コリリアーノ:《裸のカルメン》

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コリリアーノというと、現在はもっぱらクラシック音楽の作曲家として有名で、1989年の交響曲第1番(AIDSによる友人の喪失を題材にした作品)やメトロポリタン歌劇場で上演された《ヴェルサイユの亡霊》(1991) なんかで脚光を浴びたと思われるのですが、これは1970年の作品。ビゼーのオペラ《カルメン》の「エレクトリック・オペラ」なんだそうですが、当時はこれ斬新だったのかな〜、へえ〜、と振り返る程度で、どちらかというと、コリリアーノ的には「黒歴史」じゃないのかな、と勘ぐってしまいます。しかもこれが国内盤で出ていたのは何気に驚きだったりします。

基本的に《カルメン》の有名曲に電子効果音がまぶして合ったり、ポップなアレンジがほどこされていたり、はたまたベトナム戦争に言及したラジオ放送みたいのだとかヒトラーの演説みたいなだとか、社会性を醸し出すコラージュなんかもあります。

コリリアーノはラジオでも仕事をしていたらしいので、そういった経歴も感じさせるものではありますね。

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