お盆の思い出。
初版 2018/08/08 23:46
改訂 2018/08/08 23:58
これは私が一番気に入っているミニカー。
「アストンマーチン・ラゴンダ」。
イギリスのウエスタンモデルと言う老舗のモデルカーメーカーのホワイトメタル製の完成品のミニカーだ。
決して高価な物でも無いのに何故このミニカーが一番のお気に入りかと言うと、それは兄から貰ったミニカーの中でも一番のジャンクだったから。
実はこのミニカー。兄の会社のお客様にイギリス大使館の外交官が居たらしいのだが、そのイギリス人の外交官が任期が終わり、英国へ帰国する際に、日本でコレクションしたミニカーを持って帰る訳にもいかなかったのか、兄の勤め先に出向いた際に兄にこのラゴンダと数台のミニカーを手渡し、もし私が荷物を預けたまま帰国したならばそのミニカー達は貴方が譲り受けて欲しいと言われたと言う話だった。
そしてこのラゴンダ達ミニカーを預けたまま、そのイギリス人の外交官は英国へと帰国したらしい。
兄の手元に取り残されたミニカー達。
当時既に私がミニカーをコレクションしていた事を知っていた兄は、そのミニカー達をイギリス人外交官から譲り受ける形となり、そのミニカー達を私に手渡そうと思ったとの事だ。
そして今から15年以上前のお盆休みに兄と私が愛知の実家に帰省した際に、私への手土産に携えてきたのだ。
確かこのラゴンダとBESTMODELのフェラーリ・275GTB。コーギーのアストンマーチンDB5のボンドカーのミニカーの三台だったかと思う。
勿論このラゴンダ以外の二台?もそれなりに気に入ったのだが、このラゴンダはそのイギリス大使館の外交官がドアミラーを接着しようとしたのだろうが、誤って使用した瞬間接着剤が白化して汚くなっているのだ。
しかも両側のドアミラーが(笑)。
大柄なイギリス人の手により、このラゴンダのミニカーにドアミラーを着けようと四苦八苦したであろう事が思い浮かぶと、何だか妙におかしくて、痛々しく瞬間接着剤の白化した跡もそれはそれで「世界で一つのミニカー」の証拠なのかもしれないと思い、それからは何だか気に入って、何時も部屋の片隅に飾られている。
勿論、アストンマーチン・ラゴンダと言うスポーツ・リムジン自体が凄く好きなクルマだったのと、当時はウエスタンモデル以外のどのメーカーからもラゴンダはミニカーで出てはいなかったからだ。
当時の私は「外交官になれる程の人物ですら、ミニカーとか弄ったりするのだな(笑)。」
と、このラゴンダを手に取る度にそう思い返した物だ。
今もお盆休みが来る度に私は思う。
「このラゴンダを置いていった英国人は今も元気にしているのだろうか?」
彼が幾ら英国紳士ぶってカッコつけたって、ドアミラー1つ満足に付けられなかったのを私は知っている(笑)。
そんな少しだけ意地悪な気持ち?(笑)でラゴンダを見つめたお盆休みが又今年もやって来る。
今ではこのラゴンダのミニカーをいとおしく見つめる様に私は変わったけれど、毎年やってくる夏は変わらない。
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