「にゃんぱらり!」キャット空中三回転~津軽捻り塗 江戸期 三段重
初版 2022/08/16 16:30
改訂 2023/01/08 14:01
江戸期の津軽塗と思われる八寸の三段重です。これだけの大きさですと五段のものが多いので、何段か逸失した可能性があります。それぞれ三段とも高さが違います。
この写真サイズでは黄色地に青漆と赤漆で模様を付けたようにしか見えません。模様は各段連続しているようです。
一見すると私達の知る津軽塗には思えません。
重蓋を見ても何か不思議な模様ですね。
木地は若狭塗並みに薄く丁寧な作りです。全く狂いはありません。
遠目からは海の波涛のようにも見えます。
「組み合わせ角」のような家紋です。
八寸重でこの木地の薄さは凄いです。昭和の重箱の殆どはこの二倍の厚さになります。
重縁にも丁寧な変り塗がなされています。
黒の底にも家紋が入ります。最下段には二方桟がありませんので、初めからこの段が一番下だったことになります。
模様を拡大するとこんな風になっています。紐を交叉させて変り塗をしているのです。
さらに拡大して改めてこの模様の複雑さが分かります。とても面倒な手間の掛かる変り塗だと思いますが、江戸期の津軽塗の塗見本の中にこれとほぼ同じ模様がありました。ニャンコ先生もこの捻りにはビックリです。
若狭塗同様、津軽塗の頂きもはるかに遠く、まだまだ全貌が見えません。
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