【1987/08/25】奥の細道シリーズ第3集郵便切手

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奥の細道シリーズ第3集として昭和62年8月25日に60円郵便切手が発行されます。
<世の人の見付ぬ花や軒の栗>
芭蕉は、白河の関を越えてから、旧知の俳友である須賀川の豪農相良伊左衛門(俳号等躬)を訪ね、しばらく滞在しました。その間、近くの大きな栗の木の下に庵を結んで隠棲している可伸という僧を訪れたときの作です。
大意は、「地味で目立たない栗の花は、世人の目にとまらない花である。その木はまた行基菩薩にも縁がある。その栗を愛して、世を避け、世に隠れ住んでいるこの庵の主人も、目立たない人だが、ゆかしいことだ」です。
<早苗とる手もとやむかししのぶ摺>
芭蕉が、今の福島市の郊外にある「しのぶもじ摺の石」を訪ねたときの感慨を詠んだ句です。
大意は、「早乙女たちが、早苗をとり田植をしているが、その手つきを見ていると、昔しのぶ摺をした手つきもあんなものであったろうかと、昔のことがしのばれて、ゆかしいことだ」ですが、初案は、「早乙女にしかた望んしのぶ摺」というものでした。
「しのぶ摺」は、昔奥州信夫郡から産出した摺絹の一種で、もじれたような模様が摺つけてありました。

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