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Bobby Caldwell/After Dark(14)
意表を突いたニューアルバムのアナウンス。 しかも、なんのノイズも聞こえない状態でAMAZONでは既に予約が始まっていたこの『After Dark』 前回の来日時、ステージがはねたバックステージにお邪魔したら、いきなりCDプレーヤーにCD-Rをセットするボビー先生。一体何が?と思う間もなく極上のAORテイストの新曲、数曲が流れだした。 「どうだい?」と問いかけるボビー、悪い訳がありません。 「もう数曲出来あがってるんだ。再来日する時までには間に合わせるよ」とおっしゃっていたので、てっきり、これがその新譜だと思いきや、まさかのジャズアルバム。 WEBでレコーディング風景が公開されていたのですが、それがこのジャズ・アルバムだったのですね。 なんで、またジャズ?て声が聞こえてきそう(汗) ツアー・メンバーであるアンドリュー・ニューの存在が、このアルバム制作に大きな原動力になっているといっても過言ではないでしょう。歴代のメンバーでここまで可愛がられているプレーヤーは皆無、アンドリューのソロ・アルバムに参加したりとその寵愛ぶりが伺え、ボビーから全幅の信頼を得ています。 ボビーのジャズと言えば、90年代初頭のパーラメント・ブルー・コンサートで披露された<Stack On You>が一番に思いされます。その後のステージでもジャズのパートがあったり、その曲がアルバムに収録されたり、満を持しての『Blue Condition』のジャズ・アルバムの発表。 ですが、ボビーにAORを求める、ジャズは認めないファンからは、総スカン。 ロッドやコステロのジャズは認められるのに、一体なぜなんでしょう? しかし、本国アメリカでは、サントラやベガスのショービジネスから良好なリアクションが得られ、確固たるポジションを確立しています。そのもっとも顕著な成果が、ショービジネスの本場ベガスで開催されたミュージカル「Rat Pack Is Back」への出演オファーでしょう。敬愛するシナトラ役で主役を張るボビー、まさに天職といえるものでした。 数年後、このミュージカルが再演され好評を得たのは言うまでもありません。 Twitterでは、来日のアナウンスがあると、必ずといっていいほど「アメリカでは仕事がないとか、人気がない」とつぶやかれていますが、本家の公式サイトをご覧いただけると、忙しく全米中をツアーしていることが分かるはず。 また、未だに奥様は日本人だとアナウンスするお方いらっしゃいますが、今の奥様は生粋のアメリカンです。 検証もせず、勝手なつぶやきはごめんです。 失礼、話が逸れましした。 また、本国ではシナトラのレパートリーだけを歌う「Perfect FRANK」と題されたライブも不定期ですが開催されています。シナトラよりシナトラらしいボビー、まさに水を得た魚のごとく、楽しそうに歌う姿は見るもの聞く者を魅了。そんなマーケットの高まりを形にしたのが3枚目となるジャズアルバムを制作する原動力になったのではないでしょうか? 誰々のジャズアルバムが好評だからとか、音楽シーンがどうとか、そんなものに左右されるな柔なボビーではありません。 2014年の来日時のステージでは、このアルバムから<I Only Have Eyes For You><In The Wee Small Hours Of The Morning>の2曲を披露し、客席をうっとりさせてくれました。 ジャズを歌うボビーってほんと素敵だと思いませんか? あの夜、楽屋で聞かせてもらったバリバリのAOR曲は何処へ?今年の夏には間に合いますか?先生! Original Release Date: 22/Aug/2012 01. Follow Me 02. I Only Have Eyes for You 03. The Most Beautiful Girl in the World 04. Too Marvelous for Words 05. I've Got a Crush on You 06. Please Be Kind 07. Saturday Night 08. What You Won't Do for Love 09. My Kind of Town 10. In the Wee Small Hours of the Morning 11. Fly Me to the Moon 12. Without a Song 13. Yellow Days 14. Come Fly with Me 15. You Make Me Feel So Young #bobbycalswell
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Bobby Caldwell/ Live at the Blue Note Tokyo(07)
メインワークス、オリジナルアルバムの中でもっとも異色な1枚、意表を突いたボビー初のライブCD。 突然、ボビー公式サイトのメーリングリストで知らされ慌ててオーだーした次第。 ひょっとしてCDじゃなくてCD-R?って心配したけど大丈夫でした。 CDをチェックしてみると、レーベルは『シンドローム改めメディアフォース』ではなく、聞いたことがない『STARMINE RECORDS』って印字が?なんで?レーベルのロケーションはNJって? 長年のマネージャー、ヘンリー・マークスとの契約を解消して、自信のレーベルを立ち上げたというのが真相。 プロデュースはボビー本人とリチャード・マッキントッシュ。 そう、ライブのオープニングのコールをする人懐っこいカーリーヘアーのヤンキーな兄ちゃんです。 またプロジェクト・コーディネーション(?)はジャックとボビーの奥様。 録音日の表記はありませんが、2000年12月のブルーノート東京での録音で、ジャジーなナンバーだけをチョイスして収録。※アーニー・ワッツが同行したツアーではありません。 録音の状態はかなり良いです! 豪快にスイングするビッグバンドがとても心地よく、回顧主義なAORよりジャジーなボビーの方が断然自然体です。 もう一度このジャジーなステージを見てみたい!って思わせる内容です。 現在も本家のサイトで販売していますのでお早めに。 Original Release Date:[19/Feb/2007](USA) 1.I’ve Got a Right to Sing the Blues 2.Beyond the Sea 3.Don’t Worry ‘Bout Me 4.Day In Day Out 5.I’ll Be Around 6.Come Rain or Come Shine 7.Indian Summer 8.(I’ve Got You) Under My Skin 9.Street of Dreams 10.At Last Mark McMillen(key) George Evans(g) Jon Murray(b) Land Richards(ds) Jean McClean (back vo) Christian Ebner(back vo) Russell Capri(tp) Scott Englebright(tp) Christopher Maurer(tp) Michael Bravin(tb) Doug Robinson(tb) Rob Kaufman(tb) Rory Mazzela(sax) Brandon Fields(sax) George Shelby(sax) Lee Secard(sax) #bobbycaldwell
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Bobby Caldwell/Come Rain Or Come Shine(99)
<Stuck On You>で見せた新たな方向性を具現化したアルバムが『Blue Condition』とするなら、それをより昇華させたアルバムがこの『Cone Rain Or Come Shine』ではないだろうか?。アルバム発売のニュースが流れたのは98年の春頃であったが、敬愛する巨匠フランク・シナトラの訃報により急遽、氏へのトリビュートな内容に変更するということで延期となってしまった。実は遅れた理由はそればかりではなく、ボビー自身が全米ツアー敢行中でタイトなスケジューリングであり、その時点での録音は半分程度しか進行していなかったというのが主たる要因であった。その後、98年12月16日発売と再度告知が出た時点では曲名も発表され全15曲を予定、タイトルは『I'll Be Around』だった。... が蓋をあけてみると、収録曲も一部入れ替えられ12曲に、タイトルも『Come Rain Or Come Shine』と変更されていた。さて、お待たせの内容は、予告どおりAORファンの期待を見事に裏切った?、ビッグ・バンドを従えての全編ジャズ・テイストに溢れる続『Blue Condition』となるもの。 AORなボビーを期待してるファンにはちょっと気の毒な新譜といえる。録音は前回と同様キャピトルAスタジオで行われ、アレンジャーに ①.③.⑧.Ray Ellis、④.⑤.⑩.Don Bagley、⑦Randy Waldman の3人を迎え、残る②⑥⑨⑪はオリジナルのアレンジをそのまま使い、当時の雰囲気をリアルに再現、このあたりがいかにもボビーの拘りって感じがしてならない。今回収録された12曲のうち②<I've Got You Under My Skin>、⑦< Come Rain Or Come Shine>、⑪<I've Got The World On A String>は97年のステージ(東京アムラックス/Blue Condition Tour '97)で披露されたもの。⑪はそのステージを締めくくるスウィンギーなナンバーである。前作のアルバムではLUXのCF曲を中心として、既発表曲を再収録、そしてステージでお馴染みの耳慣れた曲をくっ付けたという印象であり、どうもその安直な作りに不満があった。しかし今回そう言う意味ではボビーが本来、実現したかったジャズ・アルバムとなったのではないだろうか? 数ヶ月遅れて本国アメリカでリリースされた『Come Rain Or Come Shine』は日本盤とはジャケ、曲数、曲順も変えられ発表。ジャズテイストに溢れたセピアカラーのボビーが粋です。このジャンルでの成功を賭けるボビーの意気込みが手に取る様に伝わってきます。再度< Beyond The Sea>を収録。 深みを増した艶やかな歌声、ジャジィでスウィンギーなナンバーに身をゆだねる至福の時、今夜もボビーにStuck On You....。 Japanese Version. 1. I'll Be Around (A.Wilder) 2. (I've Got You) Under My Skin (C.Porter) 3. Guess I'll Hang My Tears Out To Dry (S.Kahn - J.Styne) 4. Old Devil Moon (E.Y.Harburg - B.Lane) 5. Indian Summer (C.Coleman - C.Leigh) 6. The Best Is Yet To Come (V.Herbert - A.Dublin) 7. Come Rain Or Come Shine (J.Mercer - H.Arlen) 8. Ill Wind (H.Arlen - T.Koehler) 9. Day In Day Out (J.Mercer - R.Bloom) 10. April Moon (B.Caldwell) 11. (I've got the) World On A String (H.Arlen - T.Koehler) 12. Come To Me (B.Caldwell - S.Kari) U.S.A Version. 1.Come Rain Or Come Shine (J.Mercer - H.Arlen) 2.Old Devil Moon (E.Y.Harburg - B.Lane) 3. Day In Day Out (J.Mercer - R.Bloom) 4. I'll Be Around (A.Wilder) 5. Indian Summer (C.Coleman - C.Leigh) 6. (I've Got You) Under My Skin (C.Porter) 7. Guess I'll Hang My Tears Out To Dry (S.Kahn - J.Styne) 8. The Best Is Yet To Come (V.Herbert - A.Dublin) 9. Beyond The Sea(J.Lawrence/C.Trenet) 10. April Moon (B.Caldwell) 11. (I've got the) World On A String (H.Arlen - T.Koehler) 12. Ill Wind (H.Arlen - T.Koehler) 13.Come To Me (B.Caldwell - S.Kari) Produced by Bobby Caldwell Arrangement by Ray Ellis on 1.3.8. Don Bagley on 4.5.10. Randy Waldman on 7. Original arrangement by Nelson Riddle on 2.11. Quincy Jones on 6. Billy Way on 9. Original Release: 25/Mar/1999(Japan) #bobbycaldwell
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Bobby Caldwell/Blue Condition(96)
シナトラのファンでもあるボビー、AORを歌うより、JAZZにフィットする歌声。 ステージでジャズを歌う姿はとにかくカッコいいの一言。 AOR以外のボビーを認めないファンが多いが...😭 そんなジャジーな魅力を詰め込んだアルバムがこの『Blue Condition』 通算9作めとなるオリジナルアルバム。 発売前の噂通り全編ジャジーなナンバーで構成され、まさにこの数年間の新しい方向性の集大成といえる内容。 96年7月に先行発売されたシングル<The Girl I Dream>には8月25日発売と記載されていたにも関わらず、毎度の事ながらまた、二ヶ月も待たされる事に...。 発売前にFMやTVで『BOBBY CALDWELL SPECIAL』と題された特別番組が放送され、その中でLAのインタビューが披露されたので、ある程度の内容が事前に把握出来ていたが、今までにない力の入ったプロモーションに驚きを覚えたのは私だけでないはずだ。 最近のステージでは必ずと言うようにジャズ・セットが用意され<Stuck On You>路線での手応えがこんなボビーのアルバムを予感させていた。その番組や雑誌ADLIBのインタビューの記事で、ボビー自身が語るようにラックスのCF曲<The Girl A Kick Out Of You>の成功が、全編ジャズ・テイスト漂うアルバムを制作する直接の原動力となったようだ。 収録曲は<Beyond The Sea><All The Way>などステージでお馴染みの定番曲をはじめとするスタンダード曲の9曲、そしてオリジナル3曲の計12曲で構成されている。既に89年あたりからこのようなコンセプトのアルバムを作りたいと考えていたようで、何度となく次のアルバムでは?と期待されていたのも事実である。 さて内容はと言うとこれが憎いほどの仕上がり。ノスタルジックでいて新鮮、AORな匂いは微塵もないが(期待外れといわれるファンも多く存在するのも事実である。)紛れも無く彼自身そのものである。円熟味を増した渋い歌声がスタンダード曲と絶妙なハーモニーを奏で、こんな曲を歌うために生まれてきたかのようである。ビッグ・バンドを従え、これでもかの分厚いフォーンセクションにのせて歌う<Street Of Dreams>は圧巻! この曲を聴いただけでも今回のアルバムに対する思い入れの深さがひしひしと伝わってくる。20人のストリングス、25人ものフォーンセクションの迫力、ジャジーでいてソウルフルなヴォーカル、こいつはお手上げだ。幾度となくステージで聴いたスウィンギーな<Beyond The Sea>の収録は嬉しい選曲。スタンダード曲でのアレンジはRandy Waldmanの手腕がひかり、オリジナル曲との違和感が無く、非常にバランス良い出来である。ただ欲を言えば、新作に取り掛かろうとしていた時期にもちあがった、このアルバムゆえ時間がなかったのか、意図的なのか知る由もないが既発表曲が多すぎる点である。<Stuck On You><Don't Worry 'Bout Me><All The Way>などを再収録するならアレンジくらい変えてもいいんじゃない?
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