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Malvinella buddeae
入手時は、Calmoniidae(科)の一種という名称で学名不明でした。ノジュール中に埋もれるデボン紀ボリビア産の三葉虫は、見た目が同じように見えてしまうのですが、Malvinellaは一目で区別ができます。それ程、密に生えている訳ではありませんが、全身が棘で覆われていたと思われる突起が確認できるからです。大きくならない種類でありますが、ノジュールという産状であり、棘として取り出す事ができないのですが、実物はもう少し長くて細い棘が生えていて派手な種類だったと想像できます。 [Left side:Negative,Right side:Positive]
Middle Devonian Calmoniidae,Acastoidea,Phacopina,Phacopida TRI-267 BelénTrilobites
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Asteropyge eonia
ベルギー国境に接するヴィルー・モルハイン(Vireux-Molhain)にはデボン紀の地層があり、周辺のドイツ、ベルギー、などと共通のデボン紀の三葉虫が産出します。現在は国立自然保護区に指定され採掘はされませんが、多くの種類が確認されています。保存状態だけ見ると他のエリアには敵わないのは事実ですが、味わい深い焦げ茶の化石は、欧州の三葉虫らしい渋みを持っています。Greenopsは比較的多く産出しますが、本種を始め数が少ない種類は入手が難しい産地です。
Middle Devonian Calmoniidae,Acastoidea,Phacopina,Phacopida TRI-685 JemelleTrilobites
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Eldredgeia venustus
2000年位までは、Metacryphaeus cafferという学名で市場に出ていましたので、古くからのコレクターは、こちらの学名の方がしっくりくるかもしれません。デボン紀ボリビアの三葉虫の中で、最も多く採れる種類で、市場に出ている個体の9割くらいはこの種類の様に思います。他のボリビア産同様にノジュール中から産出しますが、やはり大部分は部分化石です。数が出るため他の種類と違い、全身が残った状態でノジュールから出てくる確立が高いだけです。この標本の様に風化していない状態ですと複眼だけでなく、体表面の顆粒など綺麗な状態で保存されています。 [Left side:Negative,Right side:Positive]
Middle Devonian Calmoniidae,Acastoidea,Phacopina,Phacopida TRI-22 BelénTrilobites
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Neometacanthus stellifer
Neometacanthusと聞くと三葉虫を収集している多くの方が、モロッコ産の同種が先ず頭に浮かぶと思いますが、元々はアイフェル(Eifel)から産出するこの種類に名前がつけられています。古くから研究されていたEifelと同じ時代で見た目もほぼ同じなモロッコ産は、比較的近年に知られるようになり、商業的に採掘されて市場に出てくるため、モロッコ産のほうが圧倒的に知名度があるのです。Eifel産自体が市場に出てくる事が稀で、一見ではモロッコ産に見劣りする、このNeometacanthusですが、完全体を手にすることは限られるのです。
Calmoniidae,Acastoidea,Phacopina,Phacopida TRI-323 Ahrdorf Gees,Eifel,GermanyTrilobites
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Metacanthina nsp.cf.munieri
記憶が正しければ2010年位だったと思います。突如として市場に現れた黄土色のMetacanthina、他にはParahomalonotusなど僅かな種類しか見られず、直ぐに市場から消えてしまいました。カサブランカ近郊で見つかるとの事ですが、モロッコに行った事があるので分かるのですが、通常三葉虫が多産するエリアは、アンチアトラス山脈東側のサハラ砂漠、大西洋沿岸のカサブランカとは車で1日は走らないとならない程の遠方の地です。何故ここだけポツンと産地があったのか分かりませんが、普通のモロッコ産と明らかに違う色合いや褶曲の影響を受けている標本は、コレクションするに当たり新鮮でした。
Devonian Calmoniidae,Acastoidea,Phacopina,Phacopida TRI-378 -Trilobites
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Asteropyginae gen. et sp. indet
モロッコ産を多く収集しているコレクターであれば、本種が近縁の何れの種とも同じで無い事に気付くでしょう。大きさは2cm程度と大きくはありませんが、尾部の棘がPsychopygeの様に長く、Metacanthinaの頭部を組み合わせた様な姿をしています。過去に多くのモロッコ産を見て来てはいますが、同じ種の個体は見かけず、デボン紀モロッコ産において最希少種の一つと考えます。 【標本リンク】 FFストア http://www.ffstore.net/detail/ncl_001.html
Middle Devonian Calmoniidae,Acastoidea,Phacopina,Phacopida TRI-646 -Trilobites