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『宮沢賢治 銀河鉄道の夜』DVD
宮沢賢治の遺作『銀河鉄道の夜』を原作とした、1985年制作の劇場アニメーション作品。 ブルーレイディスクも発売されていますが手元にあるのはDVDになります。 原作は未読なのですが、本作の大きな特徴として主人公ジョバンニと友人カムパネルラをはじめとして、登場人物のほとんどが猫の姿で描かれていることが挙げられます。 童話原作のためか、文部省特選ということで(猫の姿という人物造形含め)児童向け作品のような印象を与えてくるのですが、内容自体は死生観や宗教観が交わる、かなり難解で複雑な作品です。 作品解説等に触れてから見るといろいろな気づきも出てくるのですが、観る人によって解釈が分かれるのではないでしょうか。 ボイスキャストは脇に至るまで錚々たる面子が揃っているので、耳が飽きることはありません。 大塚周夫さんは鷺を捕えてクッキー(?)にしている鳥捕りという役。 燈台守の常田富士男さんとの芝居は聴きどころです。
アニメ映画 KADOKAWA 2019年qqtys
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『ストリートファイターII MOVIE』北米版BD
1994年公開の劇場アニメーション作品。 格闘ゲーム『ストリートファイター』の世界観、キャラクターで製作されていますが、ストーリー自体は完全にオリジナル。 (ゲームシリーズにもストーリー設定が存在します) ストーリーはほぼ有って無いようなものなので、実質ゲーム愛好家向けのファンムービーでしょう。 監督は『銀河鉄道の夜』などの杉井ギサブロー。 プライムビデオ等で配信されているのはHDリマスター版ですが、国内はDVD発売のみ。 HD画質で手元に置くためには海外盤を購入するしか現状ありません。 格闘シーンはもちろん誇張はあるものの、リアル指向な作画と演出で、MEもアニメとは思えないほど地味です。 また、キャミィの技など一部のモーションはゲームに逆輸入されています。 おすすめの対決はシャワーシーンから始まる春麗VSバルログですね。 お互いに本当に痛そう! 大塚周夫さんはシャドルーという悪の組織の科学者という作品オリジナルのキャラクターを担当しています。 しかし本作のキャスティングで一番の目玉は、悪の親玉ベガを演じている日下武史さんでしょう。
アニメ映画 Discotek Media 2023年qqtys
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『アッセンブル・インサート』DVD
1989年の当時流行だったOVA(オリジナル・ビデオ・アニメーション)作品。 漫画版『機動警察パトレイバー』や『究極超人あ~る』で有名なゆうきまさみ原作。 なんというか、当時のオタク向けアニメ作品の一本で、超人的な力を持つ女子中学生がアイドルと正義のヒロインとして大活躍という完全に破綻した設定とストーリーです。 (このノリが好きな方には申し訳ない!) 大塚周夫さんはというと、例に漏れず少女と対立する悪の組織の親玉というポジション。 ちょい役ですが、部下の一人として大塚明夫さんが出演しているので、かなり初期の親子共演作です。
アニメビデオ バンダイビジュアル 2020年qqtys
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『北京の55日』BD
1963年アメリカ製作。 ニコラス・レイ監督。 1900年清国で起こった義和団事件を描いた歴史スペクタクル大作。 主演のアメリカ軍人はチャールトン・ヘストン、彼と共に義和団に立ち向かうイギリス公使はデヴィッド・ニーヴンとこちらも豪華。 当時日本も欧米列強とともに駐留していたため日本陸軍の軍人も登場し伊丹十三が演じています。 ラストシーンの盛り上がりは音楽と合わさってかなりのもの。 歴史大作に相応しく映画も160分と長いのですが、収録されたNET版吹き替えも拡大枠のものが収録されているのがありがたい。 大塚周夫さんはヘストン演じる米軍人の部下役であまり出番はありませんが、ヘストン(もちろん納谷悟朗さん)と被災孤児の扱いで絡むシーンが素晴らしい。 他作品でも多くありますが、大塚周夫さんと納谷悟朗さんの絡みは芝居の噛みがピッタシで、何度聞いても飽きません。
映画ソフト ハピネット ジョン・アイアランドqqtys
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『暴力脱獄』
1967年アメリカ製作。 スチュアート・ローゼンバーグ監督。 収監された囚人達を不当に扱う刑務所に屈せず、そこから脱走を試みる男の反骨精神を描く、いわゆるアメリカンニューシネマに数えられる作品。 主演はポール・ニューマンで、主人公の姿がどこかキリストに重ねられるような演出が見られるのも印象的です。 BDにはテレビ放映時の吹替え版を収録。 ポール・ニューマンはこの他にも何本も彼をあてている川合伸旺さんで、決して屈しない主人公の姿に惚れこんでいく相方役のジョージ・ケネディはこちらも複数担当している富田耕生さん。 大塚周夫さんはやはりというか、本作中の悪の権化である刑務所所長役。 俳優はストローザー・マーティンで、迷作『怪奇!吸血人間スネーク 』でも担当されています。
映画ソフト ワーナー・ホーム・ビデオ ストローザー・マーティンqqtys
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タミヤ 1/350 日本海軍戦艦 大和(旧版)
田宮模型(現タミヤ)の1/350スケールの戦艦大和です。 2011年に発売された新版ではなく、モーターライズ仕様にもできる旧版の方。 入手したのは中古店で見つけた未開封の当時品ですが、なんとリニューアル版が出た現在でも新品で入手可能、しかもお値段はずっと手ごろで、タミヤの良心を感じます。 それに古いキットゆえにパーツは少なめで、初心者の私にも非常に組み易く、しかも出来上がれば迫力満点。 毎日1時間ちょっと作業して、一か月程度で完成。 正直1/700のフジミのキットよりも作るのはずっと楽でしたね。 ディティールアップパーツの類は一切使用せず、キット付属のパーツだけで組みました。 自分の力量をわきまえて、防水布や甲板もグレーにして色数を減らしてコントラストを抑え、墨や汚しも入れず、初めて作業した張線の本数もかなり少なくしてあっさり目に仕上げています。 スケールモデルはネット上だと腕に覚えのあるヤバい先達の方々の作品ばかりがヒットするので、こういう素人工作の例を見て安心する人もいるだろうと、今回敢えてコレクションに載せてみました。 艦体色は佐世保海軍工廠色、木甲板はガンシップグレイとちゃんとマスキングして塗り分けたんですが、実物でも写真でもほとんど違いが出ず。 艦底色はキャップの色味が気に入ってタミヤスプレーのマイカレッドを買ってきたんですが、ラメ入りだと知らずに吹いたものだから、いきなりツヤツヤキラキラしてきてびっくり。 塗り直すのもあれなのでそのままにしたのですが、グレーの甲板と相まって宇宙戦艦の方を彷彿とさせる仕上がりになってしまい、複雑な気分に。 わざわざマスキングまでしたのに木甲板をグレイに塗ったのは、兵器としての無機質さを出したかったからというのもあります。 ハワイで実物の戦艦ミズーリに乗船したときにも、もちろん木甲板だし豪華な内装の部屋なんかもあるんですが、あくまで印象に残ったのは灰色一色の兵器としての無骨で巨大な外観でした。 本来の艦船は兵器であると同時に立派な建造物でもありますが、今後も自分は木甲板をタンで塗る気持ちにはなれないような気がしています。
プラモデル タミヤ リサイクルショップqqtys
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キネマ旬報1998年10月上旬/下旬号
映画情報誌『キネマ旬報』の1998年10月上旬号と下旬号。 連載企画「ヴォイス大百科」の第14回、第15回のゲストが大塚周夫さんです。 『とり・みきの映画吹替王』や『僕らを育てた声 大塚周夫編』が出ている現在となってはあまり目新しい話はありませんが、 「お客が役を見て、そこに(演じ手である)自分の地が出ていると思わせるのが楽しみ」 という話は、大塚さんがどのようなアプローチで役を演じていたのかがよく伝わってくる部分だと思います。
映画雑誌 キネマ旬報社 2023年qqtys
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『現金に体を張れ』BD
1956年米国作品。 監督はスタンリー・キューブリック。 『2001年宇宙の旅』『シャイニング』などで有名なスタンリー・キューブリックによる犯罪映画作品。 競馬場の売上金強奪を企む男達の計画立案から実行、破滅までを描いています。 BDにはテレビ版吹き替えも収録されています。 主演は同監督作の『博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか』でも抜群の存在感を放っていたスターリング・ヘイドン。 吹替えも同作でヘイドンを担当した家弓家正さんなのが実に嬉しい。 大塚周夫さんは強盗団に加わるスナイパー役の男。 この男が実にいやらしく、狂気を孕んだ不気味な雰囲気の持ち主で、この頃の大塚さんにぴったりでした。
映画ソフト アイ・ヴィー・シー ティモシー・ケリーqqtys
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アイデン Veda-5
アイデン製の12cmフルレンジスピーカーシステムVeda-5です。 『無線と実験』1972年11月号と『電波科学』1973年1月号に試聴記事が掲載されており、アイデンの自社ブランド展開とほぼ同時期に発売されたモデルのようです。 同社のスピーカーシステムとしてはこちらの上位モデルであるVeda-5aの方が有名。 Veda-5aが未入手なのであくまで調べた範囲ですが、 ・型番(SY-0502-00 <-> SY-0501-00) ・搭載ユニット(AF-50X <-> 50S) ・箱の仕上げ(シナ合板突板仕上げ <-> シナ合板半艶塗装仕上げ) ・背面端子(バネ式 <-> ネジ式) ・正面開口部の高さ(62mm <-> 50mm) ※初期型では同様? ・重量(6.5kg <-> 5.2kg) というような違いがあります。 本来ならば保護グリルと正面に銘板がついているのですが、入手品は欠落していました。 試聴記事によると当初の販売価格は11,800円で、当時としても安すぎです。 さすがに赤字だったのか、ネットで見かけた販売カタログ上では15,300円に訂正されていました。 1976年時の50S単体価格が8,400円、後年発売されたほぼ同じ仕様のスピーカーボックスKB-12が販売価格7,900円なので、KB-12は実質Veda-5のユニット無し版だったと言えそうです。 当時の雑誌から推測するに販売時期は1972~1973年と思われるのですが、1974年のアイデンカタログおよび『HI-FI STEREO GUIDE '74-'75』には掲載されていませんので、かなりの短命製品だったようです。 (逆に上位モデルのVeda-5aは改良を加えて10年近いロングセラー商品でした) もっとも、ユニットとボックスをそれぞれ入手すればまったく同様の構成が容易にできたので、あくまでシステムとしての販売が短かっただけと言えます。
オーディオ機器 アイデンqqtys
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『哲也 逆転のセオリー』
原案:さいふうめい、漫画:星野泰視により週刊少年マガジンで連載された『哲也-雀聖と呼ばれた男』のガイドブックです。 恐らくアニメ版の放映に合わせて発売されたのでしょう、アニメ版のアフレコレポートとキャストインタビューも収録されています。 房州役の大塚さんが火のついてない煙草を咥えながらアフレコしていたこと、主人公の哲也とほぼ同世代として戦後の混乱期を経験していた上での発言など、短いながら非常に興味深いものがあります。 キャストの集合写真が掲載されているのですが、大塚さんとナレーションの青野武さんが並んでいるのがファンとして嬉しいところ。 若い頃ならまだしも、お二人とも後年は役柄が被ることもあってあまり共演されている印象がないので、凄く珍しいと思います。 アニメ版『哲也』での房州役は、アニメにおける役者・大塚周夫の集大成だと思っていますので、ぜひご覧になってください。
漫画 講談社 2000年頃qqtys
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『アニメ版 ゲゲゲの鬼太郎 完全読本』
2006年に講談社より発売されたアニメ版『ゲゲゲの鬼太郎』のガイドブックです。 発売時期が第5シリーズ開始より前ですので、まとめられているのは1968年の第1シリーズから1996年の第4シリーズまで。 登場した妖怪百科や用語辞典、ねずみ男の金もうけ一覧なんてコーナーまで載っています。 アニメ第1~第4シリーズまでの主キャストへのインタビューも掲載されており、もちろん初代ねずみ男である大塚周夫さんもあります。 後々ねずみ男関連のインタビューは『墓場鬼太郎』開始に合わせて増えていくわけですが、ここでは『墓場』放送前であることもあり、話はねずみ男に拘らない芝居論にまで展開していきます。 (大塚さんの言に、過去に演じた海原雄山の「人を感動させられるのは人の心だけ」という信念に通じるものがあって面白い) 「役者じゃない自分なら、一日もいらない」というインタビュー中の言葉を有言実行してしまったことに、ファンとして大変複雑な気持ちにさせられます。
ムック本 講談社 2006年qqtys
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『ヤング・ゼネレーション』
1979年アメリカ制作。 ピーター・イェーツ監督作品。 アカデミー脚本賞も受賞した青春ドラマ映画。 若者4人の声優が池田秀一、玄田哲章、鈴置洋孝、中尾隆聖というのが時代を感じさせます。
映画ソフト 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント ポール・ドゥーリイqqtys
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『リトル・ニッキー』
2000年アメリカ制作。 スティーヴン・ブリル監督作品。 魔界の王サタンの息子が主人公のコメディ映画。 なんとオジー・オズボーン本人が出演しています。 ハーヴェイ・カイテルに大塚周夫、クエンティン・タランティーノに広川太一郎と、キャスティングが『フロム・ダスク・ティル・ドーン』と被っているのが興味深い。
映画ソフト 東芝デジタルフロンティア ハーヴェイ・カイテルqqtys
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『007 慰めの報酬』TV放送吹替キャスト・新録版
2008年イギリス・アメリカ制作。 マーク・フォースター監督作品。 こちらに収録されている吹き替え版は少し特殊で、地上波放送時に吹き替えが新録されずソフト版が流用されたことから、日曜洋画劇場版キャストで新録したバージョンになっています。 ダニエル・クレイグの声優が小杉十郎太→藤真秀となっていますが、その後のソフト版が藤氏になってしまったのはなんとも…。
映画ソフト キングレコード ティム・ピゴット=スミスqqtys
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『声優アニメディア』2010年12月号
声優ファン向け雑誌『声優アニメディア』の2010年12月号。 当時、大塚周夫さんが出演されていた『ぬらりひょんの孫』に関連し、主役の福山潤さんとの対談に加えて、なんとツーショットピンナップ付き。 対談の中で福山さんが「周夫さんの芝居は想像通りのものが返ってこない」と語っていますが、これはファンの自分にとってもまったく同じでした。 十年以上も追いかけているから「こう来るだろうな」という予測を立てていても、周夫さんは想像とは違う芝居を見せるんです。 だからこそ、私にとって大塚周夫は史上最高の役者なのです。
アニメ雑誌 学研マーケティング 2010年qqtys