月球儀
初版 2024/02/10 09:58
改訂 2024/02/10 23:06
1970年代、アポロブームの煽りに乗って爆発的に売れたリーダーズダイジェストの地球儀。
そのおまけとしてついてきた月球儀のことを、覚えている人はたぶん少ないでしょう。
私も地球儀には夢中になったが、月球儀などはその存在すら忘れておりました。
最近になってそれをヤフオクで見つけて買い求めてみましたが、やはりというか、ノスタルジーのかけらも感じられません。
もとよりノスタルジーに耽ろうなどとはみじんも考えておらず、むしろ思い出にまったく汚染されていない、新規のオブジェとして入手できたのは幸いでした。
月球儀そのものの歴史は意外と古く、すでに18世紀末にジョン・ラッセルという人がりっぱなものを作っていますが、残念ながら月の裏面についてはまったく情報がなかった時代のものなので、半面だけの月球儀となっております。
月の裏面が明らかになったのは、1960年代以降のことで、そのころから360度完備した月球儀が作られるようになりました。
といっても、月球儀などを眺めて楽しむのほよほどの好事家か暇人くらいなので、あまり売れなかったとみえて、数そのものが非常に少なく、今日では入手しがたい部類に属するようです。
月球儀そのものは、現在でも需要があるらしく、新たにりっぱなものが作られつつあるのは慶賀の至りであります。
私の手に入れたものは、アンティークとはほど遠く、また最新のものほど正確ではないという、中途半端なものですが、私自身の天文に関する中途半端さとちょうどうまく釣合いがとれているようです。
これで見るかぎり、月の裏面にはとくに何もありません。
月がそのいちばん表情豊かな面を地球に向けていることに、なにか神秘的なものを感じてしまいますが、これにもやはり合理的な理由があるんでしょうね。
trilobite.person (orm)
2024/02/10 - 編集済み面白いものに興味を持たれておりますね。当時最新 (1970s?) の月球儀でも月の裏側が寂しいのは、その当時でも裏側の探査がまだまだ進んでいなかった事もあるのでしょうか。私も天文学者になりたかった時期もあり、大学で宇宙物理の触りだけなぞった事もあったのですが、今や、夜空の自分の知っている範囲の星座を探すぐらいが精一杯です。
ktr
2024/02/10月球儀は、最新のものでも裏側に関してはあまり変っていないようですね。
大学で宇宙物理を学ばれたとのこと、尊敬の念が増すばかりです。
私は天文が好きというより天文の本が好きなので、自分の星座(さそり座)すら実物を見たことがありません。
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