特殊鳥類シリーズ第2集

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発行日:1983年(昭和58年)11月25日
ノグチゲラとシジュウカラガン
特殊鳥類とは「特殊鳥類の譲渡等の規制に関する法律」(1972年)によって保護されていた鳥類。1993年(平成5年)施行の「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」に吸収されたらしい。図案は郵政省のデザイナー(技芸官)森田基治氏によるとのこと。

ノグチゲラは分類:キツツキ目キツツキ科、学名:Sapheopipo noguchii。沖縄島北部の山林、通称「ヤンバルの森」だけに生息するキツツキの仲間。1属1種の日本固有種で1970年には沖縄県の鳥に、1977年には国の特別天然記念物に指定。体は約30cm、全身黒味の強い黒褐色、翼や尾はほぼ黒色。雑食性では樹木の幹や枝につく昆虫や、林床の多足類やクモ類などの動物質、タブノキ、ハゼノキ、アカメガシワ、キイチゴ類の果実などの植物質を食物にする。4月頃、イタジイ、タブノキなどの枯れ木や半衰弱木の幹に、口径約7cm、深さ約50~60cmの巣穴をあけて営巣する。戦後、生息地の原生林の伐採、林道やダムの建設、農地開発が進み、生息環境が縮小、分断化され分布域が後退し、現在も限られた地域でしか生息が確認されていない。また、ジャワマングースや捨てられて野生化したノネコなどの外来種による捕食が確認されているほか、近年沖縄で増加しているカラスにノグチゲラの巣やヒナが襲われる様子が頻繁に目撃されるようになった。 環境省では、保護のための取組として、鳥獣保護区の指定や、保護増殖事業による生息密度や繁殖状況の把握を行っている。(環境省のサイトより抜粋)
日本のレッドデータ検索システムでは絶滅危惧ⅠA類(CR)(2023年1月現在)。

シジュウカラガンは、かつては非常に多く日本に飛来していましたが、繁殖地であるアリューシャン列島と千島列島の繁殖地の島々では、羽毛の採取目的にキツネを放す取組が20世紀の初頭に行われ、キツネの捕食により日本への飛来は消滅状態となりました。その後、狩猟が禁止されたことや、日本でのシジュウカラガンの羽数回復事業が日・米・露の研究者等により1983年から実施され、試行錯誤の結果、繁殖地での放鳥等の取組によって日本への飛来数の増加につながっていると考えられます(環境省のサイトから抜粋)
日本のレッドデータ検索システムでは絶滅危惧ⅠA類(CR)(2023年1月現在)。

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