秋田書店 写真で見る世界シリーズ 世界の怪獣 中岡俊哉 当時物

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1967年5月5日 初版発行
1971年6月20日 16版発行
発行所 株式会社 秋田書店

「ノストラダムス」の五島勉氏や、「超能力」「UFO」の矢追純一氏らと共に、1970年代のオカルトブームを大いに盛り上げた立役者の一人、中岡俊哉氏。
個人的には、別項で紹介した二見書房の「恐怖の心霊写真集」シリーズの著者、というイメージが強い方なのですが、実は昭和の怪獣ブームにも“一丁噛み”していて、当時の子供たちに爪痕を残しています。それがこの秋田書店から刊行された「写真で見る世界シリーズ 世界の怪獣」です。
怪獣といってもゴジラやウルトラ怪獣のような版権ものではなく、世界各地に現れたUMA(未確認生物)のようなものや宇宙怪獣風のものなど、中岡氏の創作によるものなのですが、それをリアルな目撃談風のタッチで紹介している、というところがミソで、中岡氏お得意の“怪奇もの”の手法を怪獣で応用した一冊といえるでしょう。
初版発行が第一次怪獣ブーム真っ只中の1967年(昭和42年)5月5日で、私が所有しているのが1971年(昭和46年)6月20日発行の16版。名も無き怪獣たちを扱った本ながらも、第一次と第二次の怪獣ブームを通じて、かなり売れた本だったようです。

また、この「世界の怪獣」は怪獣ソフビの世界にも大きな影響を与えていて、1970年代の初め頃、大協という謎の玩具メーカーが※「中岡俊哉先生作 宇宙怪獣シリーズ」として、本書に登場する「ザゴラ山中の怪獣(通称ザゴラ)」と「宇宙怪獣マイティ」を発売しています。
しかし、マルサンやブルマァクから発売された有名な怪獣ではないこともあって、長い間、これらのソフビは埋もれた存在だったのですが、2000年(平成12年)に発売された徳間書店の「デス・オモチャ2000年」というムック本がザゴラを「単眼怪獣サイクロキング」として紹介したところ人気に火が付き、2005年にガーガメルというインディーズメーカーが「ザゴラン」としてリメイクしたり、2007年には復刻堂というインディーズメーカーが大協オリジナルのザゴラを復刻したり、その後もマーミットやシカルナ・工房といったメーカーが「世界の怪獣」に登場した怪獣たちをソフビ化するなど、2000年代後半のインディーズ怪獣ソフビを盛り上げた立役者となったことも記憶に新しいところです。

※「中岡俊哉先生作 宇宙怪獣シリーズ」は、ザゴラ・マイティ・ケラトザウルスのソフビに、怪獣の解説をまとめたソノシート付きで発売、という広告が当時の玩具業界誌に掲載されているのですが、その肝心のソノシートを誰も持っていないし、また、聴いた者も見た者もいないという、非常に謎の多いアイテムです。

#世界の怪獣 #秋田書店 #中岡俊哉 #怪獣

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    オマハルゲ

    2019/05/18

    自分が所有してるのはもう、表紙も薄汚れてこんなにきれいじゃありません。でも、それだけ繰り返し読んだという事です。
    しかし中岡さん、子供には罪な書き方ですよ。○年×月△日、どこどこで…なんて書き方されたら信じちゃいますよw
    まあ、それでも最後の「宇宙怪獣」のところで、ダマサレタ!…ってなるんですよねw
    中岡さんの「世界のウルトラ怪事件」(でしたっけ?)とか夢中で読んだ記憶があります。そっちもネタ満載でしたがw

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    • B6cf967ebcafa336fe0b5e970ad6d9c2

      dape_man

      2019/05/19

      こういう壮大なホラ話に触れて育った昭和世代は、ある意味、非常に幸せだと思うのです(笑)

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