・メタル・ジャンク・ノイズでしようか?メタル・ジャンク・ノイズ・ファンの方は、勿論、初期Macronymphaのファンの方にも大推薦ですよ❗️ *本作品はYouTubeにも上がっていなかったので、TNBのライブ動画とXtematicの単独動画を貼っておきます。 [TNB live in Berlin, Mar.31, 2012] https://youtu.be/i1sCwqGqOu4?si=4ClHcOO31CatxY1_ [Xtematic “Nu: tral “] https://youtu.be/myW1CYQlE5I?si=82zd0LOkSV0hN-ON [Xtematic “Another Way of Wisdom”] https://youtu.be/JvrXhcptukk?si=-rlDksi7YqE9Se7z #TheNewBlockaders #Xtematic #DegenerativeThemes #EquationRecords #UK #Croatia #CollaborationAlbum #HalfBlackHalfGoldVinyl #LimitedEditions #80部 #Noise #Experimental #RichardRupenus #PhillipRupenus #MarkoJović
Noise / Experimental Equation Records 不明Dr K2
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Xex “Xex:Change”
いきなりXexって言われても、訳分かんないよねぇー。元々、私がここら辺に注目していたのは、米国レーベルDark Entriesが、盛んに1980年代のシンセ・ポップ音源(その殆どがミニマル・ウェーブと言われる形態であり、2000年以降、欧州とかでは人気のジャンルでもあります)の発掘をやっていたからなんです。いわゆる、その頃って、安価なシンセとドラムマシンの使用と国際的カセット・カルチャーとが見事に結び付いていた時代だったと思います。だから、何の情報も無しに、Bandcampとかで視聴して面白かったバンドの音源を探していたのです(まぁ、郷愁に浸るだけですが)。それで、今回は、米国NewJerseyのXexの未発表音源LPと1981年のライブDVDと言うお得なセットをご紹介したいと思います。 先ずは、Xexのバイオグラフィーを分かる範囲で書いておきます。Xexは、全員がシンセ(とドラムマシン)を担当しているNJ州South Riverのバンドで、結成は定かではないですが、高校同級生のトリオ編成だったのが、Rutgers大学の友達も加えて、Xexが結成されたようです。その時のメンバーは、Alex Zander (Drum Machine, Vo), Jon-Boy Diode (Synth, Vo), Thumbalina Guglielmo (Synth, Vo), Waw Pierogi (Synth, Vo), Cookie Ruggerio (Vo, Synth)とのことで、シンセもARP等を使っていたようです。そうして、1980年に、彼等はファースト・アルバム”Group:Xex”を自分達のレーベルWhat's That Music Recordsから出しており、その目的の1つが、最も暗くて深いレーガンの時代からのタイムカプセルみたいなものを考えていたようで、もう1つの目的は未来志向だそうです。まあ、その後は続かず、知らない間に消滅しており、すっかりXexのことは忘れ去られていました。しかし、1998年に、DJ Tom Smithが、その唯一のアルバムをラジオ局WFMUの音楽ライブラリーから見つけてしまい、バンドのメンバーの許可を得て、2004年にそのアルバムをCDの形態でSmack Shire Recordsから出しています。こんな動きがあって、Dark Entriesも、2011年に、このアルバムを再びLPとしてリイシューし、更にメンバーに協力してもらい、未発表音源を発掘・コンパイルして、本作品であるアルバム”Xex:Change”を2013年にリリースしたとのことです。しかも、1981年4月9日に地元ライブハウスHurrahで行われたライブ動画をDVDとして付けてのリリースです。これは貴重ですよぉー。それでは、Xexの本作品のLPの各曲を紹介していきましょう。DVDについては全体をご紹介することにします。 ◼️LP ★A1 “Fast Food” (4:23)は、重めのドラムマシンと直線的シーケンスに、男女のVoがポツリと歌う曲で、シンセソロも簡素で、微笑ましいです。 ★A2 “Trust In Machines” (3:29)は、やや複雑なリズムセクションに、女性Voが精気無く歌う曲で、シンセのSE的リフがポイントですね。 ★A3 “Fun In The Sun” (5:24)は、スローテンポなドラムマシンとシーケンスとホワイトノイズのPercに、女性Voが淡々と歌う暗い曲で、間奏のシンセが何故か悲しげです。 ★A4 “Vietnam Vet” (3:41)は、重めのSilicon Teensみたいな曲で、野卑な男性Voと女性コーラスから成りますが、やはり軽やかさ不足が特徴でしょうか? ★B1 “Heartbeat” (5:21)は、結構凝ったシーケンスとドラムマシンに、男女Voの掛け合いとシンセのリフが乗る、垢抜けた曲で、心地良いです。曲自体はミニマル。 ★B2 “Form Follows Function” (4:44)も、同期させたシンセでリズムとシーケンスを打ち込んでいますが、コード進行は3コードのロッケンローですね。この曲でも男女Voの掛け合いが聴けます。 ★B3 “Dance For The Limbless” (6:50)は、四つ打ちキックのダンサブルなリズムに、多層化した女性VoとSE的シンセや宇宙音が乗る曲で、タイトル通りで、ミニマルで催眠的! ◼️DVD - Live At Hurrah April 9, 1981 1 “St. Vitus Dance” 2 “Fashion Hurts” 3 “Times For Love” 4 “Rome On $5 A Day” 5 “Form Allows Function” 6 “Compact Love” 7 “Heartbeat” 8 “Svetlana” 9 “Dance For The Limbless” 実は、DVDは、今回初めて観ました。映像では、女性2名を含む5人で演奏しており、その内、男性1名がE-Percを担当、女性1名はVoのみで、シンセは男性2名と女性1名が担当しています。しかも、シンセ奏者は曲によってシンセはそのままに、シェアして演奏しており、またシーケンサーは使っておらず、ベースラインは手弾きのようです。ただ、キックだけはドラムマシンのようです。いやーここまで、ローテックとは思いませんでした。また、その為か、曲も単純なものが多く、演奏も決して上手くはない、寧ろ下手です。しかしながら、「B-52’s meet Kraftwerk」のような雰囲気は、当時の米国ハイティーンの流行を反映しており、大変興味深いものです(学芸会的なノリではありますが)。そんなXexですが、LPでは、結構ちゃんとした演奏で、ややダークな曲が多く、なんか、DVDのバンドとは別物かも?と思う程、違います。それぞれ、面白いと思いますし、LPでの素っ気ないVoの掛け合いや重めのビートなんかも、ミニマル・ウェーブとして楽しめますので、そこら辺のバンドの発掘音源に興味があるリスナーさんにはお勧めしますよ❗️ [LPの曲のまとめは無かったので、各曲を別々に貼っておきます] A1 “Fast Food” (4:23) https://youtu.be/w-TApqa2LUY?si=Va2_VremSFzNsJjY A2 “Trust In Machines” (3:29) https://youtu.be/CQfGEzGmI0I?si=VJHTQVZC_C4sZI3M A3 “Fun In The Sun” (5:24) https://youtu.be/m2YIYySDc7w?si=nknt3CMChsz9yqiw A4 “Vietnam Vet” (3:41) https://youtu.be/hdipem6kpRU?si=kJpc_6rpAvLlJJ0a B1 “Heartbeat” (5:21) https://youtu.be/jjmVDzXyMLU?si=lRj_qqUDeOQZ48Jx B2 “Form Follows Function” (4:44) https://youtu.be/blxv7yTLFbE?si=i6FvAMbOlcEdc9Iw B3 “Dance For The Limbless” (6:50) https://youtu.be/VVhuSQlHn0s?si=U_mwp8Nel0FygeQ0 [Live at Hurrah, Apr. 9, 1981] https://youtu.be/uR_5R1-ymSE?si=XREekX9CljH5yxz- [BandcampのURLも貼っておきます] https://xexgroup.bandcamp.com/album/xex-change #Xex #Xex:Change #DarkEntries #AmericanUnderground #NewJersey #PreviouslyUnreleased #SynthPop #MinimalWave #Synthesizers #DrumMachine #ElectronicPercussions #NoGuitar #Vocal #AlexZander #Jon-BoyDiode #ThumbalinaGuglielmo #WawPierogi #CookieRuggerio
Synth Pop / Minimal Wave Dark Entries 1000円位?Dr K2
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Tommi Stumpff “Terror II”
皆さん、覚えてらっしゃるでしようか?かのNeue Deutsche Welle (NDW: German New Wave)の中にあって、パンク色が強かった異質なバンドDer KFCのギタリスト/ヴォーカル/リーダーであったTommi Stumpffのことを!彼のファースト・ソロ・アルバム”Zu Spät Ihr Scheißer. Hier Ist: Tommi Stumpff”は、1982年に早々とエレクトロ・パンクを確立しています。そんなStumpffのソロ・アルバム第2弾”Terror II”を今回は紹介します。Tommi Stumpffのバイオグラフィーは、以前に書いたと思いますが、ちょっとだけ補足しておきます。彼のソロ活動は、第1期1979–1993年、2008年に少し復活して、第2期2015–2023年となっています。第1期、特にDer KFC解散後の1982年以降では、Conny Plankのプロデュースもあって、ヒット・アルバムも出しています。ただ、音楽産業からリタイアした1993年からは、何と(?)IT会社にて、フルタイムで働いていたそうです。そうして、第2期(2015年)には、Stumpff名義で活動を開始し、3ピース・バンドで、Vo/Gを担当していており、2021年には、約30年振りにEP”Alles Idioten”をリリースしています。しかしながら、彼は今年2023年7月28日に、 65歳の若さで癌死しています。日本のNDW伝道師的レーベル某Sue◎an Studioが生前にコンタクトを取っていたようですが、Stumpffは再発に関して了承しなかったとか(ネット上の噂です)。 まあ、そんな訳で、Tommi Stumpffのソロアルバム第2弾”Terror II”を紹介していきます。本作品では、ヴォーカル・演奏は全てStumpff1人で行っており、文字通りの「ソロ」アルバムで、両面とも4曲づつ収録されていますが、その後の再発CDとかでは2曲程追加されているようです。それでは各曲を紹介します。 A1 “Meine Sklavin”は、スウングするマシンリズムと直線的シーケンスに、Stumpffの呟くような/語るようなヴォーカルが乗る、ややダウナーな曲で、ファーストとは違う歌い方をしています。 A2 “Eliminator”は、ダンサブルな打ち込みビートに、ダークな変調した掛け声とパンクスらしいStumpffのヴォーカルが冴える曲です。 A3 “La Lueur”は、スローな曲で、仏語の歌詞をしっとりとしたヴォーカルで伸びやかに歌っていますが、これは彼の新境地でしようか? A4 “The German Beat”も、ティンパニの音なども使った独特の軍隊行進曲調の曲で、右翼チックな歌詞(英語と独逸語)も時代を感じさせますね。また、パンキッシュなヴォーカルも聴けます! B1 “Robots Kill The Japanese”とは意味深なタイトルですが、シンコペーションの効いた複雑な打ち込みリズムに、サンプリングした声や歪んだギターなんかも使っての、ほぼほぼインストな曲です。 B2 “Niemals Mehr”も、またまたスローな曲で、語るようにしっとりとしたヴォーカルが悲しげに聴けます。段々と盛り上がっていきます。 B3 “Le Chien Andalou”は、どちらかと言うとイタロ・ディスコチックな曲なんですが、歌詞は仏語で、歌はパンキッシュで、無駄な音は徹底して排除されています。 B4 “Terror II”は、映画”Nosferatu”を想起させるような不気味な雰囲気のインスト曲で、ストリングスやホーンらしき音が奏でる多層的メロディが諦念感を醸し出します。 ファースト・アルバムとは、やや時間が経って制作されたこともあるかも知れませんが、かなり雰囲気が異なっており、本作はより音楽的に洗練された/音楽的に幅が広がった印象があります。それが良いか悪いかは聴く人に寄ると思いますが、個人的には、1回聴くと、もう一度聴きたくなるようなアルバムですので、「推し」の1枚です‼️ B1 “Robots Kill The Japanese” https://youtu.be/PxX7VOH_KLA?si=BPvwwDVMT5aJf81G [full album + α] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_mi7HX2ro4JAwmf81M_EBDuwltu0nBV_Vc&si=4-YiF6-9QADZ3RRW [オマケ: “Contergan Punk” (1983) single B面] https://youtu.be/_E5RGhIPCHM?si=bCTGZzcGYNdXxGB- #TommiStumpff #TerrorII #NoDance #SecondAlbum #SoloAlbum #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #DerKFC #ElectroPunk #Vocal #Synthesizers #Programming #Sequence #Stumpff
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Synth Punk No Dance 不明Dr K2
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Chris Watson “Locations, Processed”
元Cabaret Voltaire/The Hafler Trioの創設者Chris Watsonは、今や、ご当地フィールド録音の第一人者であり、BBCの音響技師としても有名になっていますが、本作品は、英国Moog Recordings LibraryのBlue TB7 Seriesと言うシリーズの一つとして位置付けられています(ジャケにMoogと記載されているので、一瞬、彼がMoogシンセを弾き倒しているのかと思いました)。なお、このシリーズには、Mika VainioやCharlemagne Palestine, The Grid等の実験音楽〜ドローン〜ダンス・ミュージックと様々な参加者がおり、そのキュレーションは、Richard H. KirkとStephan Mallinderと共にDoublevisionを運営し、更にBlast Firstも創設したPaul Smithによるものです。先ず、ソロ・アーティストとしてのChris Watsonのバイオグラフィーについて簡単に触れておきたいと思います。彼は、Cabsを脱退して、英国のテレビTyne Tees Televisionに入った1981年から、フィールド録音を中心にしたソロ活動を始めており、また、そのTV局でも、”Bill Oddie Back in the USA”, “Great Railway Journeys”, “Springwatch” やDavid Attenboroughによる自然ドキュメント番組など多くの作品制作に当たっています。ソロ作品では、アルバム”Stepping into the Dark”で、2000年のPrix Ars Electronica Festivalで特別賞を受賞しており、他のアーティストとのコラボも盛んに行っています。また、2006年には、英国西部大学で工学博士の博士号を取得しており、その時の博士論文のテーマが、自然史や各地でのドキュメントの音を如何に録音するかについてのテクノロジーに関するものであったとのことで、多分、その後の彼のキャリアに直結していると思われます。彼の2003年作”Weather Report”は、2007年のThe Guardian誌での「死ぬまでに聴くべきアルバム1000作」に選ばれています。そして、2007年には、BBC Radio 4で、”The Reed Bed”や”A Guide to Garden Birds”と言った彼の制作したラジオ番組も放送されています。そんな仕事と音楽とが密接に結び付いた彼は、現在、Wildlife Sound Recording Societyの総長となっています。それから、本作品はMoog Recordings Library (UK)のシリーズの一つですが、裏ジャケを見ると、Moog Music Inc (USA)の協力の下、Moogシンセの生みの親、Robert Moog博士 (1934年生-2005年没)へのトリビュートであり、マニアが涎を流す程のMoog Sound Labの機材を使用しての作製ではなかったのかと思います。 そんなChris Watsonによる本作品ですが、先述のように、Moogシンセを弾いている訳ではなく、各地域でのフィールド録音によるドキュメンテーションとなっています。彼の場合には、特に、その土地/地域に実際に行って、その場の音をなるべくそのままの形で録音すると言う一つのディシプリンがあるように思うのですが、そんな彼のマニアックな録音テクノロジーを全開にしての素材を使った作品になっています。A面4曲/B面3曲が収録されており、正に臨場感溢れる「現地」の音ではあるのですが、何処かに操作した痕跡或いはミックスが見られる所が、ミソと言うか彼の独自な才能かと思います。 そう言えば、SNSで知ったのですが、虫の音や風の音を聴くことが出来るのは、日本人とポリネシア人だけらしく、我々は左脳(言語脳)でそれらを聴いているらしいのです。逆に他の人種は右脳(感覚脳)でこれらの音を聴く為、虫の音とかはノイズにしか聞こえないらしいです。そう考えると、日本人は元々、「フィールド録音」類似環境の中で生活をして、それらを言語化出来たのと関係して、ジャパノイズなる分野で突出したのではないか?と考えてしまいます。なので、西洋人であるChris Watsonにとっては、その聴覚能の獲得が、多分、彼自身にとって「新しい」音楽たり得たのだは?とついつい邪推してしまいます。今回は、各曲の解説はせずに、YouTubeに挙がっていた曲(まあ、アルバム全曲なのですが)を貼っておきますので、皆さんで聴いてみてどうか?と各自、ご判断/ご堪能下さい❗️ A1 “Room 343” A2 “Grand Central Terminal” A3 “Rockefeller Centre” A4 “Central Park” B1 “Times Square” B2 “Broad Channel” B3 “Jamaica Bay” A1 “Room 343” https://youtu.be/1ztjb_mddDo?si=bLbmTQ2shUiQLO6A A2 “Grand Central Terminal” https://youtu.be/CegRggaTqxg?si=fZuITplMR38m-ZK7 A3 “Rockefeller Centre” https://youtu.be/nZr4RBwEyX4?si=1gEfVlV_mHG-ixss A4 “Central Park” https://youtu.be/Nh5dgO2lQqc?si=LxHsqUUCxmhnVC5d B1 “Times Square” https://youtu.be/oWiaZHy58qw?si=XcnX9QK5bBT9gQQ0 B2 “Broad Channel” https://youtu.be/6mEGJNVPJsw?si=wcOA1z3Hlwahdd2m B3 “Jamaica Bay To Leigh Vally” https://youtu.be/FZUwOd4GQqQ?si=LBFrassmJxKGKUHu #ChrisWatson #Locations,Processed #MoogRecordingsLibrary #BlueTB7Series #PaulSmith #Curation #FieldRecording #Experimental #ClearVinyl #Ex-CabaretVoltair #Ex-TheHaflerTrio #DoctorOfTechnology #WildlifeSoundRecordingSociety #President
Field Recording / Experimental Moog Recordings Library 不明Dr K2
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Ditterich von Euler-Donnersperg “Knüllungen, Wulstungen, Klumpungen”
Ditterich von Euler-Donnersperg (「ディートリッヒ・フォン・オイラー・ドナーズペルク」と発音?: 本名Ulrich Rehberg)は、知る人ぞ知る独逸地下音楽シーンのコネクターです。この人物は、1980年代初頭に、T.G., SPK, Asmus Tietchens, The Hafler Trioなどの初期作品をリリースしていたレーベルWalter Ulbricht SchallfolienのオーナーDr. Kurt Eulerのことなんです。特に、彼はSPKの名作”Auto-Da-Fé”のプロデューサーUli Rehbergとしても知られるレジェンドで、ポスト・インダストリアル界の偉才でもあった訳です。それで、彼がDitterich von Euler-Donnerspergと名乗って、自らの音楽活動をする場合には、何十年にも及ぶ音響研究と電子音響調査の結果として作品化するとのことで、その多くの作品は欧州・英国地下音楽シーンの重要なグループやアーティストとのスプリットと言う形でリリースされていることが多いようです。例を挙げれば、Max Goldt, Column One, Kommissar Hjuler, Wataru Kasahara, Felix Kubin等です。正しく、地下音楽のコネクターですね。また、John Duncan, Thomas Köner, Column Oneともコラボを続けており、Werkwund名義でも活動していますが、このユニットについてはFelix Kubinとのデュオのことだとの噂もあります。彼は、Ditterich von Euler-Donnersperg名義のアイデアを1987年に思い付いていますが、先述のように何十年も研究して、漸く、1998年になって、スポークン・ワードによる限定7㌅レコードを毎年のようにリリースしてきたことで、その名が知られるようになったとのことです(私はその7㌅レコードは未聴)。そんな重要人物の単独作品の第二弾が本作品“Knüllungen, Wulstungen, Klumpungen”と言う訳です。しかしながら、この作品に収められている曲は、彼が1980年〜1982年に既に録音されていたもので、2021年リリースの際に若干の手直しなどもされたようですが、全くの新録ではないです。では、早速、内容を紹介していきましょう。 A1 “Geierberg”は、声と思しき音を加工・変調し、更に、ゆったりとした電子音やフィールド録音等と組み合わせた意欲的な音楽実験曲です。 A2 “Sterben Sie Bitte!”は、低音ドローンの抑制的な構成から成る曲ですが、途中のプレイクが良いスパイスです。正に燻銀! A3 “Und”は、唐突にガチャガチャとした変調ジャンク音で始まる曲で、フィールド録音らしき打撃音が、初期のスイスSchimpfluch-Gruppeっぽいです。 A4 “Ist Kein Jammer In Der Welt”は、一転、フィールド録音から成るアンビエンスなサウンドスケープで、時に薄ら聴こえるテープのスロー再生のような声に侘び寂びを感じますね。 B1 “Wahres Gegen Nichtwahres”では、唸るような変調フィールド録音に、不気味な笑い声(嘲笑)とが混在・融合していき、聴く者を不安にさせますが、ある意味、独逸実験地下音楽の系譜を色濃く引き継いでいます。 B2 “Die Schläferfalle”では、薄らとした淡いドローン音に、不明瞭なフィールド録音が加わり、都市郊外の「逢魔が刻」の風景のようです。 B3 “Vom Ende Der Zeit”も、規則的で金属質なフィールド録音が続く中、キリキリとした神経直撃音や様々な声が加わっていき、正に人間の本性を抉っているような曲です。終わり方も秀逸! と言う訳で、本作品は、極上の実験地下音楽に仕上がっていますが、これが、既に40年前に録音されていたと言う点で、作者のDitterich von Euler-DonnerspergことUli Rehbergの才能と推眼に驚かされます❗️多分、1980年代初頭の独逸人らしいバックボーンもあったのでしょうが、それにしても完成度は高いので、その辺りに興味のあるリスナーさんには必聴です‼️ [live動画: 2005年] https://youtu.be/2JzvtEo3xPw?si=Fr1U1vevExCTYhsX [参考までにNostalgie De La Boueからデジタル・リリースされた”quelquechose II”のBandcampのURLを貼っておきます] https://nostalgiedelaboue.bandcamp.com/album/quelquechose-ii #DitterichVonEuler-Donnersperg #UlrichRehberg #KnüllungenWulstungenKlumpungen #MolokoPlus #GermanUnderground #8ThAlbum #Experimental #Electro-Acoustic #FieldRecording #Dr.KurtEuler #WalterUlbrichtSchallfolien #SPK #Auto-Da-Fé #PostIndustrialScene
Experimental / Electro-Acoustic / Abstract Moloko+ 不明Dr K2
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Bellows “Strand”
今回、紹介するのは、伊の電子音響作家 Giuseppe IelasiとNicola RattiのデュオBellowsの2017年リリースの作品”Strand”です。といきなり言われても困ると思いますので、先ずはBellowsについて紹介します。その正体はGiuseppe IelasiとNicola Rattiのデュオで、Ielasiは、ミラノ在住のギタリスト/作曲家で、1998年にFringes Recordingsと言うレーベルを立ち上げ、後には、BowindoやSenufo Editionsレーベル以外にもFrancesco Tenagliaと共にSchoolmapレーベルを運営しています。Rattiもミラノ在住の伊人ギタリスト/エレクトロニクス奏者です。両者は2007年にコラボ作”Bellows”を出しており、恐らくそこから、グループを取ったものと思われます。Rattiは1992年からギタリストとなり、マス・ジャズ・コア・トリオPin Pin Sugarに参加して、2003年にアルバム”Latex Duellos”を出しています。余りまとまった情報が無いのですが、このような伊実験音楽界の2人のギタリストが結成したのが、Bellowsと言うことになります。 それで、本作品”Strand”ですが、最初のコラボ作品を含めて、5枚目のアルバムになります。そしてその内容なのですが、曲名は全て無く、またクレジットで誰が何を担当しているのか?と言う情報もありません。唯一の情報は、このアルバムは、2016年2月にミラノのStandardsスタジオで、先述の2人によって録音されたと言うことだけです。それで内容なのですが、両面とも4曲ずつで、その殆どが、音の点描のように静かでスカスカな音から成っています。しかも、微妙にミニマル。モデュラー・シンセやテープ、エフェクター、サンプラーで作った音だとは思いますし、どうも4日間で即興的に録音したようですので、2人のスキルとセンスの高さが良く分かります。そんなスカスカの音の中にも、「ビート感」があって、聴けば聴く程、新たな発見があります‼️多分、最低2〜3回聴かないと、その良さがよく分からないタイプの音楽ですね。解説には「アコースマティックなサウンドとフラクタルなビートの間に生まれた複雑な音のパレット」と書いてありますので、強ち間違いではないと思います。それから、Amsterdam在住のアーティストLouis Reithが、ジャケ写などを行なっているのですが、収録されたBellowsの音楽を聴いていると、Reithのモノクロの写真との相性も良いと確信します。また、ある種のアンビエンスも含まれていますので、その手のリスナーさんにもお勧めします。そんな多角的に楽しめるアルバムですので、是非とも購入して楽しんで下さい❗️ A4 “Untitled part 4” https://youtu.be/3OwlJznEimI?si=Cs0v4ulf2b6trvUb [BandcampのURLを貼っておきます] https://shelterpress.bandcamp.com/album/strand #Bellows #Strand #ShelterPress #Italy #Experimental #Conceptual #点描 #Guitar #ModularSynthesizers #Tapes #Effectors #物音 #Glitch #GiuseppeIelasi #NicolaRatti #LouisReith
Modern classic / Experimental Shelter Press 不明Dr K2
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Portray Heads “s/t”
Portray Headsと聞いて、ピーンと来るリスナーさんはよっぽどのマニアか?四国出身者/在住の方かもしれませんね。今回は、そんなマニアックな日本のニュー・ウェーブ/シンセ・ウェーブ黎明期に四国に咲いた徒花Portray Headsのセルフ・タイトルのアルバムをご紹介します。先ず、バイオグラフィーを簡単にご紹介しておきます。このバンドは、1984年に四国愛媛県松山市で、冨田徹(Toru Tomita)の呼びかけで、土井幹治(Mikiharu Doi)と徳永あゆみ (Ayumi Tokunaga)によって結成されています。彼等は直ぐに十数曲を作り、その中から2曲を選んで、7㌅ソノシート・シングル”Elaborate Dummy”をカゲロウ・レコードより1985年5月にリリースしています。しかしながら、リリース直後に、徳永が脱退し、バンドは新ヴォーカルを探します。このアルバムには入っていませんが、朝倉満代(Mitsuyo Asakura)もヴォーカルで在籍していたようです。その結果、越智由美(Yumi Ochi)が新ヴォーカリストとして加わります。彼女のヴォーカルは力強く深かったので、バンドにはよくマッチしていました。それで、トリオは、19864月に”Oratorio”を録音、今度は自身のレーベルLabel Land 4thから、1986年12月に、カセット・フォーマットと7㌅シングル・フォーマットと言う2種類でリリースしています。しかしながら、彼等が活動していた松山市は保守的であったので、このような新しいタイプの音楽に理解がなく、殆どライブをやるチャンスはなく、その為、バンド内でもトラブルの原因になっていました。そんなこともあって、バンドは直ぐに解散してしまいます。その後のメンバーの活動は不明ですが、こうして長い年月を経て、セルフ・コンピ・アルバムが米国のレーベルからリリースされたのは、何かの縁と言うか報われたのではないでしょうか?一応、紹介の前に、メンバーと担当楽器を列挙したおきます。冨田徹 (Electronics, Synth, B, Perc), 土井幹治 (Electronics, Synth, Kbd, Tapes), 徳永あゆみ(Vo [A1, A2, B1, B2, B3, C1, C2, C3], Perc, Sax), 越智由美 (Vo [A3, A4, A5, D1, D2, D3])に加えて、オキウラ・タツユキ (Drs, Drumurator)です。録音は1984年〜1986年の間に、松山市のStudio LEADで、TEAC 8-Track Open Reel Recorderを使って行われています。楽器は、Roland, Korg, Casioのシンセを使っており、Roland MSQ-100でシーケンスを組んでいました。A4ではRoland S-50 Samplerも用いられています。それでは内容を紹介していきます。 生ドラムも使っていると思うのですが、全部打ち込みなんだろうか?結構、急襲系の切羽詰まったような曲が多いですが、まあ王道のシンセウェーブだと思います。また徳永さんの越智さんのヴォーカル・スタイルは似てはいるのですが、越智さんの方がより伸び伸びと力強く歌っている印象ですね。A3やA4なんかは多分ドラムマシンとシーケンスするベースラインがはっきり分かります。しかしながら、全体を覆っていらのは、陽キャではなく、ダークな雰囲気ですね。そう言う意味では、シンセ・ウェーブと言うより、今で言うダーク・ウェーブに近いですね。それと、シーケンス以外の上物のシンセは恐らく手弾きでしょう。この頃になると、デジタル・シンセが出回ってきた時代でしょうか?そんな音が聴こえますね。そこら辺の使い方がやや中途半端なようにも感じますが。そうは言っても、曲の完成度は高く、1980年代中期に咲いた徒花の如く、素晴らしいダーク・ウェーブなので、ゴスやダーク・ウェーブに興味のある方は是非とも聴いてみて下さい‼️あと、B1のような少しアラビックなメロディの曲も捨てがたいですね。それと、LP2でのデモ・ヴァージョンとの比較も興味深いです。 LP1 A1 “Elaborate Dummy” A2 “Watch Your Scope!” A3 “夢を夢に” A4 “浮かぶ · 迷う · 漂う” A5 “Industrial Eye” B1 “舞い上がれ” B2 “操り人形” B3 “Generation Storm” LP2 C1 “Industrial Eye (Demo)” C2 “Burning Light” C3 “浮遊体” D1 “夢を夢に (Demo)” D2 “舞い上がれ ’86” D3 “浮かぶ · 迷う · 漂う (Demo)” “Industrial Eye” (single version) https://youtu.be/QKBY9aRnPpY?si=H1JfgRvxAO89uHWx [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_kd0NgX5elsAkSCcKlS6B5XcyvaGQJhCvc&si=bbkqNPnUz_2CqalO #PortrayHeads #SelfTitle #MinimalWave #BitterLakeRecordings #Mid-1980 #MatuyamaCity #SynthWave #Minimal #Synthesizers #FemaleVocal #ToruTomita #MikiharuDoi #AyumiTokunaga #YumiOchi #ElaborateDummy
Synth Wave / New Wave Minimal Wave / Bitter Lake Recordings 不明Dr K2
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V. A. “Prophecy+Progress: UK Electronics 1978-1990”
これは完全に謎物件でした。買ってから聴いたのかどうかも良く覚えていませんでしたが、発掘しました。副題にもあるように、1978年〜1990年の期間の英国を代表する(広い意味での)電子音楽作品を集めたコンピ・アルバムです。多分、Clock DVAやAttrition, Colin Potter, Konstruktivists等のその手の筋では有名どころが入っていたので購入したと思うのですが、やはり個人的目玉はVice Versaじゃないかな? レーベルのPeripheral Minimalについては、私はよく知らなかったのですが、2013年に英国BristolでJason B.Bernardによって運営されている電子音楽(インダストリアル〜シンセ・ポップやポスト・パンクまで)を扱うレーベルです。今回のキュレーションもBernardがやっているようです。と言う訳で、各参加者/グループと曲を紹介していきます。 A1 Clock DVA “Lomticks Of Time”(1978年)は、Vinyl On Demand (以下VODと表記)から出た"Horology 1: 1978-1980”ボックスセットの中のLP”Lomticks Of Time”から取られています。この時のメンバーは、Adi NewtonとStephen James Turnerです。余りはっきりしたリズムは無く、シンセの通奏低音に、ディレイの掛かったギター(?)の爪弾く音や男性のナレーションが組み合わさった、かなり実験的な曲です。 A2 Vice Versa “Idol”(1970年)もVODから出たLP “Vice Versa”から取られており、メンバーはMark WhiteとStephen Singletonのデュオで、1977年結成のSheffieldのバンドです。結成時には、他にIan GarthとDavid Sydenhamもいましたが、前者2人はABCに加入し、商業的成功も得ています。曲は、The Futureや初期のHuman Leagueを想起するエレ・ポップです。ホワイト・ノイズによるスネアがカッコ良い。 A3 Colin Potter “Number Five”(1979年)は、1970年代後半から活動している実験音楽家/サウンドエンジニアで、ICRレーベルと共に活動し、Nurse With WoundやCurrent 93等とのコラボでも有名です。意外にも、リズミックなシーケンスとメロディアスなシンセからなるエレ・ポップな曲で、Muteから出してそうな音楽です。 A4 Konstruktivists “Vision Speed”(1981年)はは録音時、T.G./CoilのPeter “Sleezy” Christophersonのハーモナイザーを使用。これは、1982年からGlenn Michael Wallis始めたインダストリアル・ユニットで、相方にMark Crumbyもおり、Whitehouseの初期メンバーでもあったとのこと。一転、機械の中にいるかのようなシンセによるインダストリアルな曲で、後半はリズムマシンDR-55も使っています。 A5 Naked Lunch “Rabies”(1981年)は、1979年に、Gary NumanやKraftwerkの影響下で、Paul N. Davies (G, Korg Synth), Mick Clarke (Moog Synth), Tony Mayo (Vo), Clifford Chapman (Roland Synth), Mark Irving (Drs)によって結成されており、Stevoがプロモートしていました。これまた、初期Human Leagueっぽいシーケンサーを上手く使ったエレ・ポップですね。 A6 Five Times Of Dust “Automation”(1981年)はCardiffとBristolで録音されています。メンバーは、Mark Phillips (Organ, Synth, Speak & Spell, Compute-a-tune, Drs Machine, Bells, Metals, G, Bassline, Clock, Toy Piano)とRobert Lawrence (Bassline, G, Fx, Metals, PC, Drs Machine, Toy Piano, Melodica, Synth, Vo, Xylophone)のデュオです。捻くれまくった実験的エレ・ポップ曲で、似ているものはありません。 B1 Schleimer K “Women”(1981年)のメンバーは、Billy Duncan (Sax), Dominique Brethes (Kbd, Drs Machine), Michael Wolfen (Vo), Mark Benjamin (B, G)の4人組です。太いシーケンスと初期Kraftwerkっぽいリズムにシンプルなメロディが重なる曲です。SaxやG/Bは使われていないインスト曲です。 B2 V-Sor, X “Conversation With”(1982年)はCheshireのAlsager大学で録音されており、その時のメンバーは、Alastair Boyle (Drs), Jacqueline Hemmings (Kbd), Alex Newton (Trumpet, Vo), Morgan Bryan (Vo, G)で、1979年末〜1989年まで活動していました。ミニマルなシーケンスとドラムマシンにキャンディーのようなシンセのメロディと男性Voから成るキャッチーなエレ・ポップです。 B3 Attrition “Beast Of Burden”(1984年)は、元々はThird Mind Recordsから出た”The Attrition Of Reason"から抜粋されています。この時のメンバーはMartin Bowes (Vo, Electronics)とAshley Niblock (Vo)とで、Gordon Maxwell (Sax)が客演しています。なお、Attritionは1980年にBowesとJulia NiblockによってCoventryで結成され、現在は、Bowes, Ashley Niblock, Alan Rider, Julia Niblock Wallerがメンバーです。これは!メチャクチャカッコ良いシーケンスに度肝を抜かれるAttrition節のエレ・ポップで、男女混成Voの切羽詰まった感じもグーです。 B4 Peter Hope & David Harrow “Too Hot”(1986年)は、Hackneyからシングル"Sufferhead EP”が出た後に録音されています。メンバーは、Hope (Vo)とHarrow (Synth, Kbd)のデュオです。この曲はLinnドラムマシンを使っているのか?そんな強烈にファンキーなリズムと絡むVoもマッチョです。 B5 John Costello “Total Shutdown”(1986年)は、自主制作カセット"Cantos"から取られています。彼は1980年代中期にカセット2本を出した後、15年後の1996年に、Martin Bowesとのコラボ・ユニットENGRAM名義で”What Am I?”をリリースしており、その後は作品を出しています。割とダークな雰囲気の曲で、エレ・ポップ界のBauhausみたいです、Voはサンプリングなのかな? B6 T.A.G.C. “Further And Evident Meanings” (1986年)はSweatboxからリリースされたEP"ShT"から取られており、その時のメンバーは、Clock DVAのAdi Newton, Robert Baker, Darrell D. D'Silva, Mark Holmes, Barry R.D.L. Harden, David A. Heppenstallです。このグループの正体は、1978年にAdi NewtonとSteven James Turnerによって結成されたThe Anti Group Communications (T.A.G.C.) に始まっており、多次元的な表現方法の開発と発信を目指しており、しばしば音/映像/ビデオ/パフォーマンスを含んだ劇場的演出を試みています。強烈にファンキーで複雑なマシンリズムと途中でのクールオフが面白い実験色濃い曲で、テープ音がコラージュされています。 B7 John Avery “12AM And Looking Down”(1990年のライブトラック)は、元々は1992年にForced Entertainment Theaterの"12am: Awake and Looking Down"の7分ヴァージョンでした。Averyは元々、劇場のパフォーマー/作曲家/サウンド・デザイナーであり、1980年代〜1990年代にSheffieldのバンドHulaのメンバーであり、劇団Forced Entertainmentとのコラボを熱心にやってきました。マリンバのようなリズミックなシーケンスが絡み合うミニマルな曲で、音自体シンプルながらも、アレンジは秀逸です。 とまあ、グループ/アーティストそれぞれな訳ですが、英国縛りと言うのが面白く、また全然知らないアーティストなんかも参加していて、凄く楽しめました。皆さんも、電子音楽に興味が有れば、是非とも聴いてみて下さい‼️ A2 Vice Versa “Idol (demo version)” https://youtu.be/GpxBsjwbsnQ [BandcampのURLを貼っておきます] https://peripheralminimal.bandcamp.com/album/prophecy-progress-uk-electronics-1978-1990 #VariousArtist #Prophecy+Progress #UKElectronics1978-1990 #PeripheralMinimal #Compilation #ClockDVA #ViceVersa #ColinPotter #Konstruktivists #NakedLunch #FiveTimesOfDust #SchleimerK #V-Sor,X #Attrition #PeterHope+DavidHarrow #JohnCostello #T.A.G.C. #JohnAver
Industrial / Electronic / Cold Wave Peripheral Minimal 不明Dr K2
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Incapacitants “Extreme Gospel Nights”
日本が世界に誇るハーシュノイズの最右翼Incapacitantsの東京仙川にあったライブハウスGospelでのライブ音源の再発盤です。元々は日本のレーベルVanilla Recordsからカセット音源とし、1993年にリリースされていた作品を、伊の再発レーベルUrashima (浦島)が、2019年にレコードとして再発したブツです。もうバイオグラフィーは以前にも書いたので、省略しても良いですよね? まあ、最低限の知識として、Incapacitantsは、T. 美川氏とF. コサカイ氏によるデュオで、一貫して、2人はelectronicsとvoiceのみでラウドなノイズを放射し続けています。本作品でも ライブ録音と言うことがあって、轟々たるノイズを全方位に放射しています。にも関わらず、ノイズの粒子が一つ一つが、目の前を過ぎ去っていくかのような豊潤な音楽になっています。彼等のノイズ・ミュージックを聴く時、どうしてもニヤニヤしてしまうのですが、このライブアルバムを聴いてもニヤニヤしてしまいました。多分、ライブの様子が想起されたのかもしれませんね。もうただただ、音を浴びたいと言う欲求を満たしてくれる、それがIncapacitantsなんだと思います。この手音楽は、やっぱりライブハウスで観たいし、レコードなら、爆音で聴きたいものです。と言ってると、この文章を書いてる前日は大阪Bearsでの2年振り(?)のライブをやったとSNSで流れてきています。2ステージで盛り上がったとのことで何より(と言うか既にベテランなので当たり前と言えば当たり前)❗️てな訳で、本作品は、1990年代のIncapacitantsを楽しめる作品ですので、是非とも入手して爆音で聴いてみて下さい。金箔の薄紙の包装もイカしてます❗️ https://youtu.be/D1b4w8WtBJU #Incapacitants #ExtremeGospelNights #Urashima #VanillaRecords #再発 #Electronics #Voice #T.Mikawa #F.Kosakai #LiveAlbum #Noise #HarshNoise #LoudNoise
Noise Urashima (Vanilla Records) 不明。Dr K2
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Grim “Discharge Mauntain”
Grim、それは小長谷淳氏のソロ・ユニットです。元々は1980年代にWhite Hospitalと言うインダストリアル・ユニットで、桑原氏と共に活動してきた小長谷氏が.同時期にソロをやりたいと言うことで、1985年に始動したユニットのことです。1986年に自身のEskimo Recordsより”アルバムFolk Music”をリリースするも、その後、沈黙。そして、26年の冬眠期間を経て、2013年に突如、Grimは、”Love Song”と”Psycho Sun”2作品を国内及び国外のレーベルからリリース、リスナーの度肝を抜きました。それからの怒涛の進撃は、多分私よりも詳しい方々がいらっしゃるとは思いますので、割愛させて頂きます。その音楽のスタイルは、単にインダストリアルとかパワー・エレクトロニクスと言うのとは異なり、個人的には、寧ろリチュアルと言った方が良いかと思います。今まで日本に無かったタイプのノイズ・ミュージック(ノイズと言うのが正しいかとうかはよく分かりません、取り敢えずその文脈で)であると思います。ある種、修験道者のような意味合いでの「リチュアル」です。そして、少し調子がズレていますが、気合一発のVoがグリム語で歌われていますライブではギターの方やメタパーのLinekraft大久保君が参加しているようです。基本的にはライブとレコードなどの録音物は別物なのかもしれませんね。録音物では、より構築的な曲を作っているようです。それで本作品ですが、アートワークも秀逸なだけではなく、音の内容もよく練られたホーンの響き、グリム語のヴォイス及び鈴の音。神聖なる邪教の宴が垣間見られます。日本ではこのスタイルの音楽は希少だと思いますが、それ故にGrimは突出しているとも言えますね。一言で言うと「ジャパニーズ・リチュアル・インダストリアル」と言う感じでしょうか? 個人的には、神道やチベット仏教を想起しました。10㌅なので、ちょっと物足りないかもされませんが、それ故にまた聴きたくなる仕様です。皆さんもGrimの録音物に触れてみて下さい。きっと何か発見がありますよ! https://youtu.be/1XQ2Dr_MQ-8 #Grim #JunKinagaya. #DischargeMountain #Athanor #Japanese #Noise #Ritual #Industrial #WhiteHospital
Industrial / Ritual Athanor 不明。Dr K2
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Juma “Selected Works”
Juma (樹魔)とは、当時、山口にいた吉松幸四郎氏を中心としたパンドで、主に1980年代に山梨の完全自主制作カセットレーベルDD.Recordsより、バンドの参加人数は不定であったものの、作品をバンバンリリースしていました。実質的には吉松氏のソロから大人数までを含むプロジェクトと言った方がより正確かと思われます(因みに吉松幸四郎氏はJumaの他にもソロ名義でも多くの作品をDD. Recordsに残しています)。Jumaの音楽性も多彩で、実験音楽めいたところから今で言うシティポップ或いはトラッド調のポップスまで振り幅が大きく、聴く作品によっては「これ、本当にJuma?」とも思われる方もいらっしゃるかもしれませんね。そんなバンドであったJumaの多様性を詰め込んだのが、この”Selected Works”です。各曲について紹介していきますね。まずA面は長尺の”Enigma”1曲のみですが、これまた強烈な音楽で、噂では黒板を爪で引っ掻いた音が20分にわたって収録されていルと言う問題曲です。私のイメージはこの音楽性でした。B1 “Pulse Dance” (DT24; 1981年作)も、シーケンサーにシンセやギターそれに、安村嬢のエフェクトを掛けたヴォーカルを乗せた小君良い曲です。B2 “Natural” (DT16; 1981年作)はシーケンサーに粘り気のある低音シンセにメロウなギターと時々聴こえる安村嬢のフィーメール・ヴォイスから成る一種のアンビエントな曲、B3 “Hong Kong Dancing” (DT07; 1981年作)は生ドラムも入れた完全バンドヴァージョンで、安村嬢のロリータ・ヴォーカルが前面にプッシュされたシティポップ調の曲です。この曲では、盟友の磯谷氏のサックスも聴くことができます。C面は、C1 “Aqua Cosmos”(DT16; 1981年作)は、繊細なシーケンサーとエフェクト音が交差するリリカルて美しいな小曲。C2 “化石になる日” (DT07; 1981年作)は、盟友磯谷氏のサックスと吉松氏のヴォーカルがたっぷり聴けるポップな曲。C3 “Ammonite Legend” (DT28; 1981年作)は海底に住む海洋生物(アンモナイト?)の生態を覗き見ているような実験的なインスト・シンセ曲。C4 “Lizard Asteroid” (DT24; 1981年作)はシンセとシーケンサーで作られたバックの音源に、かなり変調させられた安村嬢と思われるヴォーカルが乗るテクノポップ風の曲。D面は1曲のみで”Jurassic Cycle” (DF11; 1981年)から成ります。ミニマムだけど控えめなシーケンスを通奏低音代わりにして、変調ディレイが掛かったギターがかベースが暴れるとい音楽から簡素なリズムボックスと曖昧模糊としたシンセが流れる展開になり、長大な組曲風に構成されていますね。Jumaはこのように作品によって、顔が違うので、困惑するリスナーさんもいるとは思いますが、それこそがJumaの魅力とも言えるでしょう(このような高水準の音楽が、大学生の部屋から聞こえてきたら、びっくりするのでは?)。因みにレーベルのBitter Lake Recordingsは他にも1980年前後の日本の音楽(ロック?)のリイシューに取り組んでいますので、隠れた名作を探すには要チェックですよ。 “Ocean Zero” https://youtu.be/g_ZsAoJBpaI #Juma #SelectedWorks #BitterLakeRecordings #DD.Records #ExperimentalPop #AvantPop #KoshiroYoshimatsu #F.Yasumura #T.Isotani
Experimental Pop / Alternative Bitter Lake Recordings 不明Dr K2
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Cluster “Zuckerzeit”
裏ジャケで二人仲睦まじく写っている写真を見るとほっこりしますね。Cの方のClusterです。彼等としては三枚目のアルバムになります。彼等とはDieter MoebiusとHans-Joachim Roedeliusのことです。電子音楽の始祖とも言える宅録風なアルバムです。もう今までもバイオグラフィーは書いているので省略しますが、二人の個人としてのバイオグラフィーは少し補足しておきます。Dieter Moebiusは、BerlinのAkademie Grafikで絵画を学んでいる学生の時に、バイトしていたレストランで、Conrad Schnitzlerと会います。その時、Conrad Schnitzlerは、Hans-Joachim Roedelius.とZodiak Free Arts Labをやっていました。それでトリオとして1969年にKlusterを始める訳ですが、Conradが、抜けた後、KをCにしてClusterとしてデュオで活動。彼はグラフィック・デザインができたので、Clusterのジャケとかも作っています。一方、Hans-Joachim Roedeliusは若い頃は不本意でしたか、Hitler Jugendでもありました。そんなこともあって戦後、2年間、牢屋に入っていたとか。一度は心理療法師やマッサージ師として働いていましたが、直ぐに嫌なって、自分の好きな音楽をやり始めます。1968年に、彼は「人類」と名付けられた音楽のコミューンを、更にベルリンのアングラ文化の拠点として、Zodiac Free Arts Labをコンセプチュアル・アーティストのConrad Schnitzerと始めます。そこで、Dieter Morbiusと知り合いなり、後は前述の如くです。ここら辺にしておきます。 それで、本作品ですが、全編通して、宅録のような音質で録音された曲が並びます。解説のAsmus Tietchensよると、これは2つのミニアルバムを一枚のアルバムにしたようなものらしいです。一応、担当楽器は、Dieter MoebiusとHans-Joachim Roedelius (G, Hawaiian-G, Piano, Organ, Synth)です。プロデューサーはClusterの2人とNeu!のMichael Rotherですので、そんな仕上がりになったのかもしれませんね。しかし、これを聴いたら、自分もできるんじゃないか?と思う方もあるかもしれてません(例えば、DD. Recordsの鎌田忠さんや鶴田くんなんかもその口ではないでしょうか?)。A面1曲目は、なんだか、ヒカシューの「プヨプヨ」を思い起こすようなベースラインです。何か、妙にチープなリズムボックスが使われていますね。その上をウニョウニョしたシンサの音や自作電子楽器の音がはいずり回ると言うちょっと「変態チック」な曲です。しかし、それも計算の内で、敢えてこんな録音にしていのでは?とも思います。そんなサウンドですが、中々楽しめますので、是非皆さんも❗️因みにタイトルは”Sugar Era (砂糖の時代)とのこと。そんなに甘くはないですよ!この盤は露の再発専門レーベルからのリイシューです。やるなぁ! 曲順(LPとCDは同じです) A1 “Hollywood” A2 “Caramel” A3’”Rote Riki” A4 “Rosa” B1 “Caramba” B2 “Fotschi Tong” B3 “James” B4 “Marzipan” B5 “Rotor” B6 “Heiße Lippen” https://youtu.be/cyQWxFIdarg #Cluster #ZuckerZeit #Brain #Lilith #Reissue #Russia盤 #Krautrock #Electronic #宅録 #DieterMoebius #Hans-JoachimRoedelius #MichaelRother #RhythmBox #Synthesizers
Krautrock / Electronic Lilith (Brain) 不明Dr K2
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Two Daughters “Recordings 1979-1981”
これまた、謎なバンドと言うか、デュオのセルフ・コンピです。私はこのTwo Daghtersが何者かも知らずに視聴して購入したのだと思います。Two Daughters、それはAnthony BurkeとPaulのデュオのことで、オフィシャルにはSteven StapletonのレーベルUnited Diariesが親レーベルになって、Anthony & Paulなるレーベル(ややこしい)からLPを1枚、その前に他のレーベル(多分、自分達のレーベルで、それしか出していない)からカセット作品を1本リリースしています。1980-1982年にBrixtonで宅録してたようです。如何せん情報も作品もこれだけなので、全然わかりません、知ってる人がいたら、教えて下さい!あと、Cherry Red Recordsのコンピ”Perspectives and Distortion"に”Return Call - We Are”と言う曲が収められているのですが、それにはJon Moreがclarinetで客演しています。そして、2004年にAnthonyは亡くなっています。 本作品は1本のカセットと1枚のアルバムから寄せ集めたセルフ・コンピで、1枚目がファースト・カセットを、2枚目がファースト&ラストLP”Kiss The Cloth / Gloria”を丸々入れて、ダブルLPにしています。それでマスタリングはJos Smoldersが手掛けています。まずはこの1枚目A面から。静謐な音響作品で、A-2に先述の曲”Return Call - We Are”が収められています。敢えてて一言で言うならば、アコースティック・アンビエントですね。B-1”Return Call”はA-2に対するアンサーソングかな?単調なクラリネットのフレーズが繰り返され、ズレていくので、何とも複合的なテクスチャーになつています。その後も、不思議/正体不明のアコースティックな感触の音が垂れ流されるかのように続いていきます。音は押しよりも引きの方に魅力を感じますね。2枚目のA面はLPのA面で、大きく”Kiss The Cloth”と題されていますが、歌物❗️に挑戦しているかのようなトラックから始まり、何処かに反復する音(ループ音)が隠されてます。A-3では反復するコーラスにロー・タムの連打と言う簡素ですが、コーラスが段々と変化(?崩れて)していきます。2枚目のB面はLPのB面で”Gloria”と題されており、いきなりAMKを思わせるアナログ・モンタージュ的なレコードの反復から始まり、そこにコーラスや弦楽の音が絡みつくと言う曲で、聴きていると、なんかLSDで幻覚見てるようです。他にも、シンバルやギター或いはガムランの反復音を使った、落ち着いた曲からなります。疲れている時に聴くとぐっすり眠れますね(苦笑)。そんな優しさに満ちたアルバムですが、偶にはこう言うのも聴いてみたくなりますね。 “Two Daughters” https://youtu.be/yr1gdEjuXEA “Kiss The Cloth” https://youtu.be/9cHl_ZiYEvQ #TwoDaughters #Recording1979-1981” “VinylOnDemand #SelfCompilation #ReturmCall-WeAre #AcousticAmbient #Loop #Anthony&Psul #KissTheCloth/Gloria
Experimental music Vinyl on Demand 不明Dr K2