【1988/01/23】奥の細道シリーズ第4集郵便切手

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奥の細道シリーズ第4集として昭和63年1月23日に60円郵便切手(2種連刷)が発行されます。
「あやめ艸足に結ん草鞋の緒」 仙台についた芭蕉は板木彫刻を業とする俳人の北野屋加(嘉)右衛門と知り合い仙台の、名所歌枕を案内してもらいました。仙台を出立する前の晩、加(嘉)右衛門は芭蕉の宿へ来て乾飯一袋と草鞋を二足くれました。大意は「端午の節句の名残りで家々の軒端にはまだあやめが葺いてあるが一所不在の自分はせめてわらじの緒にでもあやめ草を結んで旅中の無事を祈ろう」です。
「夏草や兵共が夢の跡」 芭蕉は仙台から、塩竈、松島、石巻と歩き。北上川をさかのぼって、平泉に出ました。大意は「この高館から眺望される平泉の地一帯は、昔、義経の一党や藤原三代の一族らが、功名を夢見たり栄華にふけったりした跡である。だが功名も栄華もむなしく一場の夢と過ぎ去って、いまはただ夏草が無心に茂っているばかりだ」です。
画「あやめ草」の作者江守若葉氏は、日本画家で日展会友。同シリーズ第2集「ほととぎす」も手がけました。
画「懐古」の作者森田曠平氏は、日本画家で日本美術院評議員。同シリーズ第3集「早苗」も手がけました。
書は二句とも書家の杉岡華邨氏の筆によるもので、氏は日展常任理事。日本書芸院理事長、大阪教育大学名誉教授でもあります。

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