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Eokochaspis piochensis
Eoptychopariaとも呼ばれていた初期のPtychopariida(科)の仲間ですので、Ptychopariida(科)系の先祖と思われます。Piche shaleの中でもComet Shale Memberと呼ばれる層から産出される様です。平面的で短めの頬棘以外に目立った棘も無く、眼も確認できない特徴の乏しい種類です。同じ産地から4種類ほど記名されてはいるのですが、比較できるほどの個体数や状態の良い標本が少なく、同定は困難で最も古くから認識されていた本種が代表種の様になっています。
Middle Cambrian Ptychopariidae,Ptychoparioidea,Ptychopariina,Ptychopariida TRI-459 Pioche shaleTrilobites
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Olenellus clarki
アメリカのオレネルスとしては、比較的に知られる種類ですが、この標本の特筆すべきは中心部にある黒い波打つ線です。これは、「消化管」と考えられていて、この様に軟体部である消化管がハッキリ残る標本は少なく貴重です。動物としての重要な機能である消化管ですが、カンブリア紀初期の黎明期の消化管は、現生の哺乳類などの複雑な消化器と比較すると単純すぎるほど簡素な器官でした。口から肛門まで直線的に続き、消化腺などがあった可能性はあります。堆積物ごと吸い込み有機物を消化して大部分は排出するような食事をしていたと考えられています。近年の研究では、カンブリア紀に素嚢(消化前の食物を一時的に保管する袋状の器官)や中腸腺(酵素を分泌する器官)を保有している種類も確認されていて、想像以上に複雑な消化器を持っていた可能性もあります。 【標本リンク】FFストア http://www.ffstore.net/detail/oln_010.html
Lower Cambrian Olenellidae,Olenelloidea,Olenellina,Redlichiida TRI-500 Pioche ShaleTrilobites
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Nephrolenellus geniculatus
初期の三葉虫の産地として著名なPioche Shaleのオレネルスです。頬棘、肋棘がきれいに残る標本は少なく、この個体は胸部にも縦の棘が確認できる保存状態です。この地からは、Olenellus gilbertiが非常に有名ですが、Olenellus(Paedeumias)chiefensisなど幾つかの種類が確認されています。Olenellusの仲間は皆同じに見えてしまいますが、頭部の幅、眼の位置関係などで種が分れているようです。本種は、他のOlenellusより尾部の節が広く発達している様に感じます。 【標本リンク】FFストア http://www.ffstore.net/detail/npo_005.html
Lower Cambrian Olenellidae,Olenelloidea,Olenellina,Redlichiida TRI-225 Pioche ShaleTrilobites