博物館について 2

初版 2024/06/28 18:25

改訂 2024/06/30 10:12

 続きです。

 文化庁のサイトでは、「博物館は,資料収集・保存,調査研究,展示,教育普及といった活動を一体的に行う施設」と説明されていました。ですから、博物館は色々な分野の資料を収集し展示や教育的な説明をする施設ということになります。公然の説明ですみません。だから、化石博物館など、化石に特化した博物館以外で、化石の展示が少ないな。なんて言うのは的を外れていると言う事です。(はい、私のことです)

 確かに化石に特化した博物館はありますが、(岐阜の金生山化石館や瑞浪市化石博物館など)化石が良く採れる産地の、その地域で採集された化石を展示することがメインの目的であり、金生山であれば古生代の付近の化石がメイン、瑞浪であれば新生代中新世の付近の化石の展示がメインとなり、外国産のしかも、三葉虫を多数展示している場所はかなり少ないと思っています。

 あと、三葉虫を収集されてる方はよくご存知ですが、近年の化石のクリーニング技術は、以前と比べかなり飛躍しています。特にモロッコ産が顕著だと思います。博物館の設立は、やはり高度成長自体に設立された所が多いはずです。そのため、三葉虫を購入された時期は、モロッコ産の三葉虫のクリーニング技術が未発達の時期に手に入れられたものが多く、今流通されている三葉虫に比べると、どうしても見劣りしてしまいます。(剖出技術が早くから進歩していたアメリカ産やノジュールを割ったままの標本はそれほど見劣りはしないのですが)

 と、外国産の迫力のある標本をたくさん見たい、芸術作品のようなクリーニングが施されている化石を見たいと思っても、日本にはそのような化石を展示している博物館は少ないと思っています。

 あと、多くはないですが博物館を見学した時に感じることが、博物館はお子さんをメインターゲットにしている。ということです。そのことについて問題があると言いたい訳ではないですし、教育の普及を掲げている以上、お子さんが勉強になる内容をしかも理解できるように展示するのは、大変有意義なことだと思います。

 ただ、休日に博物館に行くと当然お子さんが多いです。大人はお子さんを連れてきた保護者の方がメインとなり、子供そっちのけで展示物に夢中になっている保護者は見かけないです(笑)あと、若者のカップルも多いです。博物館は意外にデートスポットになっているんだと、ちょっとした驚きがあります。子供や若者がメインの場所では、当然大人は、子供達に楽しんでもらうように一歩引いて行動します。そのため、おっさん一人で博物館に行くと子供たちの邪魔にならないよう気を使ってしまいます。

 日本最大の国立科学博物館や子供よりも、むしろ大人がメインで楽しむトヨタの車博物館(両方行ったことはないです)などは、また感じが違うと思いますし、あまり行ったことがないですが、美術館などは大人や一人で入館している人も多いのではないかと推測はしています。それとも平日の博物館は子供さんは少ないのかも知れません。とにかく、大人が一人で行って、化石館賞もを楽しめる博物館は少ないのではないかというのが個人的な考えです。

  また、話が見えなくなってきましたが、大人が何回も足を運びたくなる化石を展示している場所はほとんど無いのではないか?という話です。ミネラルショーなど鉱物、化石の展示即売会は大人がメイン(子供さんも来ていますがお金を払うのは大人なので)ではありますが、今は化石を販売している会場は少ないですし、購入もしないのに一つのブースにはなかなか長居しづらいです。

 鉱物は今大ブームなので、東京の方には鉱物barなんて、鉱物見ながらお酒を飲める場所があるらしいです。ただ、三葉虫を見ながらお酒が進む~ なんて人はほぼいないと思うので、化石barは経営がなかなか難しいと思います。だれか化石を見ながらお酒を飲める場所を作って頂ければ通いたいです。ただ、私はお酒が飲めませんが 完。

最近化石が好きになり、集め始めました。
主に三葉虫とアンモナイトを集めていますが、気になる化石も集めています。
名称、産地等の情報は手に入れた時の情報を記載しています。
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    trilobite.person (orm)

    2024/06/29 - 編集済み

    どうしても博物館の標本はおっしゃる通り、モロッコものなどは昔のプレップなので見劣りしてしまいますよね。
    日本では三葉虫に関しては、博物館より個人の所有する標本のレベルが高いですね。特に名古屋の三葉虫コレクターである立松氏の、岐阜県博物館で開催の「三葉虫の謎」および「三葉虫の謎2」が国内最高レベルだったように思います。「三葉虫の謎2」が2015年開催でしたので、ぼちぼち「三葉虫の謎3」が来てほしいところです。
    化石barは収益上厳しいのかもしれませんが、マニアが、自分のこれぞという標本を持ち寄って定期的に開く博物館などがあれば、見応えがあるのじゃないかと妄想してしまいますね。いわばMuuseoのリアル版でしょうか。

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      トリロモト

      2024/06/29

      そうなんですよ。安価な入場料で化石を見せてもらって、文句を言うのはおかしいのですが、やっぱり今流通している化石に比べると見劣りしてしまいます。立松氏の三葉虫の謎3 是非とも開催してほしいです。
      中部、近畿には化石のコレクターだと秘密裏にされていない方が多そうなので、持ち寄りで展示するのは良いですね。持ち運びの破損が怖いですが。

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    Trilobites

    2024/06/29 - 編集済み

    博物館は公営の研究目的の役割は重要ですし、広く見学者を集い文化的普及の役割も必要ですが、集客により収入を確保していかなければ成り立たない現実はあります。自然科学系は複合的な総合博物館として成り立つかと言われれば、科博ですらクラウドファンディングのニュースが意外だった様に資金的には厳しい状況がある訳です。一分野に特化した例えば三葉虫を単体で扱っても、私設では大赤字でリピーターも限られるでしょうから、MUUSEOの様に博物館よりレベルが高いコレクションを無償で開示する方が、広く三葉虫の普及に役立つと思っています。開設者(オーナー)も自身のページに費用負担が掛からないというのも大きく、閲覧収入も求めていないので、MUUSEOのシステムには感謝しています。また、比較的小さい標本が多いため、ガラス越しに陳列されるより、モニターで観察する方が良く観察できる点もネットミュージアムの利点と言えます。

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      トリロモト

      2024/06/30

      詳細なコメントありがとうございます。博物館はその任されている使命が多くて大変だと思います。その割りに入場料は安いので、経営が成り立つのか?っていつも思ってしまいます。入場料が高いと入館者も減ると思いますので、難しいと思いますが。国の補助を増やすにも財源や批判で簡単に増やせないでしょうし、関係者の皆さんは大変ご苦労されていると思います。
       一分野に特化しても、今ブームで来場を見込める物でなければ集客は厳しいのであれば、三葉虫単独では厳しいんですね。確かにミューゼオで標本を展示すれば、無料で色々な方が三葉虫を楽しめます。私もtrilobitesさんや、ormさんなど色々な方がミューゼオやその他で、三葉虫の展示をして頂いたおかげで三葉虫の奥深さを知ることが出来ました。また、自分のコレクションを展示する場合も費用負担がかからないことは大変ありがたいです。あとは掲載する手間をどう自分でやりくりするかが大変なんですが(笑)
       たしかに自分で集めるようになって、写真だけで判断して手に入れることがほとんどのため、三葉虫は小さいな。と思うことが多いです。1cm以下の標本はガラス越しの陳列台で見てもなにかよくわからないと思います。
      破損の心配もないし、ルーペもいらないのでネットミュージアムが最も三葉虫の展示に適していると思います。
      ただ、実物の質感や立体感、標本の重さ、手触りなど実物でしかわからないことは持ち主の特権ということで。

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