2020 レイブリックNSX-GT

初版 2023/03/25 12:33

改訂 2023/03/25 12:39

2020 レイブリックNSX-GT

https://muuseo.com/Koshichi-museum/items/208

Koshichi

2020年シーズン最終戦を見た直後から、ミニカーが出たら欲しいと思っていましたが、エブロのミニカーは高価かつ入手困難なイメージがずっとあったので、ミニカー屋さんに陳列されているのを見つけた時は、何度も年度を確認して購入しました。

2020年シーズン最終戦、富士。当事者のみならず、観戦した誰もがこのレースを忘れることはないでしょう。

7戦を終えた時点で10チームにチャンピオンの可能性があるという大混戦で迎えた最終戦。

ドライバーズポイントランキングトップの平川亮選手が乗る37号車は、キャシディの代打として出場の“ヤマケン”こと山下健太選手が会心のポールポジションを獲得し、さらに決勝では前半を担当して後続とのマージンを十分に取るという素晴らしい仕事をして、トップで平川選手にバトンをつなぎます。

ドライバーズポイントランキング4位ながら逆転チャンスありの100号車は7番グリッドからのスタートとなりますが、牧野任祐選手が着実にポジションを上げ、22周目にピットに入るまでに2位まで浮上します。

後半を託された山本尚貴選手は気迫の走りでトップの37号車を追い上げ、その差をどんどん詰めていきます。

勝った方がチャンピオン獲得という状況の中、みるみる差は縮まり、残り20周の段階で15秒あった差は、残り10周の時点で7.5秒となります。

残り6周でその差は4秒まで縮まり、一周で1秒近いギャップを埋めていく山本選手の魂の走りに、ピットのレースクィーンが号泣しながら祈るようにモニターを見つめていて、こちらも胸が熱くなります。

2.5秒まで差を詰めたところで、平川選手もペースアップし、差が縮まらないようにコントロールします。

2.5秒から差が縮まらないままファイナルラップに入り、「やはり平川選手はコントロールしていたのか。山本選手もよく頑張ったよな。」と思ったのは僕だけではないでしょう。

実況や解説が、最後の最後までわからないとは言いつつも、もうほぼ決まったような雰囲気で、平川選手がいつぶりのチャンピオンになるとか、ニックとヤマケンの三人で掴んだ勝利になるなどの話をしながら、最終コーナーに入る37号車を見守っていました。

そして、最終コーナーを抜けて立ち上がりラインに入る37号車。

次の瞬間、実況が叫びます。「あれ?キーパーが遅い!」

全く加速しない37号車。そして、その横を通り過ぎていく100号車。

100号車がチェッカーを受けると、苦い表情のヤマケンが映り、そして号泣する牧野選手が映し出されました。

残り400mでの大逆転。

惰性でチェッカーを受けた37号車はすぐにコースサイドにマシンを止めましたが、100号車もウィニングランを半周ほどしたところでストップし、給油量の僅かな差が勝敗を分けたことがわかる印象的なシーンでした。

チーム国光のスポンサーを長年続けてきたレイブリックブランドのラストイヤーに最高のプレゼントを贈ることができ、前半を担当して2位までアップした牧野選手、最後の最後まで全く諦めなかった山本選手は本当に凄いと思います。

特に個人的MVPは山本選手で、全力で走りながらも、パッシングをして譲ってもらうとハザードでお礼をしていた点は全ドライバーに見習ってほしいです。

モデルは、青と黒の複雑な模様がキレイに再現されており、カナードや細かなスポンサーロゴもきちんと再現されています。

NSXはこの年からクラス1規定に合わせてFR化されていますが、シルエットはそのままで、フロントにエンジンが無さそうなくらい深いエアアウトレットがボンネットに付いているのが印象的です。

個人的には、エブロのモデルは全体的に横幅に対して高さの比が大きめで、レーシングカーが持つ平べったい雰囲気が少なめな印象がありますが、このモデルはNSXのカッコ良さがよく出ていて、実車の雰囲気が伝わる良いモデルだと思います。

Koshichi note

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Koshichi

生まれた時からクルマが大好きで、レーシングカーが特に好きです。ル・マンカーを中心にミニカーを集めています。

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