メタコレクター
初版 2022/12/04 10:37
改訂 2023/01/13 21:13
人はコレクターになるのではなく、コレクターとして生まれるのだ。
じっさいコレクター気質というのは生得的なもので、後天的に獲得されるものではない。
嘘だと思ったら、名だたる大コレクターを見るがいい。
彼らはみな子供のころからだれに教わるともなく何かしらものを集めている。
だから、そういう下地のない人が大人になってからコレクションを始めるのは、大人になってからピアノを習うのと同じくらい無謀で困難なことなのだ。
そんな無謀で困難なことをやっているのが私という人間だ。
私は自分のやり方が非コレクター的であり、ときには反コレクター的であるのをつくづく感じる。
なにしろ蒐集物の数が増えてくるのが厭でたまらないのだ。
集めた数より処分した数のほうがはるかに多いコレクターなどというものがあるだろうか。
思うに私は獲得欲はあっても所有欲があまりないんだろう。
そんな私を見て、ある人は「そういうのをメタコレクターっていうんだよ」と言った。
私はいまだにその真意を解しないが、メタコレクターというのはなかなかいい響きの言葉ではないか。
というわけで、今後はメタコレクターとしてこつこつとやっていきたいと思う。