その後の趣味人生を大きく左右した話
初版 2019/07/10 16:25
改訂 2019/07/12 14:16
代々木の某楽器店が、オールドギターを主軸にしていた20年以上前の話である。
僅かなバイト代を楽器につぎ込む生活をしていた私は、件の店のショーウィンドウにESPのギターが展示してあるのにつられて入店した。
因みにそのギターは、ESPハイブリッドのシングルコイルバージョンのようなギターで、1989年のストーンズ初来日初日の一曲目スタートミーアップでロン・ウッドが弾いていたテレキャスターとレスポールジュニアが合体したようなギターである。
ここで店長と思われる店員さんから何か探してるのか、と声をかけられてからが聞いた(教わった?)話が強烈に印象に残っている。今でも覚えているので箇条書きで書く。
・ミカウバーやマルコムは有名だが、ローリングストーンズという法人の持ち物であり、キースの所有物ではない。キースもロンもプライベートやレコーディングでは今店に並んでいるようなオールドを使っている。
・ピックアップが交換されていると古いギターの音はしないが、ペグがグローバーになったくらいでは音は変わらないし、値段も上下しない。
・ESPのギターは看板の代わり。売り物ではない。
最近のギターは昔のギターと異なり、工程を色々省いている。だから昔のギターで録音されたロックが好きならギターは昔のものにしなければならない。
・そもそもエレクトリックギターはアンプとセットで一つの楽器なのでアンプも当時の真空管アンプも使わなければならない。
・ストーンズ好き貧乏学生の入門機なら、SG juniorが安くておすすめ。
そこで店頭にあったSG juniorを、吊るしたままの状態でアンプに繋いでバーンと音を出して見せてくれ、その後確かSG standardやfirebirdも順に同じ手順で音を鳴らして見せてくれた。最安値、しかもシングルコイルにも関わらずSG juniorの音が物理的に一番大きく、心理的にも一番好きな感じの音だった。
そこで電話がかかってきたので会話は終わってしまったのだが、この体験は大分尾を引いて、その後買ったギターのラインナップに大きな影響を与えた。
結局件の店では何も買ってないのだが、一人の古ギター病患者を作った、という意味では一店舗に留まらず、市場全体に対して意味のある接客をされたのではないかと思う。私としても恩人として懐かしむべきなのか、病人にさせられた、と思うべきなのか少々迷うが、お陰でその後の人生がワクワクの止まらない豊かなもの(金銭的にという意味ではない)になったのは確かだと思う。
#思い出
nocturnalclan
2019/07/11神の啓示だったのか。
悪魔の囁きだったのか。
1人がいいね!と言っています。
dwight
2019/07/11コメントありがとうございます。
恐らく悪魔的なシェイプのSG juniorにも魅了されたものと思われます。