第100回箱根駅伝 追っかけ観戦記[往路編]
初版 2024/01/13 07:39
新年あけましておめでとうございます。
今回はいつもの音楽ネタではなく、ちょっとお正月らしいネタです。
いつか一度はやってみたいと思っていた箱根駅伝を電車で追いかけながら観戦する通称「追っかけ観戦」。今年は記念すべき第100回、そして毎年1月2日に行われる親族の集まりが今年は日程変更になったという個人的事情も重なったことから決行する事にしました。
今回、書店で見つけて購入したコチラの「あまりに細かすぎる箱根駅伝ガイド!2024」(通称"あまこま2024")が大いに役立ちました。追っかけ観戦のための攻略本という趣旨で編集されているので詳細なコースマップが載っていて観戦ポイントへの行き方がわかりやすく、また1kmごとにマーキングがされているので通過タイムの予想に便利です。増田明美さんの解説にも負けないくらいにタイトル通り細かいうんちくがたっぷり載っているので読み物としても楽しめました。
事前にこの「あまこま2024」とネットで色々調べながら乗換案内を何度もポチポチして立てたプランがこちら:
()は通過予想時刻です
1区:スタート(讀賣新聞東京本社前)
始発で移動 大手町6:00着
(8:00スタート)
2区:横浜駅東口
JR東海道線 東京8:26→横浜8:52
(9:24横浜駅前)
3区:藤沢橋
JR東海道線 横浜9:31→藤沢9:52
(10:24 藤沢橋)
4区:大磯駅前
JR東海道線 藤沢10:44→大磯10:58
(11:13 大磯駅前)
5区:箱根湯本駅前
JR東海道線 大磯 11:32→小田原 11:48
箱根登山線 小田原 11:52→箱根湯本 12:12
(12:20 箱根湯本駅前)
せっかくやるからにはスタートを見てから先頭を追いかける形で2区、3区、4区、5区と全区間で応援する想定です。
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迎えた1月2日。自宅で軽い朝食を食べ、コンビニで行動食(おにぎり)を調達、始発に乗って大手町に6:00到着。駅でトイレを済ませて、地上へ。
まだ真っ暗ですが、すでに何台もの放送関係車両が路肩にスタンバイしてました。読売新聞ビル脇にある歴代優勝校のプレートと駅伝の像を見てからスタート地点に向かうと、号外が配布されていたのでゲット!
スタート周辺にはすでに大勢の観客が集まっていて、通路と応援に二分割された歩道で警備員さんたちが忙しそうに交通整理しています。早めの移動が奏功してか、うまい具合にスタート横の好位置を確保できました。以降、スタート時刻までにどんどんお客さんは増えていき、身動き取れない状態になっていきます。いったん場所を確保したらもう動けないものと認識しなければならない…ということをここで早速学びました。…先にトイレを済ませておいてよかった!寒さに震えながらガヤガヤと賑わうなか、中国語が多く飛び交っていたのにも驚きました。こんなところにもインバウンド需要!
空が明るくなってくるとともに、やがてスタート地点に横断幕が掲げられ、関係者が集まってきます。目の前を増田明美さんが通過して行ったので、思わず「あ!増田さん!」と声が出てしまい、周りのお客さんも「ホントだホントだ、増田明美さんだ~」と盛り上がったりしながら、ひたすらスタートを待ちます。
スタート時刻が近づいてくると、1区を走る各校の選手たちが目の前でウォーミングアップを始めました。スタート後の直線がそのように使われるとは知らなかったので、嬉しいサプライズでした。当日のエントリーが貼り出されるところまでは見に行けなかったのですが、駒澤大学の篠原選手、順天堂大学の三浦選手(3000m障害でオリンピック出場)など顔がわかる選手もいてこちらもテンション上がります!アップの動きが徐々に激しくなってくるとスタートが近づいていることが伝わってきて、観ているこっちまで緊張してきました。
そしていよいよ8:00、大歓声とともに第100回箱根駅伝のスタートが切られました。目の前を凄いスピードで駆け抜ける選手たち。あっという間に消えてしまった選手たちを見送った我々観客は思わず「一瞬…。」「一瞬だったねぇ。」と苦笑してしまいました。2時間近く待った挙句、実際のレースそのものは一瞬しか観られなかったわけですが、待ち時間含めて大いに楽しめました。
スタートを見送って一息入れる間もなく、周りのお客さんが一斉に移動開始!さあ、ここからがいよいよ「追っかけ観戦」のスタートです。観客がバラけはじめてくれたおかげで、このタイミングでエントリー表も見ることができました。アナログな模造紙なんですね。
猛ダッシュで駆けていく人、早歩きの人、のんびり歩く人…みんなゾロゾロと東京駅へ向かいます。ダッシュしている人たちはおそらく品川で京急に乗り換えて1区の途中の観戦ポイントに向かう人達と思われます。私はスタートを観たことで1区はクリアしたことにし、少し余裕をもって2区の観戦ポイント、横浜駅へ移動します。
古いワンセグ機、そしてスマホでTVerとradikoを駆使しながらレースの状況を確認しつつ、東海道線で横浜駅へ。予定どおり9時前に横浜駅に到着、駅の売店で箱根駅伝グッズを販売してたので見事に釣られてクリアファイルを購入。
改札を出て東口に向かい、ポルタに降りる手前右側の階段で地上に出て歩道橋を渡って国道1号線の下り車線側へ向かいます。すでにかなりの人で賑わってましたが、ちょうど歩道橋の真下は人が少な目だったのでここに陣取って「花の2区」のランナーを応援することにしました。
そしてほぼ予想どおりの9:24に放送車と白バイに先導されて先頭の駒澤大学が通過。すごい声援でした。
続いて2人の留学生選手(創価大、日大)、4位は城西大、そしてダンゴ状態の5位争い集団…と次々ランナーが通過していきます。最終ランナー(日体大)まで見届けたところで、次の3区・藤沢に向けて移動開始。ここも予定通りの東海道線で藤沢駅に着いてみると、ものすごい数の人がホームから出口に向かっていきます。追っかけ観戦するには3区は実質ここ藤沢しかないので、それまでバラバラに行動していた「追っかけ観戦組」が藤沢駅に集中した形です。
そして藤沢駅北口を出ると、この大人数が三方向に一斉に走り出しました。「あまこま2024」によれば藤沢駅からアクセスできる観戦ポイントが三か所あり、ここでどこに行くか迷っているとタイムロスしてしまう…ということだったので、私は向かって一番左の道を進み、「南仲通り」の交差点を目指しました。藤沢駅から観戦ポイントまでは徒歩10分ほどの距離なのですが、1秒でも早く着いて良い場所を確保したいということなのか…みんな凄い勢いで猛ダッシュしていきます!でもやがて途中で足が止まって一人、二人と脱落していく人も出てきて…こんなところで別のレースが繰り広げられているなんて!ただ、実際に辿り着いてみると意外とすんなり良い場所に入れたので、そんなに必死になって走らなくても大丈夫そうな気がしました。
陣取った場所は遊行寺の坂を下ってくる選手が見えるポイント(実際は通称「嘘の遊行寺の坂」と呼ばれる小さい坂)でしたが、その少し手前の「藤沢橋」交差点の通過予想時刻10:24に対して、10:25に先頭の駒澤大学、そしてかなり差を縮めて肉薄する青山学院大学が通過。ほぼ予想どおりの通過時間でしたが、やや予想より早い通過になりつつある感じでした。
ここでもできれば最終ランナーまで見送りたかったのですが、「追っかけ観戦組」が一斉に東海道線に乗り込むことを考えると予定の電車に乗り切れなくなるリスクが出てくるため、早めに移動開始。またまた藤沢駅までダッシュで向かい、次の大磯を目指します。けっこう体力勝負です!
4区は大磯以外にも二宮や国府津でも観戦できるようですが、その先のことを考えてなるべく手前の大磯で観戦することにしました。大磯駅から行ける観戦ポイントも二か所あり、ここでも駅を出てから左右に人が散っていきます。私は左の道を進んで「大磯駅入口」の交差点を目指してここでも(無駄に?)ダッシュ!ここの観戦ポイントは初めて対向車線になりました。対向車線側は交通規制がなく普通に車が走っていますが、選手の通過時には停車させられるのでまったく見えないということはありませんでした。
11:13の予想に対して11:10に先頭が入れ替わって青山学院大学が通過、少し差が開いて駒澤大学が追いかけます。すでに予想通過時刻よりも早く通過するようになってきていたので、次の5区で先頭ランナーを先回りしようとすると、ここでもあまり長居はできなくなりました。もはや「誰(どのチーム)まで観るか」ではなく「いつまで観るか」になってしまっていました。
この大磯での4区観戦中に雨も降りだしてしまい、天気予報を観ていなかったので傘もレインコートもなく、なかなか過酷な状況になってきました(レースを走っている選手のほうがはるかに大変ですが)。雨に濡れながらダッシュで大磯駅まで戻り、駅のコンビニでビニール傘を購入、次の5区、箱根湯本に向かいます。
ここからは時間との闘いなので、電車も何号車の何番ドアに乗れば次の乗換えがスムーズかを調べてホームで電車を待ちます。早めに移動したので列のほぼ先頭に並べましたが、やがて大磯駅のホーム上は観戦者でごった返して都内の朝のラッシュアワー状態に。なんとか予定どおりの東海道線に乗ることができましたが、乗りきれない人が続出。電車が出発してもその先の二宮駅や国府津駅でも同様で、「乗りきれない場合は次の電車をご利用ください。次の電車でも小田原中継所には間に合います!」という車内アナウンスに車掌さんの必死さが伝わってくるとともに、ちょっとほっこりしてしまいました。
混雑の影響で小田原駅への到着が少し遅れ、小田原駅でダッシュで箱根登山鉄道に乗り換えたものの、こちらも大混雑の鮨詰め列車でした。混雑してたのと山間部だったのとでスマホの電波もワンセグも上手く受信出来ずでレースの状況が把握できなくなってしまっていたのですが、どうやらトップの青学は当初のこちらの予想よりもはるかに速くペースを刻んでいたようで、箱根登山鉄道の車中からその背中を見送る事になりました。
大混雑の箱根登山鉄道は箱根湯本駅に6分遅れて到着。ちょうどそのタイミングで駒大が通過して行ったので、みんながその姿を見ようと大混乱に。
ここはサッサと脱出すべく、立ち止まっての観戦を控えるようアナウンスが響くホームを後にして駅を出て歩道橋を渡って下り車線側へ。ちょうどたどり着いたあたりで3位の城西大と4位の東洋大の通過を観客の傘の間から確認。そして5位以降は落ち着いて応援することが出来ました。
最終ランナー(日体大)が通過して交通規制が解除されると、ボランティアさんが観客に向けて「お疲れ様でした。また明日!」と声をかけてくれました。冷たい雨の中、ありがとうございました!
これで往路の観戦は終了。たくさん走ってお腹が空いたので箱根湯本で何か食べて帰りたかったですが、どこも大混雑だったので断念。温泉まんじゅうの食べ歩きで我慢して帰路に着きました。
周りの「追っかけ観戦組」の会話から聞こえてきた話によれば、コロナ前はここまで多くの人はいなかったそうです。自分もそうですが100回の節目の大会ということとコロナ明けで応援が解禁になった事が重なって、多くの人が「追っかけ観戦デビュー」したのでしょう。その混雑によって電車が遅延した事、そして何よりもレースそのものが高速化した(往路優勝した青学のみならず2位の駒大も新記録!)事で、もはや電車で追いかけながら全区間で応援するのは難しくなってきてるのかもしれない、と感じた往路の追っかけ観戦でした。