トヨタMR2(初代)

初版 2023/08/23 09:10

改訂 2023/08/23 09:10

優れた走行性能を得るべく、重量のあるエンジンをキャビンとリアアクスルの間にレイアウトするMR車。そのスペシャルな駆動方式のスポーツカーというものを多くの人に体験させてくれたのが、1984年に登場した初代「トヨタMR2」でした。

当時は1970年代の排ガス規制の影響で骨抜きにされたスポーツ系エンジンが徐々に復活を遂げつつあったタイミング。ハイパワー&ハイスピードへの関心は今以上に大きかった。なので、クチの悪いヤツらはMR2を“なんちゃってスーパーカー”だなんて揶揄したりもしたけれど、いやいや、とんでもない。MR2の主力モデルには、その前年に登場したAE86型「カローラレビン/スプリンタートレノ」に搭載されて高い評価を得たトヨタの最新型“ツインカム”エンジン、4A-GEU──より正確には横置きなので4A-GELU──が積まれていて、生きのいいスポーツカーに仕上がっていたのだ。

ランボルギーニのようにドアが天に向かって開かなくても、フェラーリのように最高速300km/hオーバーで威張れなくても、やっぱり心は引きつけられる。価格は最も高価なグレードでもアンダー250万円。憧れに憧れたスーパーカーには手が届かなくても、これならなんとかなるんじゃないか? そんな夢を抱くことだってできた。

MR2の基本はX1/9やフィエロと同じようなつくりで、80型カローラ/スプリンターのパワートレインをそのまま後ろへと持ってくることでミドシップレイアウトを構成。1.6リッターDOHC 16バルブの4A-Gユニットは、当時のグロス値で最高出力130PS/6600rpmと最大トルク15.2kgf・m/5200rpmを発生した。もうひとつ、エントリーグレードとして1.5リッターSOHC 8バルブの3A-LUユニットを積んだモデルもあって、そちらは83PS/5600rpmに12.0kgf・m/3600rpmという凡庸ともいえる数値。けれど車重はアンダー1tの920kgと、4A-G搭載車の1020kgと比べて100kgも軽かった。

それらパワートレインのみならず、ストラット式サスペンションや駆動系などをはじめ、カローラ/スプリンターから流用できるものは流用し、コストを可能な限り抑えたつくりとされていたが、いかにもミドシップらしいシルエットを見せる車体はもちろんのこと、インテリアの大部分もMR2の専用品。同じ4A-Gを積むレビン/トレノより100万円近く高価だったが、それでも僕のような若造が夢を見ることのできる価格で販売されていたのは、素晴らしいことだったと思う。

(解説はネットからの引用)

旧い車のカタログやミニカーやレコードなどをコレクションしてきました。たくさんの方々に見てもらえたらいいなと思っています。
少しづつ展示して参りますので宜しくお願いします。 

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