2021/12/8 Natural monument 芸西村西分漁港周辺 (住吉海岸 )のメランジュ
初版 2021/12/10 18:04
改訂 2022/09/07 12:44
公開日:2021/12/10
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◼️高知県指定天然記念物(平成13年3月27日昭和指定) 高知県安芸郡芸西村西分字西猫谷315番地先海岸
メランジュを一言でいえば「ぐちゃぐちゃした地層」です。砂岩・泥岩をベースに地質図に描けるほど大規模な凝灰岩・チャート・石灰岩・玄武岩(枕状溶岩)などを含んでいます。海底地滑りの堆積物(堆積性メランジュ)と考えられてきました。最近では断層運動による変形構造(構造性メランジュ)が成因の大勢を占めると考えられています。沈み込みプレート境界の化石です。
住吉海岸のメランジュは1億3000万年前の枕状溶岩と赤色チャート、8500万年前の凝灰岩、7000万年前の浅海成の泥岩で構成されています。赤道付近の深海底で噴出した溶岩は、同期に放散虫の死骸を大量に堆積し、更に遠洋性の粘土や火山灰を堆積しながら海溝に向かって移動します。海溝では大陸側斜面での海底混濁流による砕屑物の供給がタービダイトの成因です。沈み込みプレート境界の付加作用で剥ぎ取られ、後の隆起によって地表に現れた構造と考えられています。プレートテクトニクスを立証した露頭です。
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