飛んで火に入る夏の虫 イギリスのデ・ハビランド社で1930年代に開発された複葉機「タイガー・モス」。8,000機以上製造され、練習機や連絡機として使用されました。愛称のタイガー・モスとはヒトリガの意味。

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エンジンをデ・ハビランド ジプシー・メジャーIに変更。イギリス空軍での名称はタイガー・モス Mk.II。開発当初の名称はDH.60T モス・トレーナー(Moth Trainer)だった。初飛行は1931年10月26日。全木製の複葉機で、基本的な外見はモスに似ているが、前席を囲う支柱を前部に移し脱出が容易にできるようにしたため上翼には浅い後退角が付けられた。エンジン換装に伴うカウリングの形状変更により視界も改善された。固定式の降着装置はフロートやスキーに換装することができる。

1931年に採用されてから初等練習機として軍だけでなく民間の飛行学校でも数多く使用された。海外にも広く輸出され、デ・ハビランド社の工場があるカナダ、オーストラリア、ニュージーランドでも生産された他、ノルウェー、ポルトガル、スウェーデンではライセンス生産された。第二次世界大戦中は主力練習機として多くのパイロットを育成する一方、前線では連絡機として使用され、ビルマ戦線において患者輸送用に改造された機体もある。戦後もしばらくの間は練習機として使用された後、多数の機体が民間に払い下げられた。これらの機体の中には現在でも飛行可能なものが相当数ある。総生産機数は、民間型を含めると8,000機を超える。

スペック(DH.82A)
全長: 7.29 m
全幅: 8.94 m
全高: 2.68 m
空虚重量: 506 kg
エンジン: デ・ハビランド ジプシー・メジャーI 空冷4気筒 130 hp
最大速度: 175 km/h
航続距離: 486 km
乗員: 2名

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