ドリームキャスト(1)

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1998年発売の、セガ最後のハード。ジャンクでもなかなかお目にかかれない。
ライバルハードと比べて低い3D性能、複雑な内部構造、そしてそれによる高い価格設定と難しいソフト開発のせいで徐々にPSとのシェアの差が開いていったサターンを諦めたセガ。「今のうちに次世代機を開発してPS2と差をつけるぞ」と、PS2の発表すらされていない1998年に発売した。
媒体はヤマハと共同開発したGD-ROM。直径は12cmCDと同じながらも、記録密度を高めることで1GBの容量を実現。コントローラー端子は4ポート備え、インターネット接続のために標準でモデムを搭載。また、MIL-CDという規格のCDを再生できる機能を搭載している。通常のCDプレーヤーで再生する場合はごくごく普通に音楽が流れるが、ドリームキャストで再生すると独自のコンテンツが楽しめるというもの。クイズが楽しめたり、ムービーを視聴できたりという内容だったがそこまで普及しなかった規格な上、違法コピーされたソフトを起動できてしまう穴が存在したため、セガの社名が変更された後の個体は大抵がMIL-CD再生不可となっている。

ドリームキャストは発売されてからはPSといい勝負をしていたものの、2000年3月4日にPS2が発売されてからの売れ行きは芳しいものではなかった。
PS2にはPSとの互換性、DVD再生機能があったからである。
勝ちハード、初代PSとの互換があることで最初から全力全開で戦える上、当時は安くても5万円以上したDVDプレーヤーが3万9800円で買えるという事実にびっくらぽんした当時の人たちはこぞってPS2を買いに行き、初回販売台数は約98台。(初代PSでもビデオCD再生機能を載っけたモデル(日本未発売。SCPH-5903)が販売されていたというので、その後継のような機能とも捉えられるかもしれない。)
ドリキャスは完璧超人のPS2に勝てるはずもなく、
2001年1月31日にセガは説明会でハード事業からの撤退を発表。同年3月1日にドリームキャストを1万9900円から9900円に値下げ。そして3月31日にドリームキャストの生産を終了。
まだ同世代のハード、初代XBOXが発売されていない時期のことだった…
(当時の大川会長が、「Microsoftがゲーム機を開発している」という噂を聞きつけた時、すぐさまMicrosoftと交渉したそう。「セガのソフト資産を提供するから、互換性をつけてくれ」
だが、セガとMicrosoftの方向性の違い(インターネット関連)により交渉は決裂。
なぜセガがそこまでしたのかといえば…ドリームキャストにWindowsCEのロゴがある通り、WindowsCEをベースとしたソフトなどのコンテンツがあったからだそうな。)

そもそもサターンに32bitのCPUを2つ載っけてる時点で相当なものなのだが、これがサターンの失敗に繋がり、早々に次世代機を開発することになったのだろう。この選択が、ドリームキャストでの失敗とハード事業からの撤退を招くことになってしまったのかもしれない。
セガがドリームキャストにDVD-ROMを採用しなかった理由として「コストがかかるから」という趣旨の回答をしているが、ドリキャスから1年と数ヶ月後に発売されたPS2ではDVDが採用されている。
ドリームキャストの発売を1年遅らせて1999年11月頃にしておけば、DVDのコストダウンも少しは進んでDVD-ROMを採用できていたかもしれない。DVD再生機能をつけておけば、PS2には劣るもののまだ戦えていたのかもしれない。サターンをあと1年、あと1年長生きさせていれば…と僕は考えている。考えているだけで、当時の状況なんかしったこっちゃないから正直何も言えない。
そもそもセガがこの道を選んだのは、「PS2よりも早く発売してシェアの早期拡大をするぞ」という戦略に沿ったものであって、この「負け」は必然的なものだったのかもしれない。

この個体はリサイクルショップで、880円で購入してきたもの。ディスクが読み込まないとのことで、レーザー出力調整をしたところまぁ普通に読み込んだ。だがこの後も読み込み不良が連発。結局もう一台ディスクを読み込むジャンクを買ってきてドライブ移植をしたのだが…この後のごたごたはまた別のお話。

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