明快

初版 2024/02/23 00:35

改訂 2024/02/23 00:35

ベートーヴェン/ピアノ・ソナタ第2番イ長調op.2-2

第1楽章 アレグロ ヴィヴァーチェ
第2楽章 ラルゴ アパッシオナート
第3楽章 スケルツォ:アレグレット
第4楽章 ロンド:グラツィオーソ

ピアノソナタはこの絵を使おうと思っているんだけど、カール・シュティーラーがこのベートーヴェン像を描いたのは1820年頃ベートーヴェンは35歳。このピアノソナタを完成したのが1795年と言われているから10年前だな。ただ、誕生日に関しては一応1770年の12月頃と言われているがはっきりはしていないみたい。年齢的にはジョセフ・ウィリブロルド・マーラーの絵の方が若いね。ハッキリとはわからないけど、(調べりゃわかるんだろうけど、めんどくさい)おそらく1800~18010年くらいの間じゃなかろうか。演奏会用の服装みたいだね。髪の毛も短いし。

横道にそれた。

この曲も第1番とセットでハイドンに捧げられている。
輪郭が明確で太い。
この作品2とされる2つの作品は、それぞれが彼の作曲人生において繰り返されるイマジネーションのを象徴しているかのようだ。
第1楽章は跳ね上がるようなオクターヴから始まり、目の前の石を思いきり蹴飛ばしたら、以外と転ばないのでかけていってもう一度けっ飛ばしている間に夢中になるような線と点が明快に聴き取れる。
イ長調の第1主題に仄暗いホ短調の第2主題が若々しくも絡まってねじれてゆく。
ニュアンスをつけて弾くよりもその勢いの中にある気力みたいなものが感じられる演奏がいい。
後半は思ったよりピアニスティックでロマンティックで力無い暗さが浮き上がると続いて手を取ってそのまま空に放り投げるような第1主題の再現が深呼吸するように静まる。


第2楽章はこの時代におそらく他には聴けないようなラルゴ。第7番のラルゴ・エ・メストの予兆のような情動が趨り、チェロのピチカートのような音列が前のめりの若さをしっかりと支えている。
ラルゴでアパッシオナート。静かなる熱。
この辺がベートーヴェンの内省に深く根ざしている表現方のあり方を示しているようです。ハンマークラヴィールソナタの長大なアダージョの奥にある煮えたぎるような内省の熱。年を経た彼の内部にあったものを吐き出すためにはあの長さがどうしても必要だったのかもしれないと、このラルゴの時間と聴いていてふと思った。
ハイドン先生が瞑想しつつ跳ね上がるたびに『ほう!』とかいって膝でも叩きそうです。


第3楽章はおそらく名称では最初のスケルツォ。
でも、彼はメヌエットと称していても同じようにスケルツォであったりするのであんまり気にせんね。トリオはイ短調。
最後の楽章はロンド。アルぺジオが軽快で、ちょっと体が動く。大柄なモーツァルト。
イ短調の部分は情熱的で、楽器の進化にタイムリーな技巧が披見されていて、ちょっとベートーヴェンの意外な根っこに行き当たったような楽しさがある。
ここだけ聴くとベートーヴェンだと思わない人もいるんじゃないかね。
その後のベートーヴェンから姿を消してゆくとてもモーツァルト的な要素がみっちり詰まっていてボクはとても微笑ましく彼の若さと意欲を聴く。

この曲もボクはグルダの剥き出しのベートーヴェンの若さが好きなんだけれど、終楽章、まるでモーツァルトみたいな装飾音が突然我に返ったように鍵盤からはじき出される和音にベートーヴェンらしいアクセントが蘇る。好きな楽章です。

古生物を中心に動物(想像上のもの)を含め、現代動物までを描くイラストレーターです。
露出度が少ない世界なので、自作の展示と趣味として行っている地元中心の石ころの展示を中心に始めようかと思っています。
海と川が身近にある生活なので気分転換の散歩コースには自然が豊富です。その分地震があれば根こそぎ持っていかれそうなので自分の作品だけは残そうかとAdobe stockを利用し、実益も図りつつ、引退後の生活を送っております。
追加ですが、
古いものつながりで、音楽についてもLabを交えてCD音源の部屋をつくっています。娘の聴いてるような音楽にも惹かれるものがありますが、ここではクラッシックから近代。現代音楽に散漫なコレクションを雑多に並べていきながら整理していこうかと思っております。走り出してから考える方なので、整理するのに一苦労です。

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