白亜紀の海底を求めて
初版 2021/11/07 19:24
改訂 2021/11/09 18:36
山中地溝帯と呼ばれる、長野から群馬を抜け埼玉に至る、白亜紀の地層があります。40年に渡り、化石を採取されている方の個人展示会があったので訪問しました。
採取からクリーニング、そして図録作成までこなす、化石収集家の最高峰の方です。古生物学はアマチュアが科学に貢献できる分野である事を示す良い例です。
ずらりと並ぶ、白亜紀前期の汽水域から海洋域に至る標本箱たち。
異常巻アンモナイト、オードリセラス。北関東でこの様な化石が採れる事に驚きです。不思議な形をしています。
ジュラ紀から白亜紀にかけて大繁栄した二枚貝、トリゴニア(三角貝)。水管(アサリだと殻の間から二本出ているアレ)がなかった模様で、砂に完全にもぐりこめない故に、他の二枚貝との競争に負けたのではないかとされる示準化石です。
鋭い縁がまるで牙の様に見える、ラステルムというカキの仲間。貝やサンゴに固着して暮らしていたと考えられます。クリーニングが難しく、稜が欠けないようにするにはなんと1か月もかかった標本もあるとの事です。
ゲルヴィラリアと呼ばれる、不思議な形をした二枚貝です。左上に小さな「前耳」があり、右横に「三角形の翼」がある、ジュラ紀から白亜紀にかけて生息した絶滅種です。
普段は古生代化石しか見ていないので、勉強になりました。
来春、福島県の博物館にて、アンモナイト展覧会のブースの一翼を担うとの事、楽しみですね。
#2021
#参考
#化石
Trilobites
2021/11/09 - 編集済み化石は自分で採取して自分でクリーニングして、管理もしっかりする、これが王道であって、私みたいに買うだけとは同じ化石収集家としてのレベルが全く違うものだと思います。近年は規制等も厳しくなり簡単に採取できる場所も少ないとは思いますので、この趣味自体が下火になっていく気がしております。
2人がいいね!と言っています。
tatsutoy
2021/11/09コメント有難うございます。当日ホストを含め、訪れていた収集家のお話を色々伺うと、その大変さがわかりました。採取時は危険と隣り合わせで、かつ私有地ですと土地の所有者との交渉も必要な場合もあるそうです。クリーニング時は石を切る騒音に配慮しなければいけない方もいらっしゃいました。ただ、近年、新たに化石採取を趣味として始める方もいらっしゃって、ハンマーの製造元や、タガネの焼き入れの話しを聞いていると、「化石採取は奥深い」と驚嘆しながら拝聴していました。
2人がいいね!と言っています。