夏はまだ終わらない?
初版 2019/09/10 23:23
改訂 2019/09/11 20:03
散々な長雨に祟られた今年の夏も暦の上ではもう秋口に入りつつある。
今日の長崎は、まるで夏が又戻って来たかの様に蒸し暑かった。
昼下がりの我が職場の駐車場にオニヤンマが飛んできて、そこで力尽きる様にポトリと落ちた。
室内からその一部始終をたまたま見ていた私は外に出て、駐車場に落ちたオニヤンマの羽をつまみ上げて室内に入れた。
私の指に羽を摘ままれたオニヤンマが最後の力を振り絞り、パタパタと羽ばたこうとするので何だか気の毒になって摘まんでいた指をつい離してしまった。
すると、オニヤンマは私の穿いているジーンズの太股に停まった。
暫くそのまま休ませてやり、その後職場の裏を流れる川沿いの土手に放してやった。
弱々しく大きなオニヤンマは緩やかに川沿いを飛んでいった。
きっとあのオニヤンマに残された命の炎は僅かな物だろう。
そう言えば少し前まであれだけ喧しく鳴いていたセミの鳴き声もいつの間にか聞こえなくなった。
夏の終わりの最後の足掻きの様な残暑の静寂の中をオニヤンマはフワリと飛んでいく。
一見まだ夏は終わってはいない。
でも知らぬ間にこうして確実に夏は過ぎていっている。
今年の夏よさようなら。
日々物質に囲まれて生活していると、何時の間にか時が過ぎて行っているのに気が付かずにいる事が間々有る。
そんな事に気がつかされた2019年の夏の終わりの厳しい残暑の昼下がりの私でした。
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