-
Larimar ラリマー(1)
ペクトライト(ソーダ珪灰石)の中で特に青色のものをラリマーと呼ぶ。 発見は1974年で、発見者の1人ドミニカ人のミゲルの娘ラリッサと海を表すマールの組み合わせで名付けられた。 ドミニカ共和国、バハマで見つかっているが、採掘が行われているのはドミニカ共和国のパオルコ鉱山のみ。 チェコ共和国でも、青色のペクトライトが見つかっている。 ラリマーの発色は銅によるものと言われている。
Pectolite NaCa(Si3O8)(OH) ソーダ珪灰石 ドミニカ共和国誌稀京兵
-
Wollastonite ウォラストナイト(1)
石灰岩と花崗岩質マグマが接した時に両者の反応で生ずる。 成分の珪酸カルシウムのうち、カルシウムは石灰岩から、珪酸はマグマから供給されたと説明される。 陶磁器原料、グラスファイバー原料などに利用される事があり、日本では岐阜県などで採掘されていた。 肉眼的な単結晶は稀で、たいていは柱状ないし、針状結晶の準平行集合体になっている。 色は白色で、他の色は少なく、光沢は鈍い。
Ca3(Si3O9) 珪灰石 4.5~5 三斜晶系誌稀京兵
-
Scheelite シェーライト(1)
重石とはタングステン鉱の意味で、灰はカルシウムを意味する。 大砲や戦車を作るのに必要なタングステン鋼の原料である為、第二次大戦後、アメリカ軍は重石鉱床の調査を行った。 灰重石は紫外線で青白く蛍光する。 そのため、灰重石鉱山には紫外線照射器が備え付けられている。 ただし、金満寿鉱山の灰重石の様に蛍光しないものもある。 元素タングステンの発見はスウェーデン産の灰重石を分析研究したシェーレに負うところが多いため、英名はシェーレに因んでいる。
CaWO4 灰重石 京都府亀岡市 行者山 4.5~5誌稀京兵
-
Yugawaralite ユガワラライト(1)
1952年に発表された鉱物で、櫻井欽一などにより神奈川県湯河原温泉不動の滝から発見された。 この場所は伊豆半島でも最も古い新第三紀湯ヶ島層で、藤木川を遡り、奥湯河原、湯河原浄水場、蛇態橋の付近でも発見されている。 湯河原沸石の他に、濁沸石、モルデン沸石、剥沸石、菱沸石なども産出している。 結晶は無色透明又は白色半透明の板状で、ガラス又は真珠光沢がある。 他の沸石と違い、塩酸に溶けない。 昭和57年4月1日湯河原町の天然記念物に指定されている。
Ca(Al2Si6O16)•4H2O 湯河原沸石 静岡県田方郡土肥町 大洞林道 4.5~5誌稀京兵
-
Hemimorphite ヘミモルファイト(1)
板柱状の結晶になることが多いが、結晶の両端で形が違う。 片方は尖っており、もう片方は平たくなっている。 このように上下が不揃いなものを「異極晶( Hemimorphism)」と言う。 トルマリンなど他の鉱物にも見られるが、特に代表的としてこの名が付けられた。 異極晶の鉱物は加熱や加圧によって静電気を帯びるという性質がある。
Zn4Si2O7(OH)2• H2O 異極鉱 Wen Shan, Yun Nan, China 4.5~5誌稀京兵
-
Apophyllite アポフィライト(1)
結晶が正方錐形または柱状で、柱面には縦に条線がある。柱が短くなって立方体に見えることや、板状になることもある。 柱の方向から見ると白く輝いて見えることから和名が魚眼石となった。 これは明治時代の鉱物学者の命名だが、欧米で「Fish-eye stone」と言う別名が古くからあり、その翻訳だと思われる。 「Apophyllite」は「葉片状に割れる」と言うギリシャ語からとったもので、熱した時の性質から命名された。 アポフィライトはカリウム、弗素、水酸基を含むカルシウムの珪酸塩鉱物で、弗素の多い弗素魚眼石と、水酸基の多い水酸魚眼石があるが、肉眼では区別がつかない。 標本として出回っている9割以上が弗素魚眼石である。
KCa4(Si4O10)2(F,OH)•8H2O 魚眼石 Poona, India 4.5~5誌稀京兵
-
Okenite オケナイト(1)
フワフワの触感で、ウサギの毛のようであり、鉱物という感じがしない。 19世紀の鉱物書にはすでにプーナ産のオーケン石が紹介されている。 グリーンランドのディスコ島で発見され、ドイツの自然研究家オーケンに因んで「Ockenite」と名付けられたが、後に「Okenite」に変更された。
Ca5Si9O23•9H2O オーケン石 Poona, India 4.5~5誌稀京兵