Corto Maltese: The Ballad of the Salt Sea

0

コルト・マルテーゼ 塩海のバラード
原作 ヒューゴ・プラット 1967-1969
出版 UNIVERSE社 2012

フランスの冒険活劇、コルト・マルテーゼシリーズの第一作目の米英語翻訳です。このシリーズは欧州では有名ですが、日本では02年のアニメ映画「コルト・マルテーズ:皇帝の財宝を狙え!」が唯一の翻訳作品として公開されたのみで、あまり知られていない作品です。

時は第一次世界大戦が目前となった1913年の11月、舞台は太平洋。オーストラリア大陸北部にある島々、メラネシアの海域で漂流していたコルト・マルテーゼ、シドニーから来たという少女パンドラと青年ケインの3人は、ドイツ帝国の依頼で海賊業を営むラス・プーチンと名乗る男の私掠船に拾われ囚われの身となる。直後、私掠船は嵐に見舞われてしまい沈没、各々は人喰族が住むという島に流れ着く。次々と起こるトラブルに巻き込まれ、メラネシアから抜け出せずに焦りだすパンドラとケインだが、彼女らの前に現れたドイツ帝国の若きUボート士官スリッター中尉が二人に同情し、脱出の協力を申し出る。しかし、それを遮るかのように海賊のボスの座に君臨する「モンク」と呼ばれる謎の男が現れ、ついに戦争が始まったことを告げるのだった。混乱の中で、国家、島民、海賊、そして遭難者達の各々の思惑が重なり…といった話。このエピソードはタイトルでもあるコルトの冒険譚というよりも、パンドラとケインの脱出劇がメインで、コルトは彼女らを導く兄貴分として立ち回ります。

オリジナルのフランス語版はモノクロですが、こちらはローカライズの際に全コマ彩色されており、コマ割りが変更されています。どちらも原作者の監修のもとで行われました。現在、オリジナルにより忠実な新しい米英語訳版があるためか、こちらの旧版はかなりお手頃でした。そして新しい方はプレミア価格です!

Default