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Foetus (Scraping Foetus Of The Wheel) “Nail”
Scraping Foetus Of The Wheelと聞いて、ピーンとする人はいるのかな?と言う訳で、FoetusことJames George Thirlwellの4枚目のアルバム”Nail (釘)”を紹介します。正直に言うと、私は余りFoetusには良い印象は持っていなかったので、彼の作品も買ったのは、今のところ、これだけだと思います(しかも、中古)。その理由は良く分からないのですが、何となく立ち回りが上手くで胡散臭い感じがしたからだと勝手に思っています。と言う訳で、Foetusのバイオグラフィーを簡単に紹介したいと思います。Foetusと言うのは、豪州の多才な作曲家/マルチ奏者/実験音楽家/プロデューサーのJ.G. Thirwellのワンマン・バンド、つまりソロユニットのことです。Thirwellが1978に年に英国Londonに居を移した時に、Foetusのコンセプトを思いついたらしいです。彼は、全ての楽器を1人で演奏、録音し、プロダクションを管理し、更にイラストやジャケのデザインまでやって、Foetusを1つのバンドみたいに見せようと考えた訳です。そのネーミングには何か不敬で不正なニュアンスがあると考えて、付けたようです。それで、1981年に、自身のレーベルSelf Immolationからデビューシングル”Spite Your Face / OKFM”をFoetus Under Glass名義でリリースします。その直ぐ後に、You've Got Foetus On Your Breath名義で、デビュー・アルバム”Deaf” (1981年作)とセカンド・アルバム”Ache” (1982年作)をリリースします。そうして、1984年に米国NYCに永住することになり、もっと局地的で国際的には目新しい音楽として、NY地下シーンのアヴァンギャルドやインダストリアル、フランジ、フリーな即興などに関わっていきます。そうして、1984年には3枚目のアルバム”Hole”を、1985年には本作でもあるアルバム”Nail”を、Scraping Foetus Off the Wheel名義でリリースします。これらのアルバムもThirwell1人で作り上げ、プロデュースもしています。その後、1988年に、再び、Foetus Interruptus名義で、アルバム”Thaw”をリリースしますが、これまでのFoetusがついたエイリアスをFoetus Incとして纏め、セルフ・コンピ・アルバム”Sink”を1989年にリリースしています。1980年代はFoetusはThirwellのスタジオ・ソロユニットでしかなかったのですが、時には、Clint Ruinと言うクレジットも使っていました。それで、SwansやProngや<Pig>と言った実験的或いはインダストリアルなグループのサポートで、ライブ活動を始めます。この時は、単にFoetusとだけ名乗っていますが、また、その派生サイド・プロジェクトとして、1988年のライブではFoetus Corruptusとも名乗っています。その流れで、1990年には、拡張版としてFoetus In Excelsis Corruptus Deluxe名義で、CBGBでライブを行い、その時のライブ盤として2枚組CD “Male”をリリースしています。その後、1995年に、ベスト盤的な意味合いで、アルバム”Gash”を作製しますが、これはスタジオ録音としては、初めてThirwell以外のミュージシャン達と作り上げた作品で、かつこのアルバムはメジャー・レーベルと契約した唯一のアルバムとなり、世界中で配給されています。その後、5年位、間が空くのですが、2001年5月に、新スタジオ・アルバム”Flow”をThirsty Ear (米)とNois-O-Lution (独)からリリースしますが、ここでは、Thirwellは再び1人で演奏・録音・作製を行なっており、このアルバムには対になるリミックス・アルバム”Blow”も同時に作製されています。その後のアルバムでは、基本的にはThirwell1人なのですが、3〜4曲は他のミュージシャンとのコラボやゲストを招いて作製されることが多くなっていきます。最新作は2013年の”Soak”となっていますが、現在はどうしているかは不明です。大体の流れはこんな感じです。面白いのは、全てのアルバム・タイトルは4文字の単語から成るところですね。 それでは、本作品”Nail”について紹介していきます。先述の通り、この作品はThirwell1人で作製されています。また、タイトルを含め、至る所に日本語が付記されており、デザインも日本盤の帯を模しているようです。 A1 “Theme From Pigdom Come”は、厳かなオーケストレーションから始まりますが、これ、1人でどうやって録音したのかな?とふと疑問。 A2 “The Throne Of Agony”は、ヤサグレたThirwellのマシンガンのようなヴォーカルで始まる、跳ねるようなリズムの曲で、リズムはマシンドラム?生ドラム?所々にオーケストラのような音が挿入されています。後半でアップテンポに! A3 “!”は僅か3秒の曲(SE?)で、あっと言う間にです。 A4 “Pigswill!”は、Neubautenよろしく、金属の打撃音とドラムから成るバックにThirwellのヴォーカルがまたまたマシンガンのように延々と続きます。後半にはオーケストラ風のバック〜ノリの良いニューウェーブ風バックに延々と彼のヴォーカルが乗っていきます。 A5 “Descent Into The Inferno”は、Thirwellの抑制的なヴォーカルで始まり、雰囲気的には、同郷のNick Cave & The Bad Seedsっぽい曲調です。影響受けているのかな? それにしても曲の展開・構成は複雑で、これを全て1人でやっているのも凄いと思います。 B1 “Enter The Exterminator”は強烈なドラムの音と物が壊れる音のサンプリングに、ウィスパーなThirwellのヴォーカルで始まり、こう言うアレンジって、Neubautenっぽいなと思いますが、やがて分厚いオーケストレーションとノリの良いビートへと変化していきます。 B2 “DI-1-9026”は、B1とループで連続して始まり、性急なビートに、またまたヤサグレたヴォーカルが、弦楽器やプラスのサンプリングの挿入を含みながら、どんどん突進していきます。最後のブレイクはカッコ良いです。 B3 “The Overture From Pigdome Come”も荘厳なオーケストレーションで始まりますが、これは一体どうやって録音したのでしょうか? タイトルからしてA1のアンサー・ソングのインスト曲です。まるで映画音楽みたいです。 B4 “Private War”は、ちょっと長めの金属音のSEから始まり、その内、Thirwellの抑制的なヴォーカルが始まりますが、どうしてもNick Caveを思い出しますね。声質が似てるのかな? B5 “Anything (Viva!)”とB4は切れ目が良く分からないのですが、ビートが明確になってきた頃が境目かと。相変わらず、曲の構成は複雑ですが、Thirwellのヤサグレ・ヴォーカルに導かれて、強烈なビートと仰々しいオーケストレーションへと曲は展開し、劇的なエンディングとなります。 総じて、Thirwellのヴォーカルの好き嫌いもあるかと思いますが、ヴォーカルが曲の殆どの部分に入っており、個人的には、ややクドい感じを受けました。また仰々しいオーケストレーションの導入や複雑な曲の構成・展開も、余り私の好みとは違っており、新鮮な分、ちょっと落ち着かなかったです。それでも、そんな複雑なことを1人でスタジオ・ワークでやってしまえるThirwellは、ある種、本当に音楽の天才なのかも知れませんね❗️まあ、私の感想は置いておいて、スケールのデカい、攻撃的な音楽を聴いてみたいリスナーさんは一度、体験した方が良いと思いますよ❗️判断はその後でも遅くはないですから。 A1 “Theme From Pigdom Come(豚の王国のテーマ)” A2 “The Throne Of Agony(苦悩の王国)” A3 “!” A4 “Pigswill! (ピッグスウィル)” A5 “Descent Into The Inferno(地獄への道)” B1 “Enter The Exterminator(殺りくの門)” B2 “DI-1-9026” B3 “The Overture From Pigdome Come(豚の王国の序曲)” B4 “Private War(私的な戦争)” B5 “Anything (Viva!) (すべて[ばんざい])” B1 “Enter The Extermination” https://youtu.be/B7_wJYvMB60?si=1FoZN8IE9vRiFqu4 [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_lsucLwgetRCzbyk4CJrobu6g7Qe1VeMk4&si=TsinYMPGU8SDHcVW #Foetus #ScrapingFoetusOfTheWheel #Nail #釘#SelfImmolation #SomeBizarre #4ThAlbum #Australia #UK #USA #NewWave #Industrial #SoloProject #One-ManBand #JamesGeorgeThirwell
Industrial / New Wave Self Immolation / Some Bizarre 不明Dr K2
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Severed Heads “Bad Mood Guy”
豪州のインダストリアル・ビート・バンドSevered Headsの1987年作アルバム”Bad Mood Guy”の再発&特別拡張版を、今回はご紹介します。前回のバイオグラフィーは簡素過ぎたので、ここでガッツリ書いておきます。1979年に、豪州Sydney で、Richard FieldingとAndrew Wrightが、実験的電子音楽デュオMr. & Mrs. No Smoking Signを結成し、同年末にTom Ellardが加入し、彼等は、カセット・アルバム“Mr. and Mrs. No Smoking Sign Go Cruising fer Burgers!”などを自主制作しています。ただ、Ellardがバンド名が酷過ぎると言って、改名して、Severed Headsとなったとのこと。その頃はテープ・ループにシンセ・ノイズやそれ以外にも歪んだ音なんかを使っていたので、インダストリアルと見なされていました。1979年末にWrightが脱退し、残ったEllardとFieldingのデュオになって、初期のスタジオ録音をプッシュしていました。例えば、Rhythmyx Chymxとのスプリット・アルバム”Ear Bitten” / “No Vowels, No Bowels”なんかを作っています。しかしながら、1981年にアルバム”Clean”の録音途中に、今度はFieldingも脱退してしまい、Ellard1人で完成させています。そこで、Ellardは、Severed Headsの音楽に、一定の4/4拍子リズム、強烈なメロディ、解析可能なコード進行、そして、Ellardのヴォーカルと曖昧で詩的な歌詞を加えて、ドラムマシンやベース・シンセを導入し、アヴァンギャルド・インダストリアル/ポップと評される音楽に変えています。彼等のライブは実験的なアート・スペースからロック・クラブまでをカバーするようになり、Garry Bradbury (Synth)とSimon Knuckey (G)を加えて、1982年にアルバム”Blubberknife”と”80's Cheesecake”をリリースしてます。その後で、ビデオも担当するアーティストStephen Jonesが加入しています。そうして、Severed Headsは、英国Ink Recordsと契約し、アルバム”Since the Accident”をリリース。先行シングルは素晴らしくメロディアスなシンセ・ポップ作品と評価されています。それで、彼等は、ワールドツアーを敢行しますが、その際に、マルチメディアなものにしたいと考え、Jonesによるビデオ・シンセを導入します。1984年8月に豪州に帰ってきますが、メンバー・チェンジが続きます。先ず、Bradburyが、1983年のアルバム”Since The Accident”の録音途中に脱退、1984年のワールドツアーの前には、Knuckeyも脱退し、残ったのはEllardとJonesに加え、新人のPaul Deeringの3人となります。それで、1985年にInk Recordsからアルバム”City Slab Horror”をリリースしますが、このアルバムでは、Bradburyがゲストとして参加しており、ヴォーカルや曲作りもやっていたので、Ellardとぶつかり、それが原因で、Bradburyが残るのであれば、辞めると言って、新人のDeeringは 脱退してしまいます。ただし、評論家は、CabsやT.G.に匹敵する位、豪州で最も革新的なエレクトロ・バンドと大絶賛しています。1985年11月には、ローカル・オンリーのアルバム”Stretcher”をVolitionからリリース、また翌年8月には、アルバム”Come Visit The Big Bigot”をリリースしています。1986年にはEllardとJonesは欧州ツアーと北米ツアーをやっていましたが、1987年には、ローカル・レーベルVolitionから、本作品のオリジナルでもあるアルバム”Bad Mood Guy”をリリース。評論家は、「実験性が飛び抜けた先に、商業的にも価値がある作品だ!」と好評価をしています。実際、米国ビルボードのHot Dance Club Songsチャートでも19位まで上がり、賞も受賞しています。1989年10月には、プロデューサーRobert Racicによるリミックス・アルバムも出ています。しかしながら、1992年に、アルバム”Cuisine (With Piscatorial)”を出した後で、Jonesが脱退し、メンバーはEllardのみになります。レーベル間のゴタゴタはありましたが、1994年にアルバム”Gigapus”を豪州のVolitionと米国Decibel Recordsからリリースしています。その一方で、Ellardは、ネット・レーベルsevcom.comを始め、2000年代には、アンビエントの配給システムであるSevcom Music Serverを構築したりしています。Ellardは別プロジェクトCoklacomaを始め、1990年後半〜2000年代に掛けて、アルバムを数枚出しています。また、2004年までは、ビデオの開発に注力しており、段々とSevered Headsレーベルは過去のことのように思うようになり、名前を出さずに、Sydneyのエレクトロ・バンドのサポートをしたりしています。そんなこともあって、Ellardは、2008年初頭に、Severed Headsの終了をアナウンスしています。しかし、2010年1月14日に30周年記念のライブを行う為、長年の友人でもあるStewart Lawlerを加えて、Severed Headsを復活させています。その後は、Gary NeumanのツアーのサポートやSevered Headsの初期の曲をセルフ・カバーしたりしています。そして、20数年振りに米国ツアーを行い、その後、2019年9月に最後のライブを行ない、再び解散宣言をして、現在に至ります。 と言うのが、Severed Headsのバイオグラフィーです。それでは、アルバムの方の紹介をしていきます。今回、2枚組での再発ですが、オリジナルの内容についてはLP1の方で、リマスターしたものとなっています。LP2は主にオリジナルの録音時のアウトテイクやライブ音源或いはヴァージョン違い等をコンパイルしたもので、それ故のSpecial Versionのなっています。それぞれのLPについて紹介していきます。とりあえず、整理するとして、この時期のメンバーは、Tom Ellard (Vo, B, Kbd, Synth, Electro-Perc)とStephen Jones (Synth, Video-Synth)のデュオです。LP別に紹介していきます。 LP1は、初っ端から、強力なマシンリズムとカッコ良いシーケンスに乗って、Ellardの中性的なヴォーカルを聴くことができます。リズムは四つ打ちではなく、あくまでもロックのリズムパターンが基本です。何と言うか、今で言うところのインダストリアル・ロックの原型みたいな感じのイケイケ感がありますね。実際、Skinny Pappyとかは、Severed Headsの影響を受けたらしいです。A面は、ややスローテンポなA3 “Unleash Your Sword”で、ちょっと息抜きかな。しかしながら、A4 “Jetlag”でまたもや乗りの良いラウドな曲になります。ここでは四つ打ちのリズムですが、途中、複雑なリズム・チェンジを魅せてくれます。そうして、タイトル曲B1 “Bad Mood Guy”では、ややメロディアスな一面を見せてくれます。しかしながら、B2 “Dressed In Air”ではピアノらしき音とスローなシーケンスから成る大人しいスタイルの曲で、バラード調で、一息つけます。B3 “Rabbi Nardoo Flagoon”では女性の歌声等様々なサンプリングを使った、ビートレスで実験的なインスト曲です。次のB4 “Heaven Is What Heaven Eats”も打ち込みビートはあるのですが、様々なサンプリング音が全方向から押し寄せてくる実験的なインスト曲です。しかしながら、次の曲B5 “Mad Dad Mangles A Strad”のピアノの調べとベースから成るしっとりとしたミニマル曲でLP1を締めています。たった2人なのに、こんな音楽が出来るのは、Jonesが操っている、例のVideo-Synthによるらしいです。 今回、新たにレコード化されたのが、LP2ですが、随分、曲のイメージが違います。 例えば、LP1のB1にも収録されているC1 “Bad Mood Guy (Day 1)”も、打ち込みではなく、ベースを使用したり、ヴォーカルも良く聴こえたりとアレンジの妙を聴くことができます。また、C3 “Canine (Day 1)”なんかでは、ナレーションのサンプリングをヴォーカル代わりにして、ビートに乗せ、それ以外にも多量の素材のサンプリングも塗してあります。C4 “Nature 10 (Terse)”はしっとりと歌い上げていて、もう別バンドのようです。それでも、バックの音は電子音やサンプリング音なんですが。ライブ音源のC6 “I've Always Hated Severed Heads (Live)”では、最初期の手法であるテープループを重層化した曲になっています。D面はフロア用にミックス/リミックスされているので、基本的に四つ打ちのクラブ・ミュージックになっています。 このようなSevered Headsのデラックス版の2枚組ですが、LP1A面は通常運転、B面はその中でも実験的な曲を集めており、LP2C面では歌物としてのアレンジやテープループ曲などの多彩な面を、D面はクラブ用のミックスなどを収録しており、この作品だけで、当時のSevered Headsの全貌が分かるとも言えますね。豪州のバンドと言うこともあり、日本ではそれ程、評価されていないように感じますが、DJ〜クラバー〜インダストリアル・ロック・ファン〜実験ロック好きまで、全員に聴いて欲しい作品です‼️マスト! LP1 (オリジナル) A1 “Hot With Fleas” A2 “Nation” A3 “Unleash Your Sword” A4 “Jetlag” A5 “Contempt” B1 “Bad Mood Guy” B2 “Dressed In Air” B3 “Rabbi Nardoo Flagoon” B4 “Heaven Is What Heaven Eats” B5 “Mad Dad Mangles A Strad” LP2 (リミックス盤) C1 “Bad Mood Guy (Day 1)” C2 “Unleash Your Sword (Day 1)” C3 “Canine (Day 1)” C4 “Nature 10 (Terse)” C5 “Contempt (Day 1)” C6 “I've Always Hated Severed Heads (Live)” D1 “Hot With Fleas (12" Remix)” D2 “Nation (NYC Mix)” D3 “Canine (12" Remix)” A1 “Hot With Fleas” https://youtu.be/havnNe7VWuw?si=lDrpzRwUaZAGSt7z A4 “Jetlag” https://youtu.be/lvKicu4uxzI?si=Ymrb3W2DojJB58tC B1 “Bad Mood Gut” https://youtu.be/IBjNlMpTAcE?si=T62mjTLsO95M8jpB B5 “Mad Dad Mangles A Strad” https://youtu.be/gNHujcbizbg?si=300qYsF2YFpa_jxI [BandcampのURLを貼っておきます] https://severedheads.bandcamp.com/album/bad-mood-guy #SeveredHeads #BadMoodGuy #Futurismo #Volition #Reissue #Remastering #DeluxeEdition #Australia #IndustrialRock #EBM #Experimental #RemixedVersion #DifferentVersion #Synthesizers #VideoSynthesizers #TomEllard #StephanJones
Industrial Futurismo (Volition) 3630円Dr K2
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Duffo “s/t”
Duffoと聞いて、何人の方が反応するでしょうか? New Wave勃興期に遅れてきた豪州のグラム・ロック・ミュージシャンで、本名Geoff "Jeff" Stephen Duffなんですが、私は、ジャケが気になっていて、そんなに高くなかったので中古レコード店で購入、久しぶりに聴いてます。そんな訳で、David Bowieになれなかった彼、Duffoのファースト・アルバムです。1980年代は英国で活動していましたが、どうにも英国では評価されなかったようで、豪州に戻ってきてからは高評価されていたようです。彼のバイオグラフィーを紹介しておきます。彼は1971年にメルボルンで音楽活動を始めており、それがフュージョン・バンドKushのVoとしてです。このバンドは豪州では超人気バンドでしたが、Jeffは、1978年に英国ロンドンに渡り、ユニセックスで、風変わりな格好をして、その時からDuffoと名乗って活動を始めます。また、彼は、ステージ上では、レオタードを身につけ、キラキラの派手なメイクをして、まるでオペラ歌手のように振る舞っていたそうです。彼はKbdも出来たので、Sev Lewkowiczのアレンジャーとしても活躍しています。それで、1979-1982年の間、Duffo名義で4枚のアルバムをリリースしています。音楽史家のIan McFarlaneは、「彼の風刺の効いたニューウェーブな曲”Give Me Back Me Brain”はLou Reedの”Walk on the Wild Side”に匹敵するソウルフルな名曲だ!」とも言っており、彼のルーツにグラム・ロックがあることを指示しています。また、Andy Woholeも彼のことを「Sinatra, Preslepy, Jagger, Popeye…そして今はDuffoだ!」とよくこの言葉を引用していたらしいです。豪州に戻ってからも、Jeffは、David BowieとFrank Sinatraの音楽を融合したような音楽でら2005年にはオペラ・ハウスでのライブをソールドアウトする程の人気を得ます。更には、David Bowieに敬意を表して、”Ziggy”と言うショーを2010年と2012年にオペラ・ハウスで行っていますし、また、Bowieに捧げる本”This Will Explain Everything”を2016年に出版しています。また、彼は”Ground Control to Frank Sinatra”と言うステージ・ショーをプロデュースし、2枚のアルバムも出しています。とまあ、こんな感じでらDavid BowieとFrank Sinatraに魅せられたJeffでしたが、彼は豪州に戻ってきてから、豪州のスーパースターになった訳ですが、豪州では自分のバンド名を含めて、Duffoと名乗ったり、本名名義で活動したりしています。 そんな経歴の持ち主ですが、本作品は、英国でDuffoと言う個人名義でリリースしたファースト・アルバムです。バックは、Peter dobson (Drs), Michael Howlett (B), Nicholas Colq (Piano), David Herzog (G)が固めています。内容はシンセを使った曲はニューウェーブ的ですが、曲調は全体的に、グラム期のDavid Bowieを想起させるようなロックで、寧ろ、彼が英国進出した時には、ちょっと古いかな?と思わせます。確かにパブロックやグラム・ロックの流れにあり、ニューウェーブとは一線を画しているなあと思います。また曲名も凄くて、「キ○ガイの塔」、「ダフォ(俺は天才)」.「ダフォのオディッセイ」とか「俺に脳みそ返してくれよ」とまあこんな感じです。こんな歌詞をグラム調の曲に合わせて テノールの良い声で歌うDuffoはきっと魅力的だった思いますよ。英国では色物扱いだったかもしれませんが、豪州ではスーパースターなDuffo、聴いてみますか? “Give Me Back Me Brain” https://youtu.be/wVR0oZUECbk [Album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_k56QfYsY9OS1LCZpPdLIl9Ztw7FzMHLeA #Duffo #Beggar’sBanquet #GeoffJeffStephenDuff #GramRock #NewWave #Australia #UK #DavidBowie #FrankSinatra #Ziggy #GiveMeBackMeBrain
New Wave / Gram Rock Beggars Banquet 不明Dr K2
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Mike Majkowski “Swimming In Light”
このアーティストのことも殆ど知らないですねえ。何でこれを買ったのかもよく分からないです。Mike Majkowskiは豪州で生まれ育ち、2011年以降、ベルリンに移住。ダブル・ベース奏者で、今までに多くの即興者やアルバムに参加していますが、ソロアルバムとしては、このアルバムは6作目になります。それで、彼がコラボしてきたアーティストの代表的な奏者を挙げるとMike Nock, Bob Mintzer, Kristin Berardi, Jim Denley, Jon Rose, Chris Abrahams, Robbie Avenaimらであり、彼が組んだグループは、The Splinter Orchestraで、即興演奏を軸とする大きなエレクトロ・アコースティックなアンサンブルであるそうです。 本作品は彼のソロアルバムですが、使用している楽器はDouble Bass, B, Synth (Analogue Synths) , Vibraphone, Piano, Perc, Field Recordingです。一応、片面1曲づつと言う訳で、A面が”Radio Weather Vending Machine”、B面が”Structure and Posture”と名付けられています。しかしなから、曲の中に極めて微音や無音を設けられてるので、片面でも3曲位入っているように聴くこともできます。音の方は一言で言うとドローンなんですが、彼はベーシストなので、低音重きを置いているようです。まったりとした時に聴くには最高ですね。どの音がどれなんて野望なことは言わないで、例えば休日の午後なんかに聴くと良いかも。どうです?皆さんも聴いてみて下さい。 YouTubeに無かったので、デュオのライブ動画を、 https://youtu.be/rYIPMzA22D8 #MikeMajkowski #SwimmingInLights #Entracte #Drone #DoubleBass #Bassist #Improvisation #Solo #Piano #Percussions #Synthesizer #Mix
Experimental Entr'acte 不明Dr K2