特殊鳥類シリーズ第1集

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発行日:1983年(昭和58年)9月22日
シマフクロウとヤンバルクイナ
特殊鳥類とは「特殊鳥類の譲渡等の規制に関する法律」(1972年)によって保護されていた鳥類。1993年(平成5年)施行の「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」に吸収されたらしい。図案は郵政省のデザイナー(技芸官)森田基治氏によるとのこと。

シマフクロウは分類:フクロウ目フクロウ科、学名:Ketupa blakistoni blakistoni。大型のフクロウの仲間で、オホーツク海沿岸マガダンから日本海沿岸のロシア沿岸地方及びサハリン南部、国後島と北海道に分布。現在の生息範囲は道東と道央に限られている。体は約70cm、長く幅広い耳羽をもち、翼は幅広く、尾羽は短い。体は灰褐色で、黒く細かい縞模様があり、全体にまだら模様の複雑な色彩をしている。大木の樹洞で営巣し、2~3月にかけて、1~2卵を産卵。ヒナは孵化してから約60日間で巣立つが、翌年の2月頃までは親のなわばり内で給餌を受ける。行動範囲は広範囲だが、定着性がとても強く、ほとんど生息場所を変えることがない。天然林の伐採により大木の樹洞が減り、営巣することが困難になってしまったことや、エサとなるサケやマスが漁業によって減ったことで、生息数が減少したと考えられている。1984年以来、環境省では冬期の人工給餌や人工巣箱の設置などの保護増殖事業を行っている。保護増殖事業で行われている標識調査の結果から、平成29年度時点で約165羽が生息していることが推測されている。(環境省のサイトより抜粋)
日本のレッドデータ検索システムでは絶滅危惧ⅠA類(CR)(2023年1月現在)。

ヤンバルクイナは分類:ツル目クイナ科、学名:Gallirallus okinawae。全長約 35cm、無飛力のクイナとしては世界でもっとも北に分布する。沖縄島北部のやんばる地域のみに生息する日本固有種。1981 年に発見、新種として記載された。1990 年頃から生息域に侵入してきた外来種マングースの影響などにより、分布域と個体数を減じており、推定個体数は 1986 年の 1,500~2,100 羽から、2005 年には 580~930羽と約60%の減少となっている。出現範囲が100k㎡未満と推定され、個体数とともに過度の減少が見られ、さらに継続的な減少が予測されることから CR(絶滅危惧 IA 類) に改めた。外来種の駆除事業と人工増殖計画が進められている。(改訂レッドリスト付属説明資料(平成22年3月)より)
日本のレッドデータ検索システムでは絶滅危惧ⅠA類(CR)(2023年1月現在)。

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