愛と勇気と針と糸
初版 2023/01/31 23:07
カジュアルオーディオには裁縫技術が不可欠です。
我が家のヘッドホン達は皆大事に扱われていますが寄る年波には勝てず合皮部分が剥がれ落ちつつあります。
イヤーパッドは純正品が供給されているので簡単に買えます。
(ソニーを除けば)値段も常識的です。
問題なのはヘッドバンド部。
構造上、割と深いところまでバラさないと交換できません。
ですから部品も供給されていません。
交換費用も安くても1.2万円。
ソニーのだと2万円以上かかるみたいです。
お気に入りのヘッドホンとはいってもこれじゃ費用が高すぎるのでなにか別の方法を考えます。
まず目に付くのはファスナーが付いたヘッドバンドカバー。
装着した画像を見た瞬間に
「無理無理、絶対無理。」
手頃で手軽なんですけどこれは却下です。
これなら自転車のチェーンステーガードを流用すればいいんじゃないかと思うんですけど
誰もやってないみたいなので致命的な欠点があるんでしょうね。
既製品に頼るのは甘え。
満足したかったら自ら手を下さなきゃダメだという結論に至ります。
伸縮性のある素材でヘッドバンドを覆って縫って裏返して(これで縫い目が隠せる)
両端を部品に収められればいいなと考えました。
用意したのは伸縮性のある素材(通称ストッキング)です。
これを手縫いでチクチクやっていきます。
まず現状のヘッドバンド
崩壊の予兆がほんの少し見えます。
次は筒状に縫った両端が隠せるのかどうか
部品を外してきちんと元に戻せるかどうかを確認しました。
これならいけそう。
きちんと元に戻せたし左右を間違えないようにマステで目印もつけました。
外したネジも右用左用で分別しています。
用意はできたのでヘッドバンドに合わせて素材を縫っていきましょう。
…と思ったらまち針がない。
縫った筒が大きすぎて緩くならないよう引っ張りながら縫うつもりだったんですがこれにはまち針が必要でした。
仕方がないのでホッチキスで代用です。
黒い素材に黒い糸を使って縫うとどこを縫ってるのかわからなくなって縫い目が汚くなる
そう感じたのであえて別の色で縫いました。
どうせ裏返すから見えないし。
怪しいながらもなんとか縫い終わりました。
余計な部分を切って端はほつれ防止のために炙りました。
あとは裏返して…
…思いっきり縫い糸見えてんじゃん…
浅はかすぎて笑いました。
仕方がないので黒く着色してごまかしています。
筒の端もきれいに収められました。
工程は覚えました。
これで外装の傷みには対処できるようになりました。
高い技術をお持ちの方なら元のヘッドバンドを剥がして新たに合皮で作り直せそうですね。
俺にはちょっと無理そうです。
寸法合わせてミシンで縫って素材を傷めず裏返すなんてできそうにありません。
カジュアルオーディオには裁縫技術と裁縫を恐れない勇気が不可欠です。
transpolar
時計、筆記具、レトロゲー、アウトドア。
108よりも多い煩悩を抱えて生きています
来世では今世での趣味に加えてハイエンドオーディオとキング・オブ・趣味の鉄道模型を始めるつもりです。
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