宇江佐 真理 「雷桜」

0

江戸から三日を要する山間の村で、生まれて間もない庄屋の一人娘、遊が、雷雨の晩に何者かに掠われた。
手がかりもつかめぬまま、一家は失意のうちに十数年を過ごす。
その間、遊の二人の兄は逞しく育ち、遊の生存を頑なに信じている次兄の助次郎は江戸へ出、やがて御三卿清水家の中間として抱えられる。
が、お仕えする清水家の当主、斎道は心の病を抱え、屋敷の内外で狼藉を繰り返していた・・・・。
遊は、“狼少女”として十五年ぶりに帰還するのだがー。
運命の波に翻弄されながら、愛に身を裂き、凛として一途に生きた女性を描く、感動の時代長編。

Default