機械式計算機 Original Odhner Model 7 (1929~1931)

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オドナー(オドネル)の機械式計算機 Model7。
シリアルNoから調べると、1929~1931年の製造。
http://www.rechenmaschinen-illustrated.com/Odhner_serialNumbers.htm

Model7は最もベーシックな、松竹梅で言うところの梅に相当するモデル。
この機体は小数点の位取り指針が鋳造部品で、ダイヤルのリセットが蝶ねじの、Model7の中では割と初期のもの。
(もっと初期になると、台座が丸っこい形になる)

<Model7の特徴>
入力した数字を確認する『チェックダイヤル』:なし
連乗を行う『結果数転送機能』:なし
乗除算を効率的に行う『回転数レジスタの繰り上がり機構』:なし

加算減算をメインで使用するなら、上級モデルとさほど操作性は変わらないと思う。
同等機能のモデル(107、207)は継続して戦後も生産されていた様子。
高価な機械だったので、機能を絞った廉価なモデルも需要があったのかな?

入力ノブのあたりの天板は磨耗しているが文字が消えるほどではなく、真鍮がピカピカして良い感じだ。

操作感はきわめてスムース。ただし入力する数字が増えると、結果数ダイヤルを回すために回転が重くなる。

あと、キャリッジの左右操作はちょっと重い…
左手前の丸ボタンを押し込むとキャリッジが左右に動くんだけど、上から押す力を三角形のカムで左右の動きにしているので原理的にそもそも重いんじゃないかな…

丸ボタンの真ん中にあるレバーを押し込むとキャリッジがフリーになって左右移動できるんだけど、これも重い!

蝶ネジは回転数レジスタ・結果数レジスタのリセット操作に使用するが、操作としては360度回すために2アクション要るので、
速度は無いけどなんというか、見た目的にクラシカルで可愛らしい…
鋳造の位取り指針も重々しい感じで良い。

入力ノブ部左の三角形のつまみは、入力ノブをリセットするためのもの。
左にスライドするとノブの通り道に櫛歯が出てくるので、その状態でメインハンドルを4分の1ほど回して戻すと入力ノブがゼロに揃う仕組み。

購入はebayにて、チェコ共和国 プラハから届いた。
キャリッジ移動ボタンのところに、蓋の代わりに販売店の物と思しきプレートがネジ止めしてある。
『ORIGINAL-ODHNER PRAGUE NÁRODNÍ 25 TEL 28704』
発送された住所はここからさほど遠くない場所だった。

2重のダンボール箱で梱包してもらったにもかかわらず、大きくて重いものを海外購入する常で、届いたときにはメインハンドルの握り部分が粉々に粉砕された状態にorz

元々商品説明ではハンドル周りの部品が欠品してる説明があったのと、手元に以前やはり壊れて届いた同時期の別モデルがあったので部品を使いまわして事無きを得たのであった。
キャリッジ移動ボタンのあたりもちょっと曲がっていたが、これは力技で修正して問題無し。

海外通販で重いものを買うと破損の危険もあるけどなにしろ送料が高い…本体と同じくらいかかってしまう。
購入するにはなかなか思い切りが必要である。

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