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舟を編む
三浦しをんさんの小説 当然のようにたくさんの言葉が並び、意味が記されている辞書。その辞書を作るまでの、労力なんて考えたことありませんでした。 この小説のおもしろさは、誰もが当たり前のように使うものの完成に、人々の人生が捧げられているということだと思います。 辞書って地味なイメージでしたが、そこに込められた熱い思いは、体育会系と思うほどでした。 #三浦しをん #小説 #辞書
小説 紙ものその他 光文社bookworm
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嫌われる勇気
正直自己啓発本は苦手です。 「きれいごと言わないでよ!」なんて思ってしまって、自分のひねくれ具合をさらされて、余計につらくなってしまいます。 そんな私でも、全く新しい発想だけど、無理なくストンと受け入れられる、行動ではなくて自分の考え方を変えられる本でした。 例えば、「人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである」なんて思いついたことありますか? この本は、哲学者と悩み多き青年の問答が続きながら進行していきます。 青年と一緒になって、哲学者に疑問をぶつける気持ちで読み進められるのも楽しいです。 #アドラー #心理学
心理学 自己啓発本 ダイヤモンド社bookworm
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綿の国星
大島弓子さんの作品。 とにかくチビ猫がかわいい。 ふわふわの髪の毛、くりくりの目、そして新しく発見したものに対する好奇心とリアクションの大きさは、本当にかわいらしく魅力的です。 他に登場する猫たちもキャラクターが濃くて個性的。 作品中では人間のような姿で登場する猫たちと、こんな風に現実でも話せたら面白いだろうなと思います。 #大島弓子 #少女マンガ #マンガ #漫画
マンガ 少女マンガ 白泉社bookworm
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トーマの心臓
萩尾望都さんの作品。 一度読んだとき、登場人物たちの苦しみや愛の意味が分からず、何度も読み返しました。 作品冒頭で死んだ少年は何を想って死んだのか、登場人物たちが何に苦しんでいるのか、正直読んでいる間中わからなくて、一緒に思い悩んでいた気がします。 きれいなだけじゃない、でも救いはある、という世界にモヤモヤしながらも、救われた部分もありました。 作品の意味をより深く考えていくために(完全に、というのは無理だと思います)、これからも読みこんでいきたいです。 #萩尾望都 #マンガ #漫画
マンガ 少女マンガ 小学館bookworm
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日本語の古典
古典文学を読んだことのない方にこそ読んでほしい一冊。 私自身、原文を読むための知識がないので内容を全く知らない古典文学作品も多々あるのですが、それでも読んでいておもしろかったです。 例えば、誰もが知っている『竹取物語』。 筆者は言葉遣いに注目して紹介しています。 原文の荒々しく野蛮な言葉遣い、かぐや姫の固い言葉遣い、知っている話でもそんなイメージあったでしょうか? 固くて難しいイメージの古典文学でしたが、その魅力を一気に知ることができた本でした。 #古典文学 #日本 #新書
古典 岩波書店bookworm
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塩の街
有川ひろさんの小説。 突如塩(一体何か分からない、塩害にあったときの治療法が分からない)が世界を埋め尽くす、という状況がここまでひどくはありませんが、コロナウイルスが蔓延し始めたときの戸惑いと似ている気がしました。 登場人物たちの心の動きや、身近な人たちへの想いからでる力は、不穏なニュースを多く耳にする今だから、より一層胸に刺さりました。 #有川ひろ
小説 角川書店 書店bookworm
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足をどかしてくれませんか
ジャーナリストや研究者、エッセイストの方々が、女性としての体験からメディアのあるべき姿について語る本。 男女平等・多様性を受容する社会に向けての動きが高まる中で、その動きを牽引するのは誰かを考えた時、国や企業が浮かびますが、社会全体を変えるとなると、メディアの力はとてつもなく大きく感じます。 メディアに影響されて、いつの間にか植え付けられていた固定概念を、「それって当たり前じゃないよね?」って気づかされる内容でした。 ジェンダーは女性の学問と捉える人が私の周りには多いのですが、それは誤りで、男性ももちろん関わる問題ですし、どんな人にも読んでもらいたいなと思いました。 #ジェンダー #メディア
ジェンダー 本 亜紀書房bookworm
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ぼくのニセモノをつくるには
ヨシタケシンスケさんの絵本 じぶんってなに?を楽しくおもしろく考えられる本 子供のように柔軟で突拍子もないけど細かい設定が魅力的で、絵本の隅から隅まで読んでしまいます。 かわいくてユーモアのあるイラストで「ふふふ」という笑いとともに、「こんな角度から見られるなんてほんと羨ましいです、ヨシタケさん。」という気持ちで読んでいます。
絵本 ブロンズ新社 書店bookworm
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独立記念日
原田マハさんの小説 タイトルの「独立記念日」という言葉に惹かれて読みました。 現状何不自由なくても、目の前のことに追われてそれをこなすばっかりで、楽しくないなぁどこか(場所は分からないのですが、)ににげたい!と思う時が時折あります。 そんな時にこの本にある 「『自由になる』っていうことは、結局『いかに独立するか』ってことなんです。ややこしい、いろんな悩みから」 というフレーズを思い出すと、「よし、独立宣言だ!」と気持ちだけでも上向きになれます。(単純かもしれないですが思い込みが大事だと思っています)
小説 PHP研究所 書店bookworm
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十二単衣を着た悪魔
内館牧子さんの小説 二流男の伊藤雷が源氏物語の世界にトリップしてしまう物語。 雷が手を組むのが弘徽殿女御、というのが1番のおもしろさだと思います。 自分のイメージでは、弘徽殿女御=意地悪で嫌な女性でしたが、この小説を読むと、女御の苦労や息子への愛情が伝わり、イメージがガラッと変わりました。 雷も作中で話していましたが、高校時代、文法だけではなくて源氏物語の面白い部分をもっと教えてくれればよかったのに!と思ってしまいました。
小説 幻冬舎 書店bookworm
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アイネクライネナハトムジーク
伊坂幸太郎さんの小説 章によって次々と物語の中心人物が入れ替わっていくのが魅力的。全く知らない人が突然登場する訳ではなくて、それぞれの人物が、何かしらの関係(家族、先生、友人、友人の友人、会社の人、、)を持っているのもおもしろさの一つです。 世間の狭さも感じますが、そこから現実との近さも感じます。 何か悪いことがあっても、いいこともちゃんとあって、それの大きさは小さくても、「明日もなんとかいけそうだ」と思える作品。 人間って案外ポジティブかもしれないとも思いました。
小説 幻冬舎 有隣堂bookworm
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植物図鑑
有川ひろさんの小説 「お嬢さん、よかったら俺を拾ってくれませんか。」 と声をかけられてイケメン(いつき・植物オタク)を思わず拾う主人公(さやか) なんて有り得ないと思ってしまう場面からスタート。 雑草と呼ばれてしまうような植物がたくさん登場するのですが、小説を読んでいると自分までその植物たちへの思い入れが積み重なっていきました。
小説 幻冬舎 2014bookworm
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図書館戦争
有川ひろさんの小説 中学生の頃出会って、チャイムに気づかないほど夢中になった小説。 1巻はもうボロボロだけど、1番表紙が好きで変えることができません。 登場する教官たちがかっこよくて、「今でてきて!」っていうタイミングで必ず助けに来てくれるのが魅力的で、少女マンガを読む以上に盛り上がったことを思い出します。 マンガを持ち込めなかった中学生時代は、小説でよかったぁ!っと思っていました。 図書隊は存在しないけど、本当にいるの!?って勘違いするくらい細かな設定や描写、情報や言葉に対するメッセージは、今になっても胸にささるし、飽きずに何度も読み返せる理由だと思います。
小説 角川書店 書店bookworm
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愛なき世界
三浦しをんさんの小説 「愛なき世界」ってどんな世界だろう?とタイトルに惹かれて読みました。愛なきっていうくらいだから、無機質な感じかな?でもそんな世界は三浦しをんさんの小説のイメージにないな、と内容が想像できず、読む前はソワソワしてました。 読んでみると、「愛なき」どころか愛に溢れた世界。 研究に没頭する研究生たちの植物への愛情は、こわいと思ってしまうけれど、凄まじい熱量で向き合える何かがあることに羨ましさも感じました。
小説 中央公論新社 丸善bookworm
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本日は、お日柄もよく
原田マハさんの小説。 私が原田マハさんの小説にハマるきっかけとなった個人的には思い出の詰まった本。 主人公のこと葉は、小説の冒頭でスピーチライター久遠久美によるスピーチに出会います。 こと葉はそのスピーチに感動し、衝撃を受けることをきっかけに物語が進んでいくのですが、 読んでいる私自身、こと葉と同じように胸を打たれました。 「言葉にするとなんか思っているのと違うんだよな」と私はよく悩むからか、 スピーチを見て 「その人の込めた思いをここまで伝えられることができるなんて、すごい!!」 という感動と憧れでいっぱいになりました。 こと葉と同じくらいの熱量で、小説と向き合って読み進めたんじゃないかなと思います笑
小説 徳間書店bookworm