-
Pseudagnostus communis
ブリティッシュコロンビアMcKAY層のアグノスタスです。サイズや形も標準的なものになります。話はそれますが、カンブリア紀の大気は、現在の15倍の二酸化炭素濃度で、気温は後期カンブリア紀で平均摂氏50-60度。とても我々人間が訪れる事が出来る地球ではありません。もし海面を覗く事が出来たならば、沢山のアグノスタスが泳いでいるのではないかと想像します。
Upper Cambrian McKay Group Fraser river,Cranbrok,British Clumbia,Canada Pseudagnostus communistatsutoy
-
Orygmaspis contracta
ブリティッシュコロンビアMcKay層は現在も採掘されていると見られ、新種の三葉虫が見つかり続けています。カンブリア紀三葉虫は種類が多いので、この産地の三葉虫を全て入手しようとなると労力が必要かと思います。また、標本コンディションの良いものがなかなか得られないのも難点です。一方で、論文で掲載されるものの中には高品質のものもあり、2017年当標本と同種で、消化管細部まで残っている驚きの資料があります。(フリーアクセス論文後半) https://www.researchgate.net/publication/309549546_Exceptionally-preserved_late_Cambrian_fossils_from_the_McKay_Group_British_Columbia_Canada_and_the_evolution_of_tagmosis_in_aglaspidid_arthropods
Upper Cambrian McKay Group Fraser river,Cranbrok,British Clumbia,Canada Orygmaspis contractatatsutoy
-
Pterocephalia norfordi
カナダ太平洋側ブリティッシュコロンビア州東側を南北にロッキー山脈が走ります。アメリカワシントン州国境そばの石炭の町、ファーニー近くにある産地です。この産地からロッキー山脈沿いに北上すると、有名なバージェスがあります。当標本はMcKayの地層から産出する、「つば」の広いタイプの標準種になります。
Upper Cambrian McKay Group Fraser river,Cranbrok,British Clumbia,Canada Pterocephalia norforditatsutoy
-
Glaberagnostus sp. (altaicus E. Romanenko?)
シベリア産三葉虫といえば、東部サハ共和国産が多いのですが、西シベリア、アルタイ地方にもカンブリア紀地層が存在します。これはシベリアがカンブリア紀の頃は赤道直下に位置しており、三葉虫が暮らすのに適した環境であった事が推察出来ます。資料を見る限り、この標本より更に古い初期カンブリア紀三葉虫が、アルタイ‐サヤン山脈で見つかるのですが、あいにく種名でしか(しかもかなり多くの種)標記がなく、画像では見た事がありません。モンゴル産と並んでいつの日か、一般コレクターが完全体標本を目にすることが出来ると良いですね。
Upper Cambrian Glyptagnostus reticulatus biozone Altay range, Siberia, Russia Glaberagnostus sp. (altaicus E. Romanenko?)tatsutoy
-
Glyptagnostus reticulatus
同地域で見つかる3種のアグノスタスの中で一番採取頻度が低い種類です。表面全体が浅い凸凹に覆われ、シワシワしています。
Upper Cambrian Outwoods shale Mancetter, near Nuneaton, Warwickshire, UK Glyptagnostus reticulatustatsutoy
-
Grandagnostus falanensis
同地域で見つかる3種のアグノスタスの中で、表面がなめらかで、頭部が尾部に比べてやや大きいのが特徴です。
Upper Cambrian Outwoods shale Mancetter, near Nuneaton, Warwickshire, UK Grandagnostus falanensistatsutoy
-
Homagnostus obesus
同地域で見つかる3種のアグノスタスの中では標準的な種になります。ウォリックシャー州ヌニートン近辺の化石の最大の特徴は地層の変形を受けていない、つまり褶曲の影響がない事です。この場所で採れる代表的な三葉虫はOlenusなのですが、とても綺麗な標本ばかりです。残念なのがこの産地も保全地区指定や、採石場が埋め戻されてしまい、現在は採取出来ない模様です。
Upper Cambrian Outwoods shale Mancetter, near Nuneaton, Warwickshire, UK Homagnostus obesustatsutoy