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Meteoraspis dis
この標本は、三葉虫コレクターのバイブルと言える「The Back to the Past Museum Guide to TRILOBITES」に掲載されている本種の世界的代表標本であります。本種の特徴は、何といっても尾部の鉤状の1対の短い突起が特徴です。下側の大きな個体は、頭鞍部の中央が埋められている補修がありますが、本種の希少さから欠点にはなりません。
Middle Cambrian Crepicephalidae,Ptychoparioidea,Ptychopariida TRI-534 WeeksTrilobites
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Symphysops stevaninae
Symphysops subarmatusの名称でも見かけますが、2012年にS.stevaninaeにて記載されました。元々単独で遊泳生活しているキクロピゲ類は化石化し難く、産出が極めて少ないのですが、本種はモロッコ産の中でも特に入手が難しいです。その中でも本標本の様に複眼付は、世界的にも数個体しか発見されていないのではと推定します。特徴的な頭部先端に突き出た角は、後から補正で追加されたような標本も偶に見かけます。本来は一対の棘が第1胸節後方に生えておりますが、この標本は少し前かがみのため、剖出時に失っています。第3胸節に2つの穴がありますが、これは感覚毛説や単眼説などありますが、本種の特徴の一つとなっています。 【標本リンク】ふぉっしる http://www.palaeoshop-fossil.com/catalogue/trilobite/Morocco/SymphysopsT04.html
Ordovician Cyclopygidae,Cyclopygoidea,Asaphida TRI-516 Lower KtaouaTrilobites
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Sthenarocalymene celebra
この種類、古くから収集しているコレクターはご存じですが、1990年代初期位までは、数千円程度で入手できる安価なアメリカ産三葉虫として多量に出回っていたのですが、近年はピタッと市場に出てこなくなってしまった種類の代表格です。化石である以上は、有限なので掘りつくせば無くなる訳です。太陽の光に当てるとキラキラ光る美しく名前の通りセレブな標本です。白くて柔らかい石質で、他の三葉虫産地の石質と異なります。
Middle Silurian Calymenidae,Calymenina,Phacopida TRI-28 NiagaranTrilobites
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Bergeroniellus spinosus
数ある三葉虫産地の中でも最も採取困難な立地のため、元々市場には出回り難く、地味な割に高額な三葉虫でした。更に2012年に「レナ川の柱群」としてユネスコの世界自然遺産に登録されると、もう新規の標本は手が届かない存在になってしまいました。三葉虫を産出するカンブリア紀の地層の中でも初期の層なので、三葉虫創世記の貴重な産地です。典型的な平坦な体形をした種類ですが、鋭い頬棘を既に発達させていました。
Lower Cambrian Ellipsocephalidae,Ellipsocephaloidea,Ptychopariida TRI-6 SinskTrilobites
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Sao hirsuta
チェコで三葉虫研究史に功績を残したJoachim Barrande(1799-1883)が、本種の成長段階を詳細に記載した図版(※1)が有名です。この書籍には約20もの個体が描かれているのですが、実は成体の完全な個体は描かれていません。当時から成体の状態の良い標本は少なかったと思われます。当時ですら完全体の入手が困難なので、閉鎖産地となった現在、図鑑の中でしか見ることが出来ない様な種類であり、多くのコレクターは名前は知っている物のコレクション出来ていない代表的な種類かと思います。一般的に見れば地味で頭部から胸部まで全身がツブツブで覆われていて、見方によっては不気味で気持ち悪さを覚える方もいるかと思いますが、三葉虫研究史に名を残した種類という事で、募集価値のある種類です。因みにSaoという短い属名は、全三葉虫の中でも最も短い名前です。 ※1:SYSTEME SIKURIEN DU CENTRE DE LA BOHEME Vol.Ⅰ.Planches.Crustaces:Trilobites(1852)
Middle Cambrian Solenopleuridae,Ptychoparioidea,Ptychopariida TRI-570 JinceTrilobites