掘出しもの

初版 2019/03/08 14:54

改訂 2020/07/05 01:03

 ここに載せている品物はちゃんとしたアンティーク店で購入したものもあれば、某ネットオークションで落札したものなどもあります。それ以外には、毎月一度の地元の骨董市にちょくちょく出向きます。

 骨董市などには、傷みのある品物(疵物)が多くあります。キズゆえに安価であり、自分の手に負える修理で再生できる場合は「掘出しもの」となることがあります。例えば先日購入した古い椅子は、ぼろぼろの座面を張替え、蜜蝋を塗り込んで再生しました。こうした再生までのプロセスもなかなかに楽しいものです。

 今まで一番印象深い「掘出しもの」は、一本の万年筆です。2年程前、骨董市にたまに出店しているうぶ出し屋の店頭でインクで真っ黒になったペンを手に取りました。その時、白い星を象った特徴的なマークが目に入りました。キャップを開けてみるとペン先がありません。「あぁ、残念。」と思いましたが、よく見ると軸の内部にペン先が見えます。もしかしたらと軸の尻をそっと回すと見事にペン先が出てきました。他の客を相手にしていた店主から「500円でどう?」と声が掛り、すぐさま購入しました。代金を払いながら話を聞くと、どうも店主はペンのメーカーも、ペンの機構も知らない様子です。


なんだか申し訳ない気分になりました…。


軸にはスレや傷が多数あり使い込まれた様子です。しかし丁寧に使われたのかペン先は美品そのものでした。これはさすがに素人修理は無謀と判断し、東京の万年筆修理店に修理依頼しました。書き心地は柔らかくスムーズで、お気に入りのペンとなっています。こうした掘出しものや発見は骨董市の醍醐味と思います。


MontBlanc 【No.2k safety】gold plated  1920年代




#思い出

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M.S

主に戦前のノベルティーコップやイギリスのグラス、富山県の焼物「越中瀬戸焼」など、心の琴線に触れたモノたちをコレクションしています。渋いモノや古くて可愛いモノ、郷愁を感じるモノに心惹かれます。ミュージアム名は「森尻屋」。実家の屋号です。

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    0214seiji

    2019/03/08

    モンブランが500円とは凄い掘り出し物ですね。^_^

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      M.S

      2019/03/08

      後にも先にもこれ一度きりと思います 笑

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      0214seiji

      2019/03/08

      憧れの品です。^_^

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    TWIN−MILL

    2019/03/08

    良さの解る人、大事にしてくれる人、そして、ちゃんと使ってくれる人にたどり着いた感じですね😁👍。
    自分のコレクションもいつか手放す時があると思うと、ちゃんと辿りついて欲しいと思ってしまいます☺️。

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      M.S

      2019/03/08

      ありがとうございます。
      たしかに、自分のコレクションの行く末を考える事があります。どんな人の元に行くのでしょうか?
      物の寿命とは不思議なものですね。

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  • 素晴らしい! これだから骨董市はやめられませんね

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      M.S

      2019/04/25

      そうですよね。
      案外つまらないものを買ってしまう事も多いですが、稀にこういう機会にも恵まれるので、その時は本当に嬉しいですね!

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    小町姫

    2020/07/05

    骨董市で良いお買い物でしたね!なかなか良い出会いはありません。
    私は逆に セルロイドをべっ甲だ!と言われて否定すると骨董市で叱られるときがありました(笑)
    店主の方もわからないんですよね・・・。
    掘り出し物と出会ったトキメキ感!いいですよね!

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