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Acanthopyge(Belenopyge) balliviani
南米ボリビアの高地で産出したAcanthopygeですが、ノジュールという産状のため、細部の保存は良好な一方、全体が残ったものや全体の縁が残り難い特徴がどうしてもあります。イメージとしては、モロッコ産のLobopygeとほぼ同じであります。ボリビア産自体が以前より入手がし難くなっていますが、その中でも本種の全体が残った個体は、とても貴重になってきています。
Middle Devonian Lichidae,Lichioidea,Lichida TRI-266-2 BelénTrilobites
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Malvinella buddeae
入手時は、Calmoniidae(科)の一種という名称で学名不明でした。ノジュール中に埋もれるデボン紀ボリビア産の三葉虫は、見た目が同じように見えてしまうのですが、Malvinellaは一目で区別ができます。それ程、密に生えている訳ではありませんが、全身が棘で覆われていたと思われる突起が確認できるからです。大きくならない種類でありますが、ノジュールという産状であり、棘として取り出す事ができないのですが、実物はもう少し長くて細い棘が生えていて派手な種類だったと想像できます。 [Left side:Negative,Right side:Positive]
Middle Devonian Calmoniidae,Acastoidea,Phacopina,Phacopida TRI-267 BelénTrilobites
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Eldredgeia venustus
2000年位までは、Metacryphaeus cafferという学名で市場に出ていましたので、古くからのコレクターは、こちらの学名の方がしっくりくるかもしれません。デボン紀ボリビアの三葉虫の中で、最も多く採れる種類で、市場に出ている個体の9割くらいはこの種類の様に思います。他のボリビア産同様にノジュール中から産出しますが、やはり大部分は部分化石です。数が出るため他の種類と違い、全身が残った状態でノジュールから出てくる確立が高いだけです。この標本の様に風化していない状態ですと複眼だけでなく、体表面の顆粒など綺麗な状態で保存されています。 [Left side:Negative,Right side:Positive]
Middle Devonian Calmoniidae,Acastoidea,Phacopina,Phacopida TRI-22 BelénTrilobites
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Dipleura dekayi boliviensis
Dipleuraは、同じ時代のニューヨーク州産も有名ですが、ボリビア産もほぼ区別ができない程、大きさも形態もそっくりです。モロッコ、デボン紀に棲息したParahomalonotus(モロッコ)とは、近縁でありますが、Dipleuraは、毛穴の様な独特の顆粒が全身にありまり、ツルツルな体表のParahomalonotusと比較するとザラザラな体表であった事が分かります。一応全身の標本が揃っていますが、同一個体である可能性は低く、別々の個体であったと思われます。こらは、この地のボリビア産の化石は、ノジュールで産出するためで、細長いDipleuraの全身が完全な状態で見つかるのは、小さな個体ではありますが、この大きさになると完全体での産出は不可能です。
Devonian Homalonotidae,Calymenina,Phacopida TRI-406 BelénTrilobites
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Francovichia francovichi
推定15cmはあろうと思われるボリビアの巨大なダルマニテスです。ノジュール中から産出する為、立体的で体表のツブツブや複眼まで綺麗に残っているものの、完全体では産出する事はありません。この3つの化石は同一個体である可能性は低いです。胸部はありませんが、全身にツブツブがぎっしりとあった事がわかります。ボリビア産は、一部の一般種を除くと入手困難種が多く、本種の様な種類の入手は新規には出来なくなりました。
Lower Devonian Dalmanitidae,Dalmanitoidea,Phacopina,Phacopida TRI-351 BelénTrilobites
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Phacops orurensis
デボン紀ボリビアの三葉虫は、知られている種の殆どがファコプス目の仲間であり、市場に出てくる種類には偏りがあります。P.orurensisは、最も古典的なファコプスの体型をしています。この地の標本はノジュールの中に含まれているので、見つかる多くが部分化石であり、大きな個体程、全体が綺麗に残る標本は数少ないです。
Middle Devonian Phacopidae,Phacopoidea,Phacopina,Phacopida TRI-70 BelénTrilobites
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Metacryphaeus giganteus
ボリビアの三葉虫は、1990年代位までは入手できる機会があったのですが、その後政情不安などで21世紀にはいると入手が困難になっていきました。標高4000mを超える高地にある産地との事ですが、情報が乏しく詳しい産地情報は謎に包まれています。この標本は完全体であれば推定10cmを超える大きさであったと推定されるファコプスの仲間の尾部だけの部分化石です。他のデボン紀ボリビア産同様にノジュールの中から見つかる産状のため、この大きさになると完全体で見つかる事の無い種類です。立体的に保存された尾部は、観察するととても保存が良く、彫が深い美しい姿をしています。
Lower Devonian Acastoidea,Phacopina,Phacopida TRI-310 BelénTrilobites