『黒魔術のアメリカ-人はなぜ悪魔を信じるのか』アーサー・ライアンズ著/広瀬美樹他訳

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作家のアーサー・ライアンズ氏が、現代アメリカ社会の闇に巣食う悪魔崇拝者による犯罪や裏社会との繋がりを、綿密な調査を元にその内実を克明に描いたノンフィクション本。
序章は悪魔と人類との関わりを中世〜近代の政治、風俗、事件を絡めて解説。
そして悪魔の名のもと、現代の猟奇犯罪、カルト宗教、ヘヴィメタルに至るまで、悪魔が如何にしてポップカルチャーの中に浸透しているかを丁寧に紐解いております。

また米国内で頻発する猟奇的な未解決事件と、悪魔集団たちの血生臭い儀式との不気味な接点、全米各地に根城をおろす凶悪バイカーグループとの共存関係などを実在のグループごとに紹介するのも興味深いですね。

恐ろしい程の秘密主義を貫き、用心深く、軽はずみに関わるのは大変危険な集団たちの犯罪の数々が、明るみに出ることも、裁かれる事も無いまま闇に消えていく現実に愕然とさせられてしまいます。

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