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Cyrtometopus clavifrons
Asaphus系中心のロシア産において、Cheiruroidea(超科)などファコプスの仲間は種類も少なく、産出量も多くありませんの。それゆえ高額化して近年は簡単に手を出せない状況になっています。ただ近縁のParaceraurusもそうですが、ロシアのCheiruroidea(超科)の仲間は完成された美しさがあります。同じCyrtometopusの属名を持つデボン紀モロッコ産の種類とは、見た目は別種になっています。
Lower Ordovician TRI-485 Asery level Vilpovitsy Quarry, Saint Petersburg region, RussiaTrilobites
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Sphaerexochus hiratai
高知県にある横倉山は、かつて国内では数少ないシルル紀の化石産地として知られました。ここから産出する三葉虫は国内採取者の憧れの存在であったと聞きます。今は採取できないため、この産地の古い標本は入手が難しい状況です。Sphaerexochusという種類は、シルル紀からオルドビス紀にかけて生息したファコプスの仲間ですが、どちらの時代でも世界的にも産出量が少ないと言えます。特にシルル紀のSphaerexochusは、世界各地で産出はするものの完全体は図鑑の中の存在でしかありません。本標本は、最大の特徴である丸く膨らんだ頭鞍だけの部分化石ですが、愛嬌のある顔を想像することができる標本です。
Upper Silurian Cheiruroidea,Cheirurina,Phacopida TRI-633 Yokokurayama(G3)Trilobites
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Sphaerocoryphe robusta
何年も三葉虫を収集していくと、多くのコレクターはSphaerocorypheという種類を気に掛ける時期はあると思います。ただ、この1㎝程度の小さな種類は、簡単に入手できるような種類ではなく、憧れの収集対象である事が多いのでないでしょうか。それだけの存在感のある頭ボールの奇怪さは、全三葉虫の中でも際立った存在と言えます。この注目すべき頭ボールの用途は、抱卵嚢や胃など諸説ありますが、三葉虫の生態機能が集結していた頭部で重要な役割を果たしていたことは事実だと思います。Subfamily(亜科)レベルで Deiphoninaeという殿堂級の種類に近縁という所もコレクターに惹かれる要素を兼ね備えていると思います。
Upper Ordovician Cheiruroidea,Cheirurina,Phacopida TRI-482 RustTrilobites