小説 仮面ライダークウガ

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講談社から出ている平成ライダーの小説シリーズで、クウガのメイン脚本を努めた荒川さんの作品です。
原作から13年後を舞台にしており、ある意味では、繰り返しますがある意味では公式の続編とも言えるストーリーです。
読み物として非常に面白い良く出来た小説である一方で公式との解釈違いとも言える個人的な溝が多々あり、俺にとっては手放しで絶賛とはいかない難しい本です。
恐らく殆どの方に「もうこれが続編でいいよ」と思える程の内容になってるのは確かですが、原作ばかりを13年間こじらせた俺にとっては「〇〇ちゃんが〇〇になるのは流石に違うだろう」(ネタバレの為一応、一応伏字)「〇〇さん、そこまで引きずってるもんかな?男の友情ってもっとシンプルなもんでは」「〇〇さんと〇〇さん、本編でくっつく様な描写あったっけ?」「逆にこっちはくっついてないのかよ、リアルっちゃリアルだけど本編見た後だと何か余韻を台無しにされた感あるな…」「劇場版サービスみたいに次々と色を変えるのは違う気がするな」とか色々、本当に細かい事が色々出てきてしまいます。
本編を視聴し終えたばかりの方にいきなり「小説版が続編なので是非!」と間髪入れずに薦めるのもどうなんだろう…とか。
俺の中ではあくまでこれはパラレル扱いでこれの映像化は求めないし、かと言って見たかった続きを素晴らしい形で見せてくれた作品なので無下にも出来ないなと言った一筋縄ではいかない感じです。
読むと勿論面白いんですが、俺の望んでる仮面ライダークウガの続編というものは恐らくもう頭の中か思い出の中でしか作れないのかも知れないな…と少し悲しく悟ってしまう作品でもあります。
クウガ世界の未来はこうあるべき!と言うのは恐らく人によって多少はズレがありますし、これが公式だとコレジャナイ続編等で唐突に突き付けられてしまうよりはこういう形で見せてくれた方が良かったよな、とそこは本当にありがたいと思っています。
この小説の内容を公式設定の様に「でも〇〇はこの後こうなっちゃうんですよ」とか話すのは危険だと思いますが、読んで損の無い作品なのは間違い無いです。贅沢ですが本編視聴後暫く経って、「あの後皆どうなったんだろう」とふと思った時に読むのが理想なんですかね。
というかこの作品からでさえもう7年も経ったのか…。
続編一つで賛否が飛び交ってしまう。
こだわりが強いというか、いい意味で面倒くさいファンが集う作品。信者とか原理主義者とか呼ばれてしまう事もありますが、好き故に譲れなかったりこだわってしまう事はどうしてもあります。
改めて、クウガは罪深い作品ですね。
これからも続編を想うとき、切り離せずにお世話になる作品だと思います。

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