勾玉

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お守りとして身につけているブレスレットを構成する勾玉たち。

左端は糸魚川翡翠で、先ごろ「国石」に指定された。古くから玉の材料として珍重されたことで知られるが、実は翡翠より青の濃い「出雲石」の登場とともに歴史から姿を消した。昭和初期になって「再発見」されたことがこんにちの隆盛の源である。
右2個は所謂「出雲石」で、島根県玉造温泉近郊の花仙山から産出される碧玉(瑪瑙)である。出雲石は生命を象徴する深い緑をたたえ、その色味などから大和政権に珍重されて古墳時代以降、玉の主要な原料となった。
左から2番目は隠岐島黒曜石のもの。石器の材料として隠岐島も一大山地として知られ、出雲大社の御神鏡になったとも言われる。

それぞれ製造元が異なり、右端のものは「出雲勾玉」の唯一の製造工房として知られる めのや製。同社は皇室や出雲大社宮司千家氏への献上品も調製している。形状もこれぞ「正統」という形である。20ミリ。
真ん中2つは松江の瑪瑙細工の老舗めのう川島の手による物。同社の物はぷっくりとした柔らかな膨らみが特徴で、確かな素材で豊かな品を作っておられる。川島の出雲石は色が濃く、非常によい作りである。18ミリ。また黒曜石のものはクラックなど一切無く、艶やかな深い黒(厳密には濃い珈琲のような色)をたたえている。
左端の翡翠のものは一般流通品で、上記3つに比べると造形の差は歴然である。

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