2020/8/21 Natural Monument 飯久保の瓢箪石

初版 2020/08/26 08:00

改訂 2022/09/07 12:44

公開日:2020/08/26

◼️国指定天然記念物(昭和16年1月27日指定) 富山県氷見市飯久保字上野2840番地、同飯久保字後山51番、52番、同深原992番の1993番の1、994番の1、995番の1

仏生寺川左岸の飯久保地区の50m四方ほどのごく狭い範囲に分布しています。第四紀更新世に堆積した大桑層と薮田層との境界とされる十二町層の砂岩の一部が、有孔虫化石の石灰分により固められたノジュールと説明されています。瓢箪型や繭型の整った形は珍しいようですが、落ちている歪な岩片に塩酸をかけると激しく発泡します。CaCO₃により砂粒が固結しているのがわかります。

伝説では、上杉謙信が揺られる馬上で酒を飲もうとして、瓢箪からこぼれ落ちた酒の雫が瓢箪形の石になったとされています。

あいにく、有名な民家の庭の瓢箪石はお留守のため見学できませんでしたが、道路脇の石積みにありました。石材を入手しにくかった古い時代に建てられた家屋の礎石や、土盛りの一部に利用されていたようです。

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球状岩は世界的にみても非常に珍しい石です。
その産地は大変な山奥や無人島であったり、産出範囲が極狭く採り尽くされたり、ただ1個体の報告であったり、転石で露頭が不明であったりと、実際に採取することの困難な石だったりします。
確認された露頭の多くは国や自治体の天然記念物に指定されている場合も多く、その成因は解明されていません。

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