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縄文土器片 装飾把手
【推定年代】 縄文時代中期 【産地など】 青森県青森市 【解説】 非常に造形が良い縄文中期の大型土器の口縁部残欠。最大長17cm前後。 縄文中期の東北特有の大振りだが緻密な表現で、なおかつ巨大で迫力がある。 貼り付けられた刻目突帯文の粘土紐は蛇を意匠したものだろうか。 考古収集は辞めようかと思っていたのだが、それでも入手したくなる良いものだった。
考古Shimomotoyama3
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Gaudryceras tenuiliratum
【推定年代】 中生代白亜紀後期サントニアン〜カンパニアン 【産地など】 北海道夕張市大夕張 【解説】 ゴードリセラス・テヌイリラタム(Gaudryceras tenuiliratum)の良質な標本。 擦れは多いが、ここまで外殻が保存されている個体は珍しい。 8000万年前の化石と思えない程の艶光沢があり、と言うよりつい最近まで生きていた様にすら思える。 生存時の体色を反映しているとしたら興味深い。
化石 白亜紀Shimomotoyama3
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スピノサウルスと巨大ワニ形類の歯化石
【推定年代】 中生代白亜紀 【産地など】 モロッコ 【解説】 言わずと知れた白亜紀前期の超大型獣脚類恐竜スピノサウルス(Spinosaurus aegyptiacus)と、同時期に生息していた巨大ワニ形類であるサルコスクス(Sarcosuchus sp.)の歯化石。 いずれも中〜大型個体のものと思われる。(スピノ:長辺80mm重量42g、サルコスクス:長辺45mm重量19g。) スピノサウルスと言えば、幼少の頃DVDが擦り切れるほど観たジュラシックパーク3のアレを思い出すのだが、当時の面影はどこに行ったのか最近は巨大なイモリの様な復元図になっている。 スピノの歯は小さく細長いものが大量流通しているが、当然大きく分厚くて状態の良いものほど流通量は減る。 この歯は目立つリペア跡が歯冠に一つあって歯冠先端も摩耗(生前からあったものと思われる)があるが、良質のエナメル層も残存しており、大きさがある事(最大幅3cm近く)を考えれば中の上クラスの品質と言えるだろう。 サルコスクスは既に科レベル(Elosuchidae)で絶滅した巨大ワニ形類(現生ワニの直系祖先ではない派生の系統)で、体長9m程度で現生ガビアルに似た姿だったと推定されている。 この歯は完全体ではないが目に見えるリペアは無く、計測できる底面の最大径は2cmを軽く超え、分厚いチョコレートブラウンのエナメル質も良好に保存されており、前記のスピノより高品質なもの。 スピノと巨大ワニ形類の歯は一見よく似ているが、よく比較するとワニ形類の方が全体的に寸詰まって彎曲しており、エナメル質の層もより分厚く頑丈で重量感があり、セレーションも見られる。 逆にスピノの歯は長さがあるが、全体的に線が細い上にエナメル層も薄く脆弱な印象で、また大きさの割に軽く、主な餌や摂食の仕方の違いにその理由があるのではないかと思っている。
化石 白亜紀Shimomotoyama3
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オオルリオサムシ(Carabus(Acoptolabrus) gehini)の標本
【年代】 1989 【産地など】 北海道千歳市支笏湖 【解析】 北海道の固有オサムシであるオオルリオサムシ(Carabus(Acoptolabrus) gehini)支笏湖亜種の標本。 オサムシは漫画家の手塚治虫がペンネームの由来にしたくらいには愛好家の多い虫で、特に本種及び長崎県対馬に生息するツシマカブリモドキ(Carabus fruhstorferi Roeschke)は国産オサムシ科では最も美しいと言われる。 肉食性の地表徘徊昆虫で、幼虫も成虫もミミズやイモムシなどを好んで摂食する。 なお、幼虫の造形は三葉虫に似ている。 この標本は36年前に採集されたものだが、前翅(エリトラ)の緑の光沢は全く色褪せていない。
昆虫標本Shimomotoyama3
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自然金(砂金)
【年代】 2001 【産地など】 アメリカ合衆国アラスカ州 【解説】 アラスカ州を横断するユーコン川支流Fortymile Riverで採集された自然金(砂金)。 最大長約10mm、重量約1.09gで、ここまでの大きさになるともはや砂金ではなくNugget(金塊)と呼ぶらしい。 言うまでもなく金(Au)自体が貴重かつ重要な鉱物資源だが、さらに天然砂金で1gを超えるものは非常に貴重で滅多に産しない。 なお、特にこの様な大型砂金は、純粋な金だけではなく自然銀や自然銅なども合金として含むという。 中性子星衝突(Kilonova,キロノヴァ)という超大規模な天文現象の過程で生成される金や銀、プラチナと言ったレアメタルやその他レアアース(希土類元素)は、約45億年前の地球形成時に隕石由来の成分として多数飛来したが、元素としての比重の重さからその多くがマントル以下の高深度地下に沈んでおり、その名前通り希少な理由となっている。 こうしたレアメタル類は海底熱水鉱床等を経由して地殻上に出てくる事があり、現在地上で採集できるものは大抵がその様な由来を持つ。 人類文明との歴史も深く、日本では漢倭奴国王印が国内最古の金製考古遺物として有名である。 2025年、今年も色々と資金が必要になりそうなので、手持ちの中で最も金運が上がりそうな物を掲載して験担ぎします。
鉱物標本 現代Shimomotoyama3
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デボン紀の三葉虫化石(ボリビア産)
【推定年代】 古生代デボン紀 【産地など】 ボリビア・アンデス山脈 【解説】 三葉虫自体あまり詳しくないところに、さらにマニアックな産地の三葉虫。体長45mm。 種類はよく分からないのだが、ファコプス目カルモニア科(Calmoniidae)の一種ではないかと思う。 アンデス山脈産のアンモナイトの存在は知っていたが、三葉虫化石が採集される事は知らなかった。(南米大陸も安定陸塊なので古い地層があるのは当然だが。) ノジュール入りのネガポジ状態で採集されるそうだが、残念ながらネガはない。 しかし保存状態はかなり良く、左目以外の目立った逸失は無い。 特に尾部と右複眼の形態が良く保存されている。
化石 デボン紀Shimomotoyama3
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メガロドンの歯化石(国産?)
【推定年代】 新生代新第三紀中新世〜鮮新世(約2500〜400万年前) 【産地など】 産地不詳(国産?) 【解説】 メガロドン(Otodus megalodon,ムカシオオホホジロザメ)の、2/3程度残存した歯化石。最長辺9cm、重量126g。 歯根部は割れており、歯冠のセレーションも摩耗気味だが、紹介済みのUSA産や宮城県産程ではないにしろ全体的に状態良く形態保存されている。 歯根部に現生と思われる貝類や藻類付着の痕跡が多量に残っており、間違いなく海中採取品である。 産地不明だが、この特徴的な状態や入手経緯(東北の業者経由)から国産メガロドン(特に房総半島にある鮮新世の海岸露頭産)の可能性が高いと見ている。
化石 新生代Shimomotoyama3
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Phacops sp.
【推定年代】 古生代デボン紀 【産地など】 モロッコ 【解説】 不明種と言う事で(激安で)入手したエンロール状態のモロッコ産三葉虫のファコプス。 このエンロール状態の三葉虫というのは結構個人的には好みで、種にもよるがごつい団子虫という印象を受ける。 しかしこの分野は全く詳しくないのだが、市場で非常に良く見かけるタイプのファコプスだと思われる。 (激安にしては)保存が良く剖出が丁寧(サンドブラスター仕上げ?)ではないかと思うが、安い理由として最普通種?である事に加え、サイズが小さいのと頭鞍・尾板の外殻剝げがある事と思われる。 しかし複眼付きで剖出が丁寧な三葉虫を一度入手してみたかったので、私としては満足である。 小さいと言ってもパチンコ玉よりは一回り大きく、剖出が良いので存在感がある。 これを参考に少しずつ良いものを収集したいと思っている。
化石 デボン紀Shimomotoyama3
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Dactylioceras sp.
【推定年代】 中生代ジュラ紀後期 【産地など】 イングランド・ノースヨークシャー・ウィットビー 【解説】 ジュラ紀後期の示準化石。 ペリスフィンクテスと並ぶ典型的なジュラ紀アンモナイト。 鉄分を含む黒色で立体的によくコンクリーション保存された形態と、部分的にパイライトに置換されている点は、この産地に典型的なもの。 本種は母岩付きのものが多く、この様な完全剖出個体はあまり無い。 両面とも臍中心まで巻きがしっかり残っている。 ジュラ紀アンモナイトの中では、個人的には最もかっこいいと思う種類。
化石 ジュラ紀Shimomotoyama3
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Otodus obliquusの歯化石
【推定年代】 新生代古第三紀始新世(約5000万年前) 【産地など】 モロッコ 【解説】 メガロドン等が分類されるネズミザメ目絶滅属Otodusのうち、原始的な種類となるOtodus obliquusの歯化石。 本種の歯化石は小型個体のものが多く出回っているが、これは長辺6cm近くで重量も約21gという比較的大物。 Otodusの仲間は始新世の時点で既に大型化の傾向にあったらしく、メガロドンに匹敵する巨大個体もあるという。 メガロドンやホホジロザメの歯冠と違ってセレーションが全く存在せず、側歯が発達している。 どちらかというとアオザメ類の歯に類似している印象を受ける。 全体的に形態の保存が良いが、歯冠先端の欠けと右側歯の歯根部のリペアらしきものが気になる。 なお現在のところ東京サイエンスブランドの化石はこれしか所有がない。 中々良い化石の割に良心的な価格だったため、東急ハンズで衝動買いしたのだが、化石を買う人が少ないのか店の人が扱いに慣れていない感じが印象に残った。
化石 新生代Shimomotoyama3
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Asaphus (Neoasaphus) kowalewskii
【推定年代】 古生代オルドビス紀中期(約4億6000万年前) 【産地など】 ロシア連邦サンクトペテルブルク 【解説】 言わずと知れた有名種の三葉虫。今更私が解説するまでもないが、多くの陸棲貝類の様に飛び出した目が特徴的なアサフス目の代表と言える種である。 捕食者から逃れるため泥の中に潜って目だけを出していた生態だったと考えられており、現生生物でも似たような行動をとるものは居るが、その理由でここまで眼軸を発達させた節足動物は地球史上本種だけではないだろうか。 初めて手に入れた三葉虫。 以前から存在は知っていたが、ミューゼオの他一級三葉虫コレクターを見ていたら、私も手に入れてみたくなり現在に至った。 面白い三葉虫だが、やはり飛び出した目の破損が怖い。 ロシア産三葉虫は複眼が残りにくいらしく、次は複眼が残った三葉虫を手に入れたい等と考えている。
化石 オルドビス紀Shimomotoyama3
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メガロドンの歯化石(国産)
【推定年代】 新生代新第三紀中新世〜鮮新世(約2500〜400万年前) 【産地など】 宮城県 【解説】 宮城県産メガロドン(Otodus megalodon,ムカシオオホホジロザメ) の歯化石。 歯冠部から歯頸帯の部分化石で、最大長75mm重量40.2g。 既に紹介しているUSA産メガロドン歯化石と比較しても、形状及び歯冠のエナメル質やセレーション他の形態が殆ど同じである。 このように国内でもメガロドンの歯化石は見つかり、特に宮城県は有名な産地があった。 メガロドンの存在を知らない昔の人はこれを「天狗の爪」と呼び、畏れていたという。 似たような事例として、江戸時代の人々が縄文時代の磨製石斧や石棒を偶然発見した際、これを「雷斧」と呼び、雷神の落とし物だと考えていた記録がある。
化石 新生代Shimomotoyama3
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メガロドンとホホジロザメの歯化石
【推定年代】 メガロドン:新生代新第三紀中新世〜鮮新世(約2500〜400万年前) ホホジロザメ:新生代新第三紀鮮新世(約500万年前) 【産地など】 メガロドン:アメリカ合衆国 ホホジロザメ:千葉県銚子市犬吠層群名洗層 【解説】 非常に保存状態の良いUSA産メガロドン(Otodus megalodon,ムカシオオホホジロザメ) 歯化石と、国産ホホジロザメ(Carcharodon carcharias)の部分歯化石。 画像一枚目の比較では成体(メガロドン)と幼体(ホホジロザメ)のような差があるが、いずれも成体のもの。 メガロドン歯化石の巨大さに霞んで見えるが、ホホジロザメの方もかなり大きい。(メガロドン:長辺125mm重量239g、ホホジロザメ最大個体:長辺35mm重量3.6g。)。 サイズ感は大きな差があるが、歯の形状及び歯冠のエナメル質やセレーションは酷似しており、近縁な種類である事を感じる。 メガロドンはかつてホホジロザメの祖先種(ホホジロザメ属Carcharodon)であるとされていたが、最近では否定する学説(ネズミザメ目絶滅属Otodusから枝分かれした説)が主流となっている。(しかし、この説も確定したわけではないらしい。) また、このホホジロザメ化石も鮮新世のものなので、現生ホホジロザメとも厳密には遺伝的に隔たっていると思う。(人類も500万年前にはまだ猿人〜原人段階だった。) メガロドンもホホジロザメも海棲哺乳類を主要な餌としており、餌の嗜好性も近いという。 20年ほど前に放映されたBBCの「古代の海へタイムスリップ(原題:Sea Monsters)」という番組で、メガロドンが取り上げられ、子供の頃の私はいたく感銘を受けていたのを記憶している。 メガロドン及びホホジロザメは、数あるサメの中でも最も格好の良いフォルムをしていると個人的に思っている。
化石 新生代Shimomotoyama3
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縄文土器 大洞式系小壺土器
【推定年代】 縄文時代後期〜晩期 【産地など】 岩手県九戸郡軽米町山内駒板 【解説】 文様や器形等から大洞式の小壺型土器と見られる完形品の壺。 大洞式(亀ヶ岡式)は縄文後期〜晩期の北東北(青森・岩手・北海道南部)に多く見られる土器様式だが、本資料には特に岩手の土器っぽい印象を受ける。 全体に撚糸文を施し、口縁部は一度円柱状に窄めたあと解放している。 大きさの割に重さは324gしかなく、超絶技術で薄手に成型されている。 弥生時代初頭にこの大洞式(亀ヶ岡式)文化の担い手だった北日本の縄文人は、新しく渡来してきた稲作技術に関心を持ったのか遠く2000km離れた北部九州まで南下し、小壺土器等を搬入して当地の弥生土器成立へ若干の影響を与えた。 従って北部九州平野部で出土する弥生土器には、北東北亀ヶ岡式文化の影響を強く受けた本資料のような壺も見られる。
考古Shimomotoyama3
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Hoploscaphites nicoletti
【推定年代】 中生代白亜紀後期マストリヒチアン 【産地など】 アメリカ合衆国 【解説】 白亜紀の最終末に生息した異常巻アンモナイトの一種、ホプロスカフィテス属のアンモナイト。多分マクロコンク(雌個体)。 一部リペアの跡が見られるが、全体的に形態の保存は良い。 アンモライトに類似した光沢があるが、産地の定義上アンモライトには分類されない。 母岩付きで裏側には別個体のネガが見られる。
化石 白亜紀Shimomotoyama3