「幕末長州藩の攘夷戦争」(中公新書/古川 薫 著)

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中公新書No.1285「幕末長州藩の攘夷戦争… 欧米連合艦隊の来襲」

長州藩の幕末史を、ペリー来航から八一八の京都政変、蛤御門の変、下関砲撃後のイギリスとの接近、そして薩長が結びついて維新の原動力となる経緯を、外国船砲撃事件とそれが引き起こした「四カ国連合艦隊 下関砲撃事件」に基軸に掘り下げた研究書。

長州藩史は幕末研究には欠かせない重要な一部であり、この本でそのあたりの一通りの知識は身につけられます。

後半に記載のあるいくつかのテーマの一つ、「長州砲のゆくえ」が大変興味深い。
長州藩は四カ国艦隊に陸戦隊で攻め込まれ、数十門の大砲を分捕られてしまいます。それらの砲は戦利品として英国、米国、仏国、蘭国に持ち帰られて、パリのアンヴァリッドや米国の海軍施設内でいまだに展示されているそうですが、筆者の働きかけにより政治レベルを動かし、日仏友好の証としてフランスからの返還が実現したのだとか。

そういうの、好きですw

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