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米陸軍 小型空中浮遊機 VZ-1 フライングプラットホーム
米陸軍がヒラー社のフライングプラットフォームに強い関心を示し、試作機の製作を発注した。当初はHO1、後にVZ1という制式名称を与えているので、本気で開発するつもりだったようだ。ヒラー社は海軍モデルに改良を加え、ダクトの下側に可動式のフィンを設けて推力の方向をコントロールしやすくした。この写真では、プラットフォームの上に立った兵士が両手でカービン銃を構えており、操作を足だけでできるようになったことが分かる。
米軍が最初に試作を発注した日付はよく分からないが、1956年に改良型VZ1Eを追加発注した。エンジンを3基に増設、ダクトの直径も2.4メートルまで拡大し、その分、推力も大きくなった。ただ、バランスを保つのが難しいことは変わらず、スピードを出そうとして機体を強く傾ければ墜落の危険性があった。このため、水平方向の最大速力は時速26キロ程度と、自転車並みの速度しか出せなかった。VZ1は合計6機製造されたものの、兵器として使える見通しは立たず、59年に6号機が製造された後、プロジェクトは立ち消えになった。