磁硫鉄鉱の切断標本作り 研磨編 富国鉱山 2020-10-03

初版 2020/10/03 21:10


 この石は、普通は標本にもならないような石です。ほとんど人に見向きもされません。でも、この様に切ってみると、珪化された(グライゼン化された)母岩に鉱脈が貫入している標本が出来ます。この鉱脈は、細いですが、完全体の鉱脈でした。切断標本は、色々な事を語ってくれます。鉱脈部分を実体顕微鏡で観察すると、磁硫鉄鉱の他、斑銅鉱や黄銅鉱も含んでいる事が分かります。ひょっとしたら褐錫鉱なんて稀産の鉱物も含んでいるかもしれません。とにかく、ガラス板を張り付けて、新鮮な状態を保つようにします。



 この鉱石の断面は、何処か、熱水鉱脈の物と比べて違和感が有ります。この鉱床には、母岩に玉状のノジュール鉱石を含んでいますが、それの高品位なものかも知れません。普通のノジュールは、磁硫鉄鉱の含有率は非常に低いのです。


 あまり、見向きされない磁硫鉄鉱ですが、この様な標本にすることで、色々な顔を見せてくれます。


 今日は、もう一つ、明延鉱山の磁硫鉄鉱を紹介します。

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