2020/6/28 Natural Monument 厳美渓

初版 2020/07/04 18:09

改訂 2022/09/07 12:44

公開日:2020/07/04

◼️国指定天然記念物(昭和2年9月5日指定)岩手県一関市厳美町

栗駒山を水源とする磐井川中流の渓谷です。須川岳噴火初期に噴出した石英安山岩質凝灰岩が急流にえぐられたポットホールが見所です。伊達政宗が「松島と厳美がわが領地の二大景勝地なり」と自慢していたそうです。対岸から籠で受け取るダンゴ屋さんでも有名です。

素晴らしい景観も「渇水期には生活排水の比率が上がることから淀んで匂い、昔に比べて水が少なくなった、少しの雨ですぐ増水する」といわれるのは上流の森林が荒れて保水能力が低下しているからでしょう。国産材が安い売れない。近年の水害の多くは拡大造林の結果による人工林の増大にもかかわらず、後継従事者不足と森林所有者不明による施業放棄で、人の介入した自然のコントロール不足が招いた結果、起こるべきして怒った災難なのかも知れません。上流部の森林荒廃は、中下流域の氾濫、河口・湾内域の漁業にも影響を与えてしまいます。

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球状岩は世界的にみても非常に珍しい石です。
その産地は大変な山奥や無人島であったり、産出範囲が極狭く採り尽くされたり、ただ1個体の報告であったり、転石で露頭が不明であったりと、実際に採取することの困難な石だったりします。
確認された露頭の多くは国や自治体の天然記念物に指定されている場合も多く、その成因は解明されていません。

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