S-61 KOMSOMOLEZ (SSG665 ウィスキーロングビン級潜水艦 Ⅳ)

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ウィスキー級潜水艦(NATOコードネーム)は第二次世界大戦後の比較的早い時期に建造/運用されたソ連海軍の通常動力潜水艦です。1949年から1958年にかけて各型合計200隻以上建造され、多くは沿岸警備潜水艦として運用されました。当時は東西冷戦の軍拡競争がどんどん激しくなって行く時期でしたが、海上戦力ではソ連はアメリカに大きく差を付けられ、特にアメリカの空母機動部隊はソ連にとってこの上ない脅威でした。ソ連は長射程の巡航ミサイルでこれに対抗することに決し、各種巡航ミサイルを開発して海軍所属の航空機や水上艦艇に続々と配備して行きます。その流れは潜水艦にもおよび、当時主力だったウィスキー級に巡航ミサイルを搭載する改造が行われました。その試みはいくつかの試作型を経て最終的にこのウィスキーロングビン級にたどり着きます。船体上部にセイルと一体化したミサイル発射筒を4基搭載した姿は非常にSF的ですが運用成績は悪く、水の抵抗による速度低下と大きな航行音の発生に悩まされたと言われています。そのため建造数は7隻にとどまり、あまり大きな戦力にはなりませんでした。

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