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carriage clock-1 その成立ち
キャリッジクロックは、19世紀初頭にフランスで 開発・設計された 旅行・携帯用の時計です。 ある戦闘で部下の将校が時間に遅れ、ナポレオンは手痛い敗北を喫した。 1812年、皇帝ナポレオンの命令を受けた天才時計師:アブラハム・ルイ・ブレゲによって、最初のキャリッジクロックは発明された。 分銅 + 振子の等時性 → ゼンマイを源動力 + 脱進器 → 携帯用の時計(Carriage clock) 爾来、将校たちに携帯用時計として持たせた。 精密さに優れた「将校の時計」として広く普及することになった。 サン・ニコラ・ダリエモント(フランス)にあるアルマン・クアイユの工場では、 1880年から1920年の間に何千ものキャリッジクロックが製造された。 その後キャリッジクロックは、会社(企業)の定年退職者や永年勤続者などへの記念品的な贈り物としての用途も広がりました。 私のコレクションの中にも、ギフトのメモリーが刻まれたキャリッジクロックが何台かあります。 おいおい、ご紹介いたします。
Carriage clock FRANCE0318
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精工舎 硝子置時計 宮型 ETC
精工舎 硝子置時計 関東大震災以降 ~ 当時の新素材/ガラスをベースにあしらった置時計の人気が高まりました。 いわゆる、大正浪漫が具現化された意匠の一つと言えますね。 バリエーションとしては 上段の形態が宮型、下段の枕時計タイプが枕置(ガラス枕) 四角のタイプを文鎮(角・頭丸)と呼称されています。(昭和5年の精工舎のカタログより) 硝子の色は 青・緑・茶・黒・オパールなどがありますが、特に、青や緑色のガラスは、個体により濃淡まちまちで、 全く同じものにはほとんど出会うことは有りません。 それも味わいの一つと考えて楽しんでいます。 下段左端の文鎮タイプは、マドリードの蚤の市で手に入れました。 私は、父の記憶に深く結びついた 濃いブルーの硝子が気に入っています。 江戸切子をルーツとした硝子職人の高度な技術を継承した八重田研磨工場・初見硝子研磨工場などの詳細が、 山口 勝旦(かつあき)著の「江戸切子」に詳しく記されています。 往時の職人たちの技術の高さが偲ばれます。 近年、外国製と思われる、粗悪なまがい物が、ネットオークションなどに出回っておりますので、要注意です。
硝子置時計 精工舎 古典屋 開化亭 春江堂0318
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Ticket clocks、 plato clocks (1903年 patented) cc - 080, cc - 081, ,cc - 082, cc - 083
Ticket clocks、、1900年代初頭(1903年のpatented 表記) 上段が時、下段が分を表示します。 日本では、パタパタ時計などと呼ばれてたりしますが、 デジタル表記の原型が100年前に発明されていたことに 'わ~ぉw'です 右の円筒ガラスは、Junghans社製。 左の角型はメーカー不詳ですが、意匠から推測しますと、イスラム圏向けへの輸出品だったのでは・・・? などと夢想して楽しんでいます。 Ansonia の1900年代のカタログを見ていましたら、 PLATO clocks として記載が有りましたので追記しました。 PLATO は、プラトンのことで、古代ギリシャの哲学者。 ソクラテスの弟子で、アリストテレスの孫弟子にあたる。 面白い命名である。 明治39年(1906年)の服部時計店営業一覧(カタログ)にも、 米国新発明「プラト」時計 で記載されています。 往時、服部時計店では、精工舎の時計の他にも、アメリカやフランスから輸入した時計や光学品なども扱っていました。 扨て、放りっぱなしにしていて Mr.Muuseo には大変失礼していました・・・が、 ステイホームでやる気と時間が黙々と湧いてきました ご覧いただけた方々に、失礼のないエリアづくりを心掛けます。 どうぞ、宜しくおつき合い頂きますよう。
ticket clock cc - 080, cc - 081,cc - 082, cc - 083 junghans etc 1979 noa antiques, 2003 弓戸 他0318
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Hanging clocks - 1 Ansonia HABANA
Ansonia HABANA type hanging clocks Ingrahumの金達磨と Ansoniaの Habana は、私がこの世界に迷い込んだ当時 コレクターのマストアイテムでした。 tear dropと呼ばれる優美な意匠。 眉間に取付けられたマリア像、 銀彩で描かれた、花籠や孔雀などのガラス絵 (確か、7パターン程でしたか?) 完璧です。 1900年の第5回 パリ万博では、絶讃の人気を博したとのこと。 Ansonia の hanging clock には都市名が付けられたものが多い。 ガラス絵は7種類あり、下段右端の鳥の図柄のものだけがが欠番になっています。 その内、巡り会えるのでは・・・と期待しています。 さて、同社では、このスタイルの Mantel clock (置き型時計)を、Parisian と名づけてで製造していましたが、 何故か、日本人のライフスタイルには合いませんでした。 New Haven 社や、WELTCH社などでも類似デザインのものが、多数有ります。 日本では、尾張時計などで、盛んにコピーモデルが作られました。 が、イメージの焦点と思われるポイントが、マリアではなく、平べったい顔つきの弁天さまです。 明治の日本を思い浮かべれば、当然なことでしょう・・・・これも愛嬌・味と言えば味なんでしょうね。
hanging clock HABANA Ansonia きねや ハ―キーズ 六曜館0318
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コレクター人生のキッカケ E・INGRAHAM IONIC 金達磨
私が、桑沢をでて、インテリアデザイナーの駆出しの頃の記憶です。 コシノジュンコや鳥井ユキ、高田ケンゾーなどのデザイナーが、 文化服装学院~雑誌「装苑」経由でどんどん世に出てきた。 高度経済成長を背景に、ファッションデザイナーの勃興~隆盛初期でした。 駆出しデザイナーは「平凡パンチ」や「MEN 'S CLUB]を小脇に、 青山や原宿、時には銀座のブティックや喫茶店などを巡り歩く、とにかくよく歩いた。 そして、探し当てたブティックの奥に、 必ずと言ってよいほど古時計がディスプレィされていていることに気付く。 小さなものだけれど、不思議と全体の雰囲気を高め輝いている。(右下の画像です) 「いいなァ~」 やがて、「DIG」や「DuG」、「木馬」などの人気の JAZZ 喫茶にも、気後れなく?・・・何とか出入り出来るようにもなりました。 そして、そこには、喉から手が出るような Antique Clock の世界が美しくディスプレィされています。 この心地良い空間・時間にドップリはまる定めは、 予め用意されていたことに 今更気づくことになります。 私の永く続くコレクター人生のキッカケでした。 ずいぶんたって、 「木馬」の小澤夫妻や、「DUG」の中平穂積さん・ご子息の塁さん達とも、親しくおつき合い頂けるようになりました。 四つ丸・達磨時計、 本家アメリカではイオニックと総称され、 古代ギリシャ・イオニア神殿の支柱の頭飾りにヒントを得た、スタンダードなデザインで、 本家の各メーカーもそれぞれ意匠を凝らしています。 国内のメーカーでも、サイズ、素材(木地・モザイクや金貼り)等など様々なバリエーションを目にします。 さて、大変長くなってしまいました。 画像は、本四つ丸 達磨、 右の3台は石膏下地に金箔貼り。 右端は、目覚まし機構付き。 その左は、精工舎製です。金箔が綺麗なので入手しました。 4台の内、残りの3台は、E・INGRAHAM の IONIC、 結局ここに落着くことになりました。 NEW HAVEN CLOCK CO.,のカタログをUPしました
hanging clocks イオニック E・INGRAHUM 東銀座 ローヤル・アーツ 東北沢 山本商店0318
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Crystal Regulators 4面ガラス時計
Crystal Regulators 4面ガラス時計 水銀振子 Crystal Regulators は Ansoniaの呼称。 精工舎のカタログには、四方硝子とあります。 本家はフランス( French regulator four glass clock 4面ガラス時計 ) 振玉のガラス管には、水銀が封入されている。 イギリスのジョージ・グラハムが、1721年「水銀補正振り子」を発明。 温度が上がって振り竿の金属が延びると水銀も膨張し、振動の周期を安定させる仕組み。 19世紀には、膨張係数が極めて少ない合金が開発され、ガラス管の中はニッケル合金に替わった。 が、形態の持つ美しさは引き継がれた。 そして、アメリカの新興の産業力によって量産化されていった。 因みに、Ansonia のカタログをめくってみると20頁ほどあり、 有に100種以上のデザインが載っています。 製品名もBaron や Marquise などと名付けられていて、憧れの貴族のライフスタイルをイメージさせていたのでしょうか? ガンギ車が文字盤にセットされているタイプ(出ガンギ)は、振子と連動しチックタック チックタックと、鼓動を連想させます。 「今日も元気 ‼」と声をかけてしまいそうです。 ガンギ車が内蔵されているタイプも、白琺瑯びきの文字盤とカットガラスが調和し、なんともエレガントなの佇まいです。 2段目 右端の七宝飾りの時計は、フランス製、 Tiffany のストアーブランド品です。 1990年 Sotherby`s のオークションで 28万円程で落札しました。
crystal regulators ansonia french clock maker Sotherby's 神戸 Noa antiques0318
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寝室の掛け時計 junghans 小型バイオリン + 1、 精工舎 木ノ葉
寝室の掛け時計 Junghans 小型バイオリン + 1、 精工舎 木ノ葉 右 精工舎 木ノ葉 全長35㎝ 我が家では、最小の掛け時計です。 打ち方なし、寝室向き? ブラック・フォーレストのカッコー時計を思わせる立体的な木彫が良い。 木ノ葉の愛称が有ります。 左 Junghans社 小型バイオリン 全長55㎝と小ぶりだがエレガントなたたずまいに、ファンは多 い。 「木ノ葉」同様、最近 当家に嫁いできたニューカマーです。 古いアンチーク雑誌をパラパラめくっていたら、 65万円の売価の広告記事を見つけて、びっくりしました。 そういう時代だったのですね 左端 やはりJunghans社の小ぶりな掛け時計 JunghansはJマークとも呼ばれます。 両方とも1890年~1900年の製品です。(星マークのバリエーションで解ります)
hanging clocks Junghans 精工舎 2019~200318
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hanging clocks 姫ダルマ 精工舎/愛知時計
hanging clocks 姫ダルマ 精工舎/愛知時計 最近、仲間が増えてしまいました。 好みが偏っているのですね・・・ さて、これが姫ダルマの原型なのでしょうか ? 小振りで・本当に良いバランス ですよね。
精工舎 愛知時計 hanging clocks0318
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コンパクトでシンプルなデザインが愛されています 精工舎 スリゲル / 筋硝子
筋ガラス 意匠権者は、東京市京橋区銀座四丁目八番地 服部金太郎 機構は、ユンハンス写し 香箱入りゼンマイ、二週間巻機械 スリゲルです。 類似の意匠で、いくつもの国産メーカーが製造していますね 小金井公園の東京たてもの園に移築された 酒屋の店先に、この筋硝子が納まっていました。 百年以上もの年月が経っていることなのですね。 コンパクトでシンプルな意匠が気に入っています。 スペースが有る限り、いつの間にか 集ってきてしまうので、聊か怖いです。 さて、面白い記録が出てきましたので、UPします。 1976(昭和51)年、 実家の小山市・小野古美術店での購入記録です。 5月3日(mon)6000円 とあります。 古き良き時代、こういう時代が確かにありました。
hanging clocks 精工舎0318
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Hanging clocks - 5 KIENZLE 分銅引き
高さ 約140㎝の大型掛け時計です。 時計の動力源は、2本の分銅が担っています。 右側が時打ちで、左側の分銅が時刻です。 クランク型の鍵で、分銅を巻き上げるのですが、上まで巻き上げますと、8日間稼働する。 120年ほど前に製造されたものです、我がアトリエの標準時計として正確に稼働している。 ウォールナットの木質は 19世紀の1点もの家具に見られる高級材が使われていて、 その頭飾りや柱なは凝った木彫が施され、往時のドイツらしい威厳をまとっています。 アドルフ・シュテルン工房の作だと思われます。 頭飾りの 獅子の造形をアップしました。 資料の整理をしていましたら、'03年の平和島 A/F 当日の写真と名刺が出てきました。 アラアラ
hanging clocks KIENZLE 30万円 当時としては大変割安でした0318
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アールヌーボー & アールデコ hanging clocks Hamburg American
アールヌーボー & アールデコ hanging clocks 19世紀末から、20世紀前葉にかけて、画家グスタフ・クリムトを中心に結成された 「ウィーン分離派」( セセッション) 活動などなど・・・ アートの世界に大きなうねりが堰を切ったように起こりました。 結果として、アールヌーボー & アールデコ に収斂されたのでしょうか。 私の蒐集の中から、アールヌーボー & アールデコ の意匠の時計などをご紹介いたします。 画像の2台の掛け時計は、いずれも ハンブルク・アメリカン社製のもので、アールヌーボーの意匠をまとっています ハンブルグ・アメリカン社について 少し説明いたします。 ユンハンス社の創業者エアハルト・ユンハンスが 1876年に亡くなり、 ビジネスマネージャーを務めていたポール・ランデンバーガー(義理の息子)が、独立して自身の会社を設立。 初期はユンハンス同様のレギュレイタークロックを製造、その殆どはアメリカ向けの輸出品でした。 トレードマークは様々なものを使っていますが、最もよく知られているのは、2本の矢が交差したマークです。 1930年頃に、結局はユンハンス社と合併し、元のさやに戻ったと言われていますが、 その間に、同社ならではの、ユニークで 愉しいデザインの時計を 多く、残しています。
hanging clocks Hamburg American 銀座 Shell man etc0318
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miniture type
carriage clocks - 10 ミニチュア オーバル 円筒形 小型( h=9㎝程度 )のオーバル、円筒形です。 サイズ比較で Drocourt( h=14㎝ )を置きました. ミニチュアタイプ時計 : 全体の意匠・形状は同一、サイズを縮小したもので、 チャーミングなイメージで、女性の嗜好を対象としたようです。 このミニチュアタイプが好みで、いつの間にか、増えてしまいました。 後でご紹介しますが、Giantと言うバリエーションも有ります。 さて、左の円筒形3台は同様のデザインですが、 左端のリピーター付は、アメリカ Waterbury 社製で、時・1/2時打ち。 他の2台はフランス製です。 其々 1880~1890年代のものです。 曲面の硝子に、巧に面取り加工を施してあり、丁寧なつくりに魅せられてしまいます。
miniature carriage clocks Drcourt( F) Waterbury( USA ) Sotherby's 神戸 Noa antiques0318
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寝室の掛け時計
ドイツからスイスに続くシュヴァルツヴァルト( 黒い森 )は、時計発展過程を知る上で、重要なポイント。 17世紀末ごろから ジュラ地方、ヌーシャテルの山間部で、カッコー時計の製造が始まり、急速に発展を遂げた。 19世紀のジュラ地方での仕事と言えば時計師になることだった。 土地が痩せていて農業では生活が出来ず、住民は貧しかったが、手先が器用であった。 住民全体が時計製造に携わり、収入の大部分を得ていた。 品質の良い時計を大量生産するこの地方から、JUNGHANSなど、 著名な時計会社が多数輩出した。 ここで作られた無数のカッコウ時計。ぶどうの木の葉や、蔦の意匠が、 アールヌーボーに昇華する過程を、かいま見る想いがしますね。
hanging clock junghans0318
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hanging clocks - 7
hanging clocks - 7 右から2台目は、文字盤に星のマークが有り Junghans製。 いずれにしても右側3台は、ドイツ製。 左の2台は、精工舎 パリ ( 15日巻 座敷時計 } 下段 精工舎 鷲、 左端 精工舎 角丸 何しろ、好みが偏っています、一旦、これと思い込んでしまうと、類似の形状のものを、際限なく・・・なんですよね。 あきれた性格です。 コレクター仲間では、長方形の箱型タイプの掛け時計を、スリゲルと呼称しています。 精工舎のカタログにもスリゲルとある。
hanging clocks Junghans 精工舎 etc0318
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精工舎 宮形 枕置 切子 角文鎮 頭丸文鎮 等
精工舎 江戸切子の技術を受け継いだ硝子の時計 大正末期から昭和14~15年にかけて硝子の置時計が家庭でもてはやされました。 昭和5年の精工舎のカタログによると、青硝子、水硝子、緑硝子、 砡白硝子、のカラーバリエーションが有ります。 しかし、各個体により濃淡などの色味に違いが有り、 特に緑硝子は同一の色味は殆どありません。 写真中の透明文鎮型は、マドリッドの蚤の市で入手したものですが、ガラス面の輝きが違いますね。 昨今、ネットオークションなどに、外国(中国?)モノのと思われる粗悪品が、多数見受けられます。 要注意です。
江戸切子の技術を受け継ぐ 硝子の時計 精工舎 etc0318